表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
618/827

その三十 素敵なびっくり箱

俺達はその後クリシナにいつもの修行場へと連れて行ってもらった。

修行をする為のストレッチをしている時にガルアが口を開く。


「案外あの三人相性いいかもな」

「え?誰のことを言ってるんだよ」

「決まってるだろ。怪盗ハイ&ローとサラだよ」


ああ、あいつらの事か。

相性がいいねえ、あんまりそうは見えなかったけどはたから見るとそんな感じなのだろうか。


「特にはハイ&ローは俺の城に入った実績があるだろう。王の城に入るには容易じゃない。それを達成しているという事は実力は申し分ないだろう。何しろ、かつが推薦する奴らだ。信頼に値するだろ」

「いやあ、ただそう言った事に長け奴をあいつ等しか知らなかっただけだよ。まあ、何回か手伝ってもらってるし実力は確かに高いのかな」


というかガルアの城に潜入したのって俺も含めて何人かいたような気がするけど。

そこはあえて触れないでおこうか。


「今かつ、結構侵入されているって思ったか」

「えーっとそんな事ないぞ」


めちゃくちゃバレた。


「そんな事よりも何でサラたちと相性いいかもなって思ったんだよ」

「サラは昔はある盗賊団を束ねてたんだよ。盗むことに関しては二人ともつながりがあるってわけだ。それにサラは面倒見がいい。あいつらは色々と手を焼くと思うがサラなら上手く対応できると思ってな」

「なるほどなあ。ていうかサラが面倒見が良いってよく分かったな」

「ガイの様子を見てればよく分かる。あんな暴れん坊、通常なら押さえておくのがやっとだろう」


確かに最強になる為に片っ端からモンスターとか半獣に喧嘩売りそうだな。

二人のやり取りを見て見るとサラは面倒見が良い方なのかもしれない。


「まっとにかく城の事に関しては心配いらないってことだ。俺達は自分たちの事に集中しようぜ」


すると話がちょうど終わった時、遅れてブライドがやって来る。


「やあやあ待たせたな。それじゃあ早速始めて行くか」


ガルアの言う通り今はハイ&ローたちの心配をしている場合ではないな。

今の俺はまだブライドに一撃も与えられていないんだから。


「「よろしくお願いします!!」」



—————————————————

ある三人の男女は茂みの奥からある建物を見ていた。


「こちら牛乳神、ターゲットを発見。どうぞ」

「こちら無重力少女、了解した引き続き捜索に当たれ。どうぞ」

「無重力少女、了解。無口男子、そっちの状況はどう?」

「えっと、これって何なの?」


右隣に居るコードネーム無口男子ことガビッちは困惑した表情を浮かべる。


「どうしたのガビッち、無線から話しかけないと駄目でしょ」

「え?いやだってこれ、糸電話でしょ」


ガビッちは糸電話を手にしながら納得いっていない様子を見せる。

何でだろうか、何もまちがってはいないと思うけど。

もしかしてガビッちは糸電話の使い方を知らないのかもしれない。

うん、きっとそうだ、だったら教えてあげないと。


「ガビッち!」

「な、なに。急に大声出さないでよ」

「糸電話はね、こうやって口に付けて喋って使うんだよ。ほら、私の真似して。さんはい!」


糸電話の手解きをしてあげようとしたけど、ガビッちは未だに困惑した表情を浮かべる。


「いや、別に糸電話の使い方は知ってるんだよ。だけどどうしてわざわざ糸電話で話さなくちゃいけないの。近くに居るのにさ」

「ががががーん!そんな風に言われるとは思っても見なかったよ。こういう状況だからこそ使うんでしょ。ここでやらなきゃいつやるの、無口男子!」

「その呼び方やめて。後耳元で叫ばないで」


何て言う事だ、ガビッちは全然分かってないよ。

こうなったら糸電話で会話することの重要性をみっちり二時間は説明するしかないかもね。

そう意を決した時、横に居たペプッちが肩を叩いて来る。


「メイ、そろそろ潜入しないとこいつもずっと持っておくのも危険だしさ」


ぺプッちの視線の先には牛乳を染みこませたロープで拘束されている男が二人。

確か名前は……


「ザックリンとニョッポだっけ?」

「ザックとニュートだ!!」

「わあ、元気いっぱいだね。あれだけお仕置き牛乳を喰らってまだそんなに元気なんだ」

「くっお前らは絶対に許さないっす。絶対に殺してやる」

「もしかして追い牛乳した方が良いかなあ」


私は懐から二本の牛乳瓶を取り出す。

元々染み込ませてはあるがさらに牛乳を染みこませて臭いを倍増させるのもいいかもしれない。


「メイ、これ以上はやらなくていいよ。ていうかこいつらもう用済みでしょ」

「確かに、だってあそこにミノッちが閉じ込められてるんだもんね」


再び目の前の建物へと視線を向ける。

かつっちと別れた後この二人を懲らしめてミノッちの居場所を特性牛乳フルコースで白状させて二日が経っている。

もう抵抗する気力もなく嘘の情報を言った感じはないけどそれでもやっぱリドッちをいじめた奴らだし、簡単には信用できないよね。


「くそ、油断なんてしなければお前等なんてすぐにでもうぐっ!?」

「ほらほら、これ以上は牛乳を飲むためだけに口を開きなさい。私はまだ許してないんだからね。リドッちにあんな悲しい思いをさせて、本当に許せないよ」

「うぐっ!?うぐぐぐ!」

「メイ、これ以上やると彼の死因が牛乳の溺死になるよ」

「牛乳の溺死!?それは駄目だよ、牛乳で死ぬのは牛乳の神様に失礼だからね」


すぐに牛乳瓶を離してあげると口の中に含まれていた牛乳が一斉に吐き出される。


「ごほっげほげほ、くそが……」

「とにかくあそこにミノッちがいることは確かなんだよね。そうだよね!」

「そ、そうっす」

「それじゃあどうするの?もしかして潜入はしないよね、あんな恐ろしい場所にまさかすぐに行くわけないよね」

「もちろん、待つ必要なんてない!すぐにレッツゴー!したいところだけど、リドッちが自分の力で助け出したい感じもあったし、すぐに行くわけには行かないかあ」


するとガビッちが安心したように胸をなでおろす。

やっぱりガビッちもリドッちの事を考えて今行かないことに安心してるのかな。

ガビッちは優しいなあ。


「へっどうせお前らはすぐに殺される。カノエ様がお前らを見逃すわけがない」

「俺達が帰ってこないことに気付いてすぐに探しに来るっしょ」

「そうなんだ、じゃあすぐに置いて行かないとね」

「ちょちょ!置いて行くのか!?この縄解いてから行けよ!」

「そんなのやらないに決まってんだろ。こ、殺すって言われてるやつの縄を解く馬鹿はいない」

「でもこれじゃあ牛乳が飲めないっす」

「それは大変だ!すぐに解いてあげないと、あだっ!」


ぺプッちの手刀が頭に直撃する。

痛みで思わず頭を抑えるとペプッちが呆れたような目でこちらを見て来る。


「簡単に騙されるな。メイは純粋な所がたまにキズね」

「いやあ、それほどでもー」

「褒めてないよ」

「そ、それよりもこれからどうするんだ」

「うーん、そうだねえ。目的地は見つかったし、すぐにでも行っちゃいたいけど——————」

「メイ!危ない!!」


その瞬間、突如ペプッちの腕が私の体を引っ張った。

急なことで首を絞めつけられる感覚に陥ると捕まえた二人の足元に魔法陣が展開されている。


「な、何だあれ!?」

「まさか、カノエ様!そんな俺達を殺すつもりですか!」

「頑張るっす!期待に応えるっすから助けて欲しいっす!」


だが二人の言葉とは対照的に魔法陣はさらなる輝きを見せる。

このままじゃ二人がやられちゃう!


びっくり箱(マジックボックス)!」


私はすぐにオリジナル魔法を発動させる。

今回の中身は何じゃろな!


「二人を助けられる物だして!」


その言葉に応えるように展開したオリジナル魔法は爆発した。

それにより捕まえてた二人が吹き飛ばされると突如現れた魔法陣から灼熱の炎が出て来る。


「あっつ!」

「ガビッち大丈夫!」

「大丈夫じゃないよ!何で僕だけ残したのさ!」

「だってカビットは逃げ足だけは速いから、大丈夫でしょ」

「くっ否定できない……」

「ていうか、それどころじゃないみたい」


ぺプッちは奥から現れた人影を凝視する。

何かすごい怒ってる人だ。

だって目がすごい鋭いもん。


「何で邪魔をした?」


邪魔って何の事だろう。

もしかしてあの人はここに先に来てたのかな。

だとしたら譲ってあげなくちゃ駄目かな。


「そいつらの処刑をなぜ邪魔をしたのか聞いてるんだよ」

「あっそっちか。だってあの人達は牛乳を島中に広める為に必要な人たちだもん。殺すなんて駄目だよ」

「あいつらは俺の駒だ。任務を託したはずだがことごとく失敗していてな。寛大な俺もそろそろ堪忍袋の緒が切れたってことだ」

「まさかあなたカノエ?」

「え!?う、うそ、何でこんなタイミングでそんなやばい奴が来るんだよ」


どうやらガビッちはあんまり会いたくない人みたい。

でも私もその名前聞いた事があるような気がする。

そう言えばあの2人の関係者みたいな言い方してたようなあ。


「そうだ、もしかしてあの二人を助けに来たの!そう言う事なら返してあげるよ。もう居場所も教えてもらったしね」

「助けに来ただと?」


あれ、何だか空気がすっごく悪くなったような。

ていうかガビッちがさらに怯えてる気がする。

もしかして親戚の怖いおじちゃんとかかな。


「ガハハハ!お前の耳は飾りみたいだな。いつ俺が助けると言った、処刑をするって言ったんだよ!」


すると気絶している二人の足元に魔法陣が展開される。


びっくり箱(マジックボックス)!助けて牛乳神様!」


それよりも早くオリジナル魔法を発動させると二人の体が風で吹き飛ばされる。

それにより灼熱の業火に焼かれることは済んだ。

でも今のは明らかに二人を焼肉にしようとしてたよね。


「もしかしておじさん悪い人なの?」

「お前も俺の邪魔をする悪い子だな。先に死にたいのか?」

「ちょっとメイ、喧嘩売っちゃ駄目。相手は王様だよ、しかもリドルさんを傷つけた当事者」

「え?もしかしてあの人がリドッちをあんな目にしたの」

「あっやば。余計なこと言ったかも」


なるほどね、リドッちはこの人にやられたんだ。


「ぺプッち先にリドッちにここのこと教えてあげて」

「え?まさかここに残るの!?」

「ちょっと待って!僕は残ると言ってないよ!」

「大丈夫ガビッちと一緒にあいつを倒すからさ」

「だから言ってないって!」

「メイ……分かったよ。絶対に死んじゃ駄目だからね」

「大丈夫!ガビッちろメイのコンビは最強なのだ!」

「だから居るって言ってないって!!」

「話は済んだか?」


やる気満々って感じ、正直勝てるかどうか微妙だなあ。

でも大丈夫だよね、ガビッチとなら。


「それじゃあ行くよ、ガビッチ!」

「もう、どうにでもなれ!」

「こっちも決戦が迫ってんだよ。来るなら手加減しないぞ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ