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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その二十七 リドルとハイトの魔法強化週間その二

「それでは次は僕の番ですね」


リドルはそう言うと事前に書いておいた自身のオリジナル魔法陣が書かれた紙をデュラに渡す。


「これが僕の魔法陣です。魔法無効というオリジナル魔法で僕が視認した魔法を一時的に無効にすることが出来ます。相手が僕のオリジナル魔法を知らなければ相手は油断し強力なオリジナル魔法を封じ込めることが出来ます。ですがこれは僕にしか反映されず、大勢を相手にする場合は効果を発揮されない事です」


デュラはリドルからオリジナル魔法を受け取るとそれをじっと見る。

すると紙から視線を外してリドルの方を見る。


「よくできたオリジナル魔法だ。ほとんど無駄のない魔法陣だな」

「ありがとうございます。カノエ様から色々と教わって作ったので」

「そうか。今言った要点を変えればいいんだな。まかせろ」


そう言うとデュラはすぐに席に付いて作業に取り掛かった。

その様子をリドルはじっと見つめていた。


「無駄のない出際ですね。ハイトさんのオリジナル魔法もそうでしたが、やはりブライドさんの仲間は凄いですね」


そう言ってリドルはハイトのオリジナル魔法が書かれた紙を見る。


「ああ、これほどのオリジナル魔法を作るなら数年は必要だろうな。それを数分で完成させるなんて、普通じゃねえよ」

「普通じゃないからこそ、ガイスとも戦おうとしているんでしょうね。ですがその前にやらなければいけないことがあります」

「ああ、決戦前の前哨戦だな。さっさとお前の仲間を救い出して、この島を守ろうぜ」

「はい、分かってます」

「出来たぞ」


デュラはそう言うと席から立ち上がり一枚の紙をリドルに渡す。

それを見たリドルは思わず息をのむ。


「やはり、これほどの複雑なオリジナル魔法をこんな短時間では作れませんよ」

「要望は叶えた。そのオリジナル魔法では自分以外の者には無効の効果が付与される。だが距離は決められている。リドルから半径五メートル以内だ。その範囲内なら仲間たちも効くことはない」

「全体的な向こうが出来るだけでも十分ですよ」

「さらに無効化出来る魔法を最大三つに設定できる。三つ以上無効化する場合は古い物から解除されていく」

「僕のやりたかった事がこうも簡単に出来るようになるとは思いませんでした」

「だがあくまでそれはサポートを目的としたオリジナル魔法だ。依然と居てバレた場合のデメリットは残ったままだ。攻撃にする物も入れようと考えたがそれでは趣旨が異なると思ってな。もちろんそれも十三を前提としている」

「はい、分かっています。これだけの強化が出来たらやれることは多くなりそうです。本当にありがとうございました」


そう言ってリドルは深く頭を下げる。

そのリドルにデュラは言葉を投げかける。


「お前らはなぜそこまでして戦う」

「え?」

「ここに来るものは皆、胸に熱い物を秘めていた。特別な力を求めていたのはそのためだろう。それは一体何なんだ。島を救いたいという想いか?」

「違いますよ。確かに島を救いたいと言うのもあるかもしれません。ですが一番は奪われた物を取り戻す為に強くなる、それが僕達を突き動かす原動力になっていると思います」

「取り戻すか……なるほどな」


デュラはそう言うと小さく笑った。


「デュラさんは今回の戦いに参加しないのですか?デュラさんほどの戦力ならこちらとしてもありがたいのですが」

「いや、俺はサポート専門だ。それにここを守らなければならないからな」

「そうか、それなら仕方ないな。それじゃあ俺達はもうここを出るよ。邪魔するのも悪いからな」

「また何かあればいつでも来ると言い。俺達はいつでもお前たちの味方だ」

「それは心強いですね。それでは失礼します」


そう言ってリドルとハイトはその場を離れた。

そして誰も居なくなった所でデュラは棚の奥からある写真を撮り出す。

それは弟子の時代に共に取った四人と師匠の写真だ。


「ブライド、お前もあいつらと同じように取り戻そうとしているのか」


すべての人のオリジナル魔法を強化する頃には夜となっていた。

————————————————————

「あー疲れたー!」


俺はブライドとの修行を終えてその場で横たわっていた。

ブライドとの修行は相変わらずブライドを倒すことを目的としている。

だが今の所その兆候は全く見えない。

オリジナル魔法には段々慣れてきたが当たる気配が一向に見えないな。


「もうこんな時間か。それじゃあ今日の修行はここまでだな。どうだ、何か変わったことはあるか?」

「そんなのないよ。正直ブライドが強すぎて強くなっているのかも分からない」


俺とガルアは疲弊で体一つ動かせないと言うのにブライドは涼しい顔をしている。

この時点で実力の差は明白だな。


「俺に魔法を当てられない様ならコアに魔法を当てるなんて夢のまた夢だぞ。それにかつ、だいぶオリジナル魔法を撃つ動作に慣れてきたようだが、瞬間的な魔力の集中はすぐに分かるぞ。そんなんじゃ警戒されてこんな風に避けられるのがオチだ」

「そんなこと言ったって、あれほど強い魔力を使うんだからそうなっちゃうのは仕方ないだろ」

「仕方ないで死ぬ可能性があるんだぞ。そんな気持ちならコアに勝つのは夢のまた夢だな」

「くっ!」


確かにブライドの言う通りコアに勝つためにこのインパクトを当てなきゃいけない。

瞬間的に魔力を集める魔法だからこそ上手くタイミングを見つけなければ、簡単に見破られるのか。

でもどうやってバレずに撃てるんだよ。

そんな事を考えていると、ガルアがゆっくりと立ち上がる。


「もう一度勝負がしたい。最後に一回だけで言い」

「うそ、ガルアまだやるつもりなのかよ。もうボロボロだし、ほとんど魔力が残ってないだろ」

「ブライドに言われた王の領域の回避方法の対策を思いついた。頼む、やらせてくれ」

「駄目だ。俺だって暇じゃないんだ。夜はやる事がある、修行はいつもの時間から開始だ」

「やる事って一体何をやるんだ?」

「研究所の探索とガイスを殺す作戦を進めなきゃいけないんだよ」


ガイスを殺す作戦って確か島中の魔力を集めてそれをぶつけるって奴だよな。

その為の機械もキンメキラタウンで回収してたし。


「何か問題でも起きたのか?」

「まあちょっとな。あの機械だと島中の魔力を集めることは出来ないみたいだ。だから研究所の部品を使って改造をしてるんだが、それじゃあどうにも間に合わないみたいでな」

「そっかあーまあ島中の魔力を集めるって言うのは数ある作戦のうちの一つなんだろ?元々現実的な話じゃないんだし、別の作戦に切り替えたらどうなんだ?」


そう、ブライドがそう言っていたはずだ。

これはもしもの時の為の作戦だと。

源魔石ならそれが可能だと言うが、そう言う機械が存在しているとは思えない。


「そうだな……まっこっちの事は俺達に任せておけ。お前らは目の前の敵に集中しろ。自分の課題すら出来てないんだからよ」

「……部品じゃもう間に合わないんだよな」


ガルアがそんな事を呟く。

それに反応するようにブライドが頷いた。


「ああ、メイが言うにはもう一つ同じ機械があれば行けるとは言っていたがな」

「機械ならある。おそらく前に発見した物よりも容量があると思う」

「何!?それは何処だ!」


するとブライドはいつになく真剣な表情でガルアに詰め寄る。

するとガルアはおずおずと口を開いた。


「教えることは構わないが、正直今行くのはおすすめしない。場所は最悪な場所だからな。その場所は俺の城にある。今はガイスの城になってるけどな」



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