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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第四章 地獄の一週間
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その十四 旅立ちの準備

「カルシナシティ?何だそれ」

「そこの説明をする前にまずはこれを見て」


するとミノルが紙を取り出した。

それは知らない半獣がデカく写っており、下には数字が書かれていた。


「もしかしてこれ指名手配書か?」

「そう!今回はこれを狙うわよ」


これを狙うってもしかして指名手配犯を捕まえるのか。


「なるほど。でも大丈夫なんですか?これかなりの凶悪犯ですよ」


そう言ってリドルは指名手配書の下の数字を突いた。

そこには2億と書いてある辺りかなりの凶悪犯なのが見て分かる。


「大丈夫よ。それに半獣の方が作戦立てやすいのよ。モンスターだと弱点とか習性とか色々調べなきゃいけないからね」

「なるほどだから指名手配犯なのか」


俺達が話し合ってる時に後ろでデビがご飯をバクバク食っている。

相変わらずの食欲だな。


「そこまでは分かったけど、それでそのカルシナシティとは何の関係があるんだよ」

「その前に次はこれを見て」


すると次は写真や文字が書かれた紙を机においた。

もしかしてこれ新聞か?


「これは……どれもこれも同じ人が記事に書かれてますね」

「ホントか?どれどれ……」


俺は5つある新聞の内の1つを取った。


「なんじゃ、なんじゃ?なにか面白い事でも書かれてるのか?」


手にフォークを持ち口に食べ物を入れたデビが俺の新聞を横から見てきた。


「お前耳元でクチャクチャ音を立てるな。うるさい。ていうかお前はご飯でも食べてろよ」

「何じゃ!その言い方は!もう知らんぞ!」


怒声を言い放ちながら元の席に戻っていった。

あいつ何しに来たんだ。


「まあいいや。えっと……貴族泣かせのドリーまたもや出没……ってこれこの指名手配犯の事件か?」

「そうよ。これを見る限り奴らは金品財宝を狙って貴族の屋敷や店などに侵入して盗みを働くみたいよ」


なるほど日本で言う泥棒みたいな奴らか。


「そしてさっきの話に戻るけどカルシナシティはカジノとして有名な街よ。そして最近あるカジノ店にとても豪華な景品が出たの」


景品?

ていうかこの世界にもカジノがあるのか。


「それ僕も見ましたよ。たしかブルームーンと言う宝石ですよね。宝石というのは見たことも無いので気になっていたんですがもしかして……」


ていうかこの世界に宝石とか金とかあるんだな。


「そう、今度盗みに来るのはこのカジノ店ということよ!」


そう言って自信満々に言い放った。


「それは分かったけど、そもそも俺たちで捕まえられるのか」

「捕まえられるから言ってるんじゃない」


何でそんなに自信満々なんだよ。

まあ捕まえられる作戦があるのなら別にいいんだけど。


「それでその作戦はどんなのだ?」

「それは目的地についてから話すわ。これ以上時間を無駄に出来ないし」


そう言ってペンと白い紙を取り出した。

するとミノルは紙に文字を書き始めた。


「2人には関係ないけど私とかつは時間がないわ。今日は日曜、期限は月曜から始まるからおよそ1週間。カルシナシティに着くまでに1日かかるから、着いた時には残り6日ね」


言葉で説明しながら紙に書いていく。


「移動手段は何だ?あの例の扉で行けないのか?」

「あの扉はクエストを申請しないと使えないのよ。指名手配書はノーカウントね。それに魔法のテレポートは1度その場所に行ったことがなきゃ使えないの」

「そうか使えないのか」


扉で行くんだったら時間なんか気にしなくていいと思ったんだけどな。


「移動手段はコウバよ」

「コウバ?何だそれ?」

「な!?コウバを使うのか!?」



するとさっきまで食べるのに夢中だったデビが急にこっちに反応して来た。


「なんだお前、コウバ知ってんのか」

「知ってるも何もあんな気色悪い乗り物、妾は絶対無理じゃぞ!」


切羽詰まった顔で言ってくる。

そんなに嫌なのか。


「私もあの乗り物は苦手だけどそれ以外だとかなり時間が掛かるのよ。しょうがないわ」

「そんな、妾は絶対無理!なあ何とかならないのか」

「大丈夫ですよ。デビさん、慣れますから」


そう言って満面の笑みでデビを説得する。


「何じゃお主。何でそんなに嬉しそうなのじゃ。ちょっと気持ち悪いぞ」

「そうですか?普通ですよ」


デビがここまで否定するなんてそんなにやばい乗り物なのか。

何か少し気になるがそれしかないのなら仕方ないのだろう。


「諦めろデビ。これも運命だ」

「うう〜……それじゃあ耳栓をして空を眺めれば気が休まるかもしれんな」


すると諦めたように深いため息をつく。

そんなに嫌なのかよ。


「それじゃあ乗り物はコウバで決まりね。ていうかもうチケット買っちゃったから今更変えられないけどね」


そう言って4枚のチケットを取り出しみんなに見せる。


「それじゃあ、今日は終わり。明日に備えて各自寝ること。明日は朝1番のに乗るから5時にココ集合ね。じゃあ解散!」

「じゃあまた明日な〜」

「それでは」

「皆じゃあね。かつ遅刻しないでよ」

「分かってるよ。じゃあな」


その声と共に皆一斉に帰ってしまった。


「それじゃあ俺も帰るか」


明日からは俺が生きるか死ぬかの1週間になるな。


「はあ……地獄の1週間の始まりだな」



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