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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十三章 奪われた者達の決戦
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その八 ミュウラvsミズト&ナズミその2

ウォータープラメント


「はあ、はあ、はあ‥‥‥」

「くっ!」

「神は言っています。あなた達は敵ではないと」


つ、強すぎます。

やっぱり目の前に居る人は異次元の強さ。

もしかしたら今のミュウラ様は当時のミュウラ様よりも強いかもしれない。


「私の魔力を引きずり出すと言っていませんでした?どうやら結果はそんな事はなかったようね」

「結果を語るには早計過ぎない。私はまだ本気を出していない」


お姉さまはそう言うと手に持っていた魔剣にさらに魔力を込める。

水で出来た刃は更に揺らめきその鋭さを増している。

流石のミュウラ様もその剣を顔色を変える。


「魔力レベルは上々、やはりそのオリジナル魔法は厄介わね」

「魔剣水式、水面水飛沫!」


無数の刃がミュウラ様を襲う。

刃が揺らいでるせいでそれを捉えるのは非常に困難だ。


「レベル魔法、ウォーターブレイクトレント」


だがさらに強力な魔法によって水の刃ごと飲み込まれてしまった。

水の魔法を極めたミュウラ様に対して水の剣はあまりにも不利。

お姉さまはそれを分かっているのにどうして‥‥‥


「性質を変えなくてもよいの?今のままだと状況は不利になる一方だけど」

「‥‥‥」

「お姉さま、どうしましょう」

「ナズミ、合図を出したら氷の魔法を放って」

「え?氷の魔法ですか?」


たしかに水に対して氷は適切だとは思いますが、どうしていきなりそんな事を。


「いいから、周りを凍らせる広範囲の物をよろしく」

「はい!」


今はただお姉さまを信じるだけ。

私は一歩下がって魔法を放つ構えをする。


「何をしようとしているのかは知りませんが、あなた達が勝てる可能性はないのですから!」

「魔剣水式、雨枝垂れ!」


お姉さまが剣を振りぬくとそこから無数の水がはじき出される。

それは小さな剣に変化し、ミュウラ様の元へと一斉に飛んで行く。


「数を増やしたところで小さければ先程よりも簡単に取り込めますよ!デッドスワール!」


巨大な渦巻きが無情にもすべての剣を飲み込んでいく。

やはり、小さくなっては簡単に飲み込まれてしまいます。


「今よ!」

「っは、はい!アイスドーム!」


私は渦巻きを凍らせるために広範囲の魔法を放つ。

だけど、やっぱりミュウラ様の魔法が強すぎて一瞬しか凍らせられない。


「十分よナズミ」


そう言うお姉さまは何故か剣を振りぬく構えをしていた。

何であんな位置から、もしかして直前を刃を伸ばすつもり。

それでもミュウラ様の魔法陣展開の速さなら容易に防がれてしまいます。


「何をしようとしているのか知らないけど隙だらけよ」


ミュウラ様がお姉さまに向かって魔法陣を展開した時、お姉さまは呟いた。


「魔剣水式、貫流水刃!」


お姉さまが剣を振りぬいた瞬間、先程凍らせた水が巨大な刃となりお姉さまの剣と連動するかのようにミュウラ様の懐へと振りぬかれる。


「っ!?」


流石のミュウラ様も予想出来ていなかったのか、無防備な体に重い一撃が入りそのまま吹き飛ばされる。


「ごほっ何なの今の攻撃は」

「簡単な事よ。私の魔力が込められた水があなたの水には行ったことでその水を私が操ったの」

「それでも私の方が魔力量は上のはずだけど」

「一度凍らされることによって魔力の供給が途絶えた。私は元からあの水を利用するつもりだったから、わざと取り込ませたの」

「なるほど、死角からの一撃。小賢しい真似を」


すごい、あのミュウラ様の一撃を入れる何て。

やっぱりお姉さまは本当にすごい。


「剣のやり方はこの一週間で学んだ。私の剣は形を成さない、だけど想いは成していく。それが今の形になってるの。この剣はあなたを殺す、粛清の剣よ」

「そんな物が私に通じると思っているの?」

「通じているじゃない。どんな気分?自分の得意な魔法で一撃を喰らうのわ。自分が最強だと勘違いしている様ね」

「何?」


ミュウラ様の顔から笑みが消えて眉間にしわをよせる。

感じる、ミュウラ様が怒っているのを。


「お前の力もその姿も全て借りもの、お前自身の強さは何一つ関係がない。他人の物をさも自分の物かの様に自慢しているだけの恥かしい人。お前は誰だ、その質問の答えは一つしかない。何者でもない、それが今のあなた」

「お喋りが好きなようね。昔は無口な子だと思っていたけど」

「ミュウラ様の前ではよく話していた。どうやらその記憶も無くなったようね、偽物」


今度はミュウラ様の額に青筋が浮かび上がる。

お姉さまーわざわざ怒らせるようなことを言わないでください。


「もう勝った気でいるの?王の力はまだほんの少ししか見せていないのだけど」

「それですべてが分かるほど、あなたの器が小さいと言う事よ」

「もう、許さない」


ぼそりとそんな事を呟いた瞬間、ミュウラ様は明らかな殺意をこちらに向ける。


「まだ見せていなかったでしょう、私のオリジナル魔法を」

「さっさと出せばいいでしょ。それにそれはお前のではなくミュウラ様の物だ」

「私はミュウラだ。だからこの力も私の物なのよ!!」


その瞬間、地面に見た事のない魔法陣が出現する。

あれはオリジナル魔法!


水王(ウォーターキング)領域(フィールド)!」

「行くわよ、ナズミ」

「はいお姉さま!!」



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