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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その二十八 メンバーの増強

ガイスの城

ミレイはガイスの王の間の扉の前に立つと数回扉を叩く。


「入れ」


その言葉を聞こえた為ミレイは扉を開けて中へと入る。

広い室内の中には王の為に遜色された椅子にガイスがふんぞり返っていた。

それ以外何もない殺風景な場所だった。


「報告に来ました。先日手紙を渡すことに成功、今頃は仲間内で作戦を立てている頃でしょう」

「そうか、ご苦労だった。奴らは必ずこの罠にかかるだろう。何せ、待ち構える敵はかつての恩人なのだからな」

「ですが、どうして一週間ほどの猶予を与えたのですか?期日を直ぐにすればボロボロの状態の彼らを一網打尽に出来たというのに」


ミレイの問いにガイスは椅子から立ち上がり答えた。


「確かにな。だが期日がすぐだとあいつが止める可能性がある。あの男は用心深い、使える駒は無駄にはしないだろう。俺と同じようにな。そして俺の可愛い駒共がすぐではなく万全な状態になる期間まで伸ばしてくれと打診してきた」

「カノエ様たちがですか?」

「ああ、自らの意思をこちらに示してきた。ここまでよくやったからな、たまには奴らの言う事も聞いても良いと思ってな。俺はよき王だとは思わないか?」

「はい、ガイス様は素晴らしい王です」


ミレイはそう言うと頭を下げる。

その言葉にガイスは口元を歪める。


「奴らは本気で勝ちに来るだろう。だが勝てない、勝てるはずがない。何故なら俺の魔力を受けているからな。今の俺は最盛期の体へと戻った。もう誰にも負けることはない、奴らは全員死にそしてこんな狭苦しい島を脱出し、いずれは世界の王となる!邪魔な奴らは残さず消し去る!そうだろう、ミレイ」

「はい、全てはガイス様の仰せのままに」


するとガイスはゆっくりとミレイの元に歩み寄る。


「お前はとても優秀だ。他の奴らとは違い従順で優秀だ。今後も俺の傍らでサポートをしてもらいたい。いいな?」

「はい、もちろんでございます」

「いいだろう。下がっていいぞ」

「分かりました」


ミレイはそう言って頭を下げるとミレイはその部屋を出て行った。


「……っ」


ミレイは唇を噛みしめて目元を拭う。

そして決意を固めてある場所へと歩みを進める。

そこはミレイ専用の部屋だった。

城の中で唯一ミレイは部屋を与えられていた。

その部屋の中に入るとミレイは窓際に置いてある紙を見つける。

周りに気付かれない様にその紙を窓から手に取ると、早速確認をする。


「分かりました……仰せのままに」


そしてミレイは新しい紙にある事を書き始める。

書き終えるとミレイは魔力を込めた。


「君とあなたの距離」


そう呟くと手元にあった紙がいつの間にか木の板に代わっていた。

そこにはある文字が書かれていた。


ありがとうと


次の日、昼頃にブライドの呼び出しでいつもの広間に皆が集合する。

そして遅れてブライドが広間へとやって来る。

皆の視線はブライドへと集中する。


「それで話って何?わざわざ鍛錬を中止してくる程の物なのよね」


ミズトが不満そうに言う。

確かに皆各々の鍛錬の為に時間を使っていたのだろう。

皆の体が所々ボロボロになっている。

リドルから聞いたがどうやらオリジナル魔法の強化にブライドの仲間であるデュラが一役買ったようだ。

正直オリジナル魔法の強化なんて考えもしなかったが、短時間で強くなれると言うのなら使わない手はないだろう。

まあ、その為には魔力レベル十三も必要みたいだけど。


「単刀直入に言うぞ。メンバーの変更を余儀なくされた」

「はあ!?ちょっと、どういう事。まさか戦えないって言うんじゃないでしょうね。私は意地でも戦いに行くわよ」

「それに関しては問題ない。むしろ奴らを倒してもらわないと俺が困る。昨日かつ達と話し合いをした結果、ガイスの城に潜入するメンバーを増強する事になった」

「ガイスの城のメンバーを増やす?もしかしてそれってデビを城のメンバーに入れるってことかな?」


マイトに呼ばれたことでデビは不思議そうに頭をかしげる。


「何じゃ、妾は何もしなくていいのか?」

「デビは引き続きガイスの足止めを頼む。じゃないと邪魔される可能性があるからな。潜入するタイミングはガイスが居なくなった後だ」

「ちょっと待て。そんなこと分かるわけがないだろう。デビの合図を待つのか」


サザミの言う通りだ。

現時点でガイスの様子を観察するすべを持っていない。

だが昨日の話でガルアからある事実を告げられた。


「それはガルアから話を聞こうか」


ブライドに呼ばれたことでガルアは一歩前に出る。


「何かあるといけないから必要な時が出て来るまで黙っていたんだが、実はガイスの城の中には俺の仲間が潜入している」

「っ!?」


その言葉に皆が驚いた表情をする。

当たり前だ、あのガイスの近くに潜入し続けるなど普通に考えて不可能だろうからな。


「それは俺の側近のミレイだ。今はガイスの側近をしているだろうけどな」

「へえ、それは驚いたな。その人から色々と情報を得られるってことか」

「がっはっは!それならガイスが居ない時を知るのも簡単だな!」

「ちょっと待て、いくらガイスの側近だろうとそう簡単に情報を与えるのか。奴は誰も信じない、そうだろブライド」

「サザミの言う通りだ。あいつは自分主義だからな、他人に作戦を簡単に教えるとは思えないが、だがここ最近内通者経由でガルアに教えてもらった情報は全て合っている。まあ、わざと流している可能性もあるけどな」

「あいつは命がけで情報を手に入れているそれを無駄にはしたくねえ」

「ちょっと待ってください」


そう言ってリドルが手を上げる。


「内通者の協力でガイスの動向と作戦を知る事は知りましたが、なぜメンバーを補充する必要があるのか分かりません」

「ああ、そう言えば言ってなかったな。ガイスを殺す計画として島中の魔力を集める作戦が合ったが、今の状況じゃそれが難しくなった」

「でもそれって本命じゃなかったんじゃないのかい?出来ないのなら別の作戦に切り替えた方が良いと思うけど」

「そう言う意見もあるが、今一つでも多く作戦が必要なんだよ。とにかくその島中を集める為の機械があのガイスの城にあるらしい」

「それはあたいらじゃ駄目なのかい?」


そう言ってサラはマイトを指差す。

確かに二人でも十分な戦力となるだろう。

だが問題はそこではなくなってしまった。


「本来は城に潜入する目的はある物の回収といったな。それは源魔石の回収だ。一欠片を城の中に隠しているようだ。それぐらいなら簡単に終わると思ったが、メインの機械があるとするのなら二つを盗むことを前提とした場合実力不足は否めない」

「なら誰をメンバーに追加するんだい?正直今余っているメンバーはいないと思うけど」

「ああ、だからメンバーを追加する事になった」


その言葉を聞いて皆がざわめき始める。

するとブライドがこちらに視線を向けて来る。

どうやら俺の出番のようだ。


「実は俺の知り合いにそう言った事が得意な奴が居るんだ。今日はそいつを連れてきた」


そう告げると俺は扉の方に視線を向ける。

それにつられる様にして皆も扉へと視線を向けた。

そして扉が開かれた時に2人のシルエットが現れた。

それは今まで何度も協力関係を結んできた奴ら、そしておかしな2人組だ。

その二人組を見つけたのは今日の朝に遡る。



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