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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その十四 解析魔法

シアラルス


「こちらです」


あたい達はミレイに案内してもらいながら源魔石のある場所へと向かっていた。

そしてミレイは私達を王の間へと導いた。


「ここにあるのかい?」

「いえ、ここはただの通り道です」


そういうと殺風景な王の間で唯一置いてある椅子へと向かって行く。

そしてその椅子の縁をコンコンと一定のリズムで叩くと突如音を立てて椅子が動き出した。

そしてそのまま隠された道が切り開かれる。


「へえ、隠す通路かい」

「秘密の入り口か。何かすごいお宝がありそうだな」

「それにしてもセキュリティーが甘いっしょ。叩けば開かれる何て簡単すぎるっしょ」

「見た目で言えば簡単そうに見えるが、実はコツがいる。いい具合に叩かなければ開くことはない。感覚の問題だ、説明しても早々に開けないだろうな」


確かに叩く時独特の手首を使い方をしていたような気がするね。

聞いただけじゃすぐにはマネ出来そうにないね。


「じゃあ、出来なくなったらどうするんだよ。急に感覚が鈍る事があるだろ」

「その時は魔法で無理矢理こじ開ければいいのです。少なくともあの男なら可能でしょう」


あの男ってのはガイスの事だろうね。


「まあいいや、とにかく早く入ってみようぜ。城の地下ってのは必ず宝が眠ってる者だからな」


怪盗の性なのか地下を見つめがらハイはキラキラと目を輝かせる。


「そうのは分からなくもないけどやめときな。欲をかくと身を亡ぼすよ」

「その通りだ。私の言う通りに行動できない者は死ぬと思え」

「し、死ぬ?」

「ここは言う事を聞いた方が良いっしょ」

「ああ、分かったよ」


ハイは諦めたのか肩を落としながら大人しくミレイの後ろに付く。


「それでは案内しますので付いて来てください」


地下への階段はほんの少し明かりが灯されているのみだ薄暗い。

だけど何回か行き帰しているようだね。

埃被ってるわけでもないし、地面にも複数の足跡が見える。

でもほとんど同じ奴が通っているみたいだけど、まあ当然ガイスだろうね。

何度か気になる部屋を通り過ぎると一番奥の部屋でミレイは足を止める。


「この中に源魔石の欠片が保管されています」

「この扉の奥かい」

「はい、どうぞ入ってください」


ミレイは一歩後ろに下がりあたいに前を譲る。

そのままあたいは扉の方に近づき、そのまま目の前で立ち止まる。

この扉を開けて、機械を回収すれば作戦は完了。

事が上手く行きすぎているような気がするけど、それもこれもデビのおかげだね。

他の皆が戦っているんだからあたいも早く任務を終わらせないと。

あたいは意を決して扉のドアノブに手をかける。


「ちょっと待って!」


突如その声が響き渡るとあたいは反射的にドアノブから手を離してしまう。


「な、何だい急に大声を出すんじゃないよ。びっくりしたじゃないか」

「すみません。ですが仕方ない事なんです。そのドアを開けてはいけません」


開けてはいけない?


「さっきと言ってることが違うね」


その言葉に疑問を感じて思わず聞き返してしまう。

するとミレイは少し言いにくそうに唇を紡ぐ。


「本当はこれは言わない約束でした。その扉を開けた場合、爆発して近くの者を吹き飛ばします」

「ば、爆発!?それ死ぬ奴じゃん!」

「罠って事っしょ。私達を嵌めようとしたっしょ!」

「ガイスに言われていた。裏切ったふりをして罠にはめろと。ここに連れてきたのもその指示からだ」


嘘を言っているわけじゃないね。

本音で話してるっ感じだ。

どうやら本当にあたい達を罠にはめる気だったみたいだね。


「ならどうして急に教えてくれたんだい?あたいがドアノブを捻れば任務達成だろ?」

「ガルア様を慕っている気持ちは本物です。ですがガイス様を裏切った場合の報復が私は恐ろしいんです。本当にガイス様を倒せるのか、そのビジョンが私には思い浮かびません」

「歯向かいたい気持ちはあるけど勇気が出ないってことだね。まあ、気持ちは分かるよ。あの男に盾突くのは並大抵の事じゃない。それでも今勇気を出してあたい達に教えてくれただろ?」

「っ!」

「そう言う小さなことから少しずつ前へ進めばいいんだよ。あたい達はお前の味方だよ」

「ありがとう‥‥‥ございます」


ミレイは涙をこぼしながら感謝の言葉を呟く。

余程恐怖を感じていたんだろうね、あの男にずっと付き従ってたんだ。

精神が擦り減るのも無理ないね。


「よく頑張ったね」

「ううっぐす」


するとハイが少し気まずそうにミレイの元に近づく。


「あーその悪かったな。悪者みたいな言い方して。お前は間違いなく俺達の仲間だよ」

「すまないっしょ。私も反省してるっしょ」

「大丈夫だ。そういう扱いをされる覚悟はしていた。むしろ謝罪に感謝する」


ミレイは涙を拭き取り凛とした顔立ちをする。

もう立ち直ったみたいだね。


「私も共に戦うと誓おう、ガルア様に捧げた命。最後まで付き合う」

「いいねえ、そう言うの嫌いじゃないよ。それじゃあ本物の源魔石の欠片は何処にあるんだい?」

「あっそれはこの部屋です」


そう言うとシンラは目の前の扉を指差した。

その扉は先程爆発すると知った扉だ。


「おいおい言ってることがおかしいぞ。この扉は爆発するんだろ?」

「ああ、その扉の中に源魔石が隠されているんだ。源魔石はそう簡単に壊れないしな。取るにはそれなりのリスクがあると言う事だ」

「痛み覚悟で取るしかないって事かい?」

「魔法によって仕掛けられているのでそれを解除するすれば可能ですが‥‥‥」


そんな魔法がある何てね。

ガイスの魔法は多種多様すぎて対応に困るよ。


「ふっふっふっここは私の出番っしょ!」


するとローが不敵な笑みを浮かべながら扉の前に立つ。


「魔道具で罠を仕掛けられたりすることが多いから、それを解除する為の魔法を覚えたっしょ。魔法解析(マジックアナライズ)!」


ローは魔法陣を扉に展開させる。

するとそのまま難しい顔をしながら魔法陣をじっと見つめる。


「凄い強力な魔法っしょ。解除するのに一時間はかかるっしょ」

「一時間か、それなら先に機械の方を盗みに行った方が良いんじゃないか?」

「確かにそうだね。ローはこの場で待機で大丈夫かい?」

「ここは誰も居ないから大丈夫っしょ」

「見回りもここまでは来ないだろう。安全なことには変わりない」

「分かった、それなら一時別行動を取るよ。あたいらは機械の回収に向かうからローは魔法を解除したら源魔石を回収して、こっちに来てほしい。まああたいらも終わったらすぐに向かうよ」


一時間となると微妙な時間帯だね。

あたいらが終わってももしかしたらまだ続いてる可能性はあるね。


「分かったっしょ。ここは任せるっしょ」

「じゃあなローまた後でな」


そしてあたいらは先に機械の方へと向かう事になった。



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