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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その十二 シンラvsピンカ&イナミ

ウォームウッズ


「裏切ったことを後悔しなさいですって?はっそんなの後悔するわけないでしょ。むしろ後悔するのはあんたの方よ」


周りを取り囲むように魔法陣が展開されている中、私はまっすぐ指を目の前に居るシンラに差す。


「私が後悔をするとでも?むしろ私はあんた達にチャンスを上げていたのです。それなのに後悔をするわけないじゃないですか」

「まだ分かんないの?最後に立っているのは私達だっていう事よ!」


私はすぐにシンラの元へと走り出す。

ここから魔法陣を展開するのもありだけど先手を打たれている以上、それは得策じゃない。

先ずは間合いに入る事。


「ただ真っ直ぐ突っ込んでいくだけ、どうやら私が期待していた以上にあなたはバカの様ですね」


そういうと、先程展開した魔法陣がこちらに向かって放たれる。

その一撃は私に到達する前に別の魔法によって弾かれた。


「っなるほど、イナミ。どうやらあなたは本気で彼女を守るつもりの様ですね」

「ピンカには指一本触れさせない」


背中はもうイナミに任せてる。

私はもう攻める事だけに集中すればいい。


「喰らいなさい!ロックガトリング!」


無数の鋭い岩をシンラに向かって跳ばす。

シンラは瞬時に魔法陣を三つ出現させてそれらすべてを破壊する。


「この程度の魔法陣、どうという事では」

「ロックロック!!」


地面から岩を出現させて挟み込もうとしたが寸前の所で身を翻して回避させる。

そして体勢がまだ整っていないタイミングで次の魔法をぶつける。


「ロックスタンプ!!」

「アグレッシブフルート!」


岩は真っ二つに裂けてシンラを避けるようにして落ちて行く。


「攻め続ければ私に勝てるとでも」

「やっぱり馬鹿ね!攻めなきゃ勝てないでしょ!レベル魔法!アイアンソイルギガゴーレム!」


巨大なゴーレムを出現させてシンラの元へとゆっくりと迫って来る。


「のろまなデカ物を生成したところで意味がないと言うのに」

「まだ終わりじゃないわよ!ツインドリルロック!」


私は次々と魔法陣を展開させてシンラの動きを封じて行く。

シンラは何度かこちらに魔法をぶつけて来ようとするがイナミによって全て防がれる。


「少々、守りが厄介ですね。それなら元を断てばいいだけです」


すると私に向かって来ていた魔法が突如消えてイナミの方に集まって行く。


「さようならイナミ、私を裏切った罰ですよ」

「それはどうかなもう一つの鏡世界!」


その時突如出現した鏡に迫っていた魔法が全て入って行く。

そしてその鏡はシンラの近くに出現した。


「返すよ。その魔法」

「何!?」

「よくやったわ、イナミ!潰れろ!


ゴーレムが拳を振り下ろしシンラが自ら放った魔法が背後へと現れる。

一気にぶつけてやるわ。

流石のシンラも自分の魔法ならば対処に困るでしょ。


「それがあなた達の限界ですか」

「え?」

「ディストラクションウィンド」


壊滅的な暴風が周りの魔法をすべて破壊し、その近くの壁や天井も破壊していく。

これはまずい!


「イナミ!!」


すぐにイナミの元へと駆け出しそのまま何とかその部屋を脱出する。

その時壁が一気に引っぺがされ王の間は完全に破壊された。


「少し、威力を間違えましたか」

「ば、化け物‥‥‥!」


やっぱり規格外の強さ。

私の魔法事ずべてもっていかれる何て。

一撃でも当たればまだ楽になったんだけど仕方ないわね。


「イナミ、まだバテてないでしょうね」

「当たり前だよ。ピンカこそもうギブアップとか言わないよね」

「ふん、言うようになったじゃない」


とはいえこの状況を何とか覆さないと。

威力も魔力量もシンラが圧倒的に上。

それは初めから分かっていた事、それを覆すためにオリジナル魔法を鍛え上げてレベルも上げたんだから。


「イナミ、あんたのオリジナル魔法鍛えたりとかしたんでしょうね」

「もちろんだよ。色々と制限は合ったけどそれらを何とか克服することが出来た。さっきやったみたいな鏡の場所配置とかね」

「よし、とにかく一撃入れるわよ。先ずはそれから」


そのまま距離を取りつつシンラが居る半壊した王の間へと戻る。


「これでもまだ戦う事を選ぶのですね」

「当たり前でしょ。あんたを倒すまで出るつもりはないわ」


さてと、この距離なら何とか魔法を撃ちこまれても対処できる。

でも私も離れながら戦うとなると簡単に魔法を弾かれちゃう。

近くに行って意識をこちらに向かせて死角からやらないと。

その為にもやっぱりさっきのやり方で行かないといけないけど。


「イナミ、オリジナル魔法を展開して」

「え?どうするつもり?」

「分かるでしょ、察しなさいよ」

「察しろって言われても‥‥‥あっ」


理解したのかイナミはハッとした表情する。


「行けるわね」

「うん!」

「いいでしょう。向かってくるのなら返り討ちにするだけです。ですが負けた時は源魔石の欠片を置いて行ってもらいますよ」


再びシンラは一瞬にして高レベルの魔法を五つ展開させる。

そんなレベルの魔法をポンポンと出さないで欲しいんだけどね。


「リフトタイフーン!」


私は自身の体を浮かして空中に浮かぶ。


「空中で回避するのは愚策ですよ」


シンラは好機と言わんばかりに空中に居る私に向かって魔法を放とうとする。

やっぱりそう来るわよね。


「任せたわよ、イナミ!」

「うん!もう一つの鏡世界!」


その時落ちて行く私の真下に鏡が出現する。

そして鏡の中に入る事でシンラが放った魔法から難を逃れる。


「なるほど、鏡を使っての回避ですか。確かにそれならば合理的に避けられますね。ですが――――――」


その時シンラはすぐに後ろを向き背後に現れた鏡に気付く。


「出てくる場所が単純すぎますね」


シンラはすぐに鏡から私が出て来ると思って迎撃の構えに入る。

だけどそれは罠、そこの鏡から出て来るのは私じゃなくて魔法よ。


「っ!」


大きな炎が鏡に出現しシンラは一瞬回避が遅れる。

その為ほんの少しだけ炎を浴びたがシンラからしてみればそれはちょっと熱を感じただけでしょうね。


「なるほど、少し面を喰らいましたがこの程度なら喰らった所で何の意味は——————」

「捕まえた!」


その時、シンラの周りには大量の鏡が出現していた。


「わざと避けられるようにしたんですか。展開させておいた鏡に逃げるように」

「上を見上げて周りが見えてなかったからね。そこを突かせてもらった。知ってると思うけど俺の鏡は魔法を通すよ」

「魔法で私を集中攻撃するつもりですが、ですがこんな鏡簡単に破壊できることをお忘れですか!」


シンラは鏡を破壊する為に無数の魔法陣を展開する。

そしてそれらを一気に放つ。

それを見て、私は作戦の成功を確信した。


「もう一個忘れてる事があるよ。俺の鏡は反射もする!ミラージュバンス!」

「しま――――――っ!!」


自身の魔法が跳ね返って一気に襲い掛かって来る事で直撃する。

流石にダメージが大きいでしょ、でもまだ終わりじゃない。


「油断しましたね‥‥‥ですがこの程度ならまだ」

「終わりじゃないわよ!」


鏡の中の一つから私はシンラに向かって跳び出していく。

だがその時飛び出て来る前にシンラがこちらを見ていた。


「気付かないと思いました?反射した鏡の中で唯一一つだけ使われなかった鏡があるのを。残念ながらあなたはここで終わりです」


シンラは私よりも早く魔法陣を展開する。

魔法の展開速さはあっちの方が圧倒的に早い。

普通ならここで避けることは不可能。


「ふっ終わりなのはあんたの方よ」

「何——————っ!?」


鏡の中から私が出て来るのは囮本命は反対の方から既に展開された魔法の一撃。


「アイアンソイルギガゴーレム!」


鏡の世界からの一撃よ!

シンラは突如出現した巨大なゴーレムの一撃に反応できずにそのまま直撃して吹き飛ばされる。

そしてそのまま鏡を通して別の場所から出現した瞬間、さらに追い打ちを掛けるように真上に出現した鏡からゴーレムの鉄槌が下される。


「っ!!」


完全に押しつぶした。

並みの魔法使いなら即死レベルの一撃だけど、こんな事じゃあいつは倒れない。

予想通り、シンラはそのまま起き上がると血が付いた口元を拭う。


「まさか鏡の中ですでに魔法を発動していたとは、私はあなた達の事をなめ過ぎていたようですね」

「いまさら?ていうかいつまで余裕ぶってるつもり?その一撃はあんたも無傷じゃすまないでしょ」

「そうですね、私も本気を出さざる負えません」


雰囲気が変わった、何か大きな一撃が来る。


「見せてあげましょう、私のオリジナル魔法を!」



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