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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その二十五 ピンカとマイトとツキノの魔法強化週間その二

「私が行くわ!!」


ピンカはすぐに手を上げると前のめりに意欲を示す。

それを見たデュラがもう一方の半獣、マイトを見る。

その視線に気付いたマイトが笑みを見せる。


「先にどうぞ。俺は後でいいよ」

「そうか、それじゃあ次はピンカにしようか」


そう言うとデュラは早速紙を取り出して話を聞く体勢になる。


「耳の穴かっぽじってよく聞きなさい。私のオリジナル魔法は巨兵の楽園よ。地面に巨大な魔法陣を展開させてそこに大量のミニゴーレムを出現させるの。普通のゴーレムよりも機動力がある代わりに耐久性があまり高くないし、魔法陣が破壊されたり私の魔力が無くなれば生成はされない。改善したい所はより固く大量のゴーレムを作れるようにしたい」

「シンプルな強化だな。それ位なら自身の魔力を上げれば解決できる問題だが」

「分かってるわよ、そんな事。でも時間がないの、この短期間で強くするのには努力じゃ間に合わないのよ」


ピンカは悔しそうに唇を噛む。

するとデュラは持っていた紙とペンを置いてピンカの頭に手を置く。


「ちょっ!何すんのよ!」

「下を向くな。上を向いて戦え、気持ちが沈んでは勝てるものも勝てない」

「偉そうにちょっと強いからって上から目線はムカつくんですけど」

「俺が教えるオリジナル魔法は魔力レベル十三が最低条件だ。必ずそのレベルまでいってもらう、だからその要望はわざわざ魔法陣を弄ってまでするものじゃない」

「じゃあどうするのよ。私のは改造する必要はないって事?」

「俺に言い考えがある。中途半端な戦力よりもドデカイ一撃をぶつけられる魔法だ。そのオリジナル魔法の魔法陣を俺に見せてくれ」


ピンカはデュラからペンと紙を受け取ると渋々その魔法陣を書いて行く。

そして書き終えた魔法陣を見るとデュラは笑みを浮かべる。


「いい魔法陣だ。よく考えられている」

「そう言うの良いから、さっさとやりなさいよ」

「これならいい物が作れるだろう」


デュラはすぐに書かれた魔法陣を元に別の紙に魔法陣を書いて行く。

そしてそれが終わったのはわずか一分にも満たない早さだった。


「終わったぞ」

「はや!?ちょっとちゃんとやったんでしょうね、いい加減な仕事したら承知しな……なにこれ」


デュラが手にしていた魔法陣を受け取った直後、ピンカの表情が固まる。

それを見てツキノとマイトも興味深げにその魔法陣を覗き見る。


「どれどれ一体どんな……ほお」

「すごい……強力な……魔法……」

「それを使いこなせるのはピンカ自身だ。上手く使ってやってくれ」

「おかしいでしょこんなの。こんな魔法こんな短時間で作れるわけがない。あんた本当に何者なの?」


ピンカは純粋な疑問でその質問をぶつける。

デュラは一旦天井を見上げるとすました顔で再び顔をピンカ達に戻す。


「ただのゼットさんの弟子だよ。これくらいゼットさんとガイスはよく作っていた。戦争が起きなければ今頃……」

「とにかくこれはありがたく貰っておくわ。すぐに覚えられるようにしないと、私用事で来たから先に帰る!」


ピンカはデュラに作った魔法陣を握りしめてそのままアジトを後にした。


「あーあ、行っちゃった。まだ俺が終わってないって言うのに。でもまあ、思い詰めたまま行くよりはいいか」

「私……いる……」

「そうだね、ありがとうツキノ」

「お前はピンカの事を良く気にかけているようだな」

「そうだね。少しほっとけないっていうか、寂しがり屋な所があるから誰かが見ててあげないと駄目なんだよ。その役割はイナミのはずだったんだけどね」

「マイト……」

「ごめん、こんな話をすべきじゃなかったね。それじゃあオリジナル魔法の話をしおっか」


マイトはそう言うと笑みを見せる。

それを見たデュラがゆっくりと頷く。


「そうだな。それじゃあオリジナル魔法と改善したい部分を教えてくれ」

「俺のオリジナル魔法は完全魔法証明は自動的に相手の魔法を避けることが出来る。その間魔法を使う事も可能だけど、使用中のため魔力消費はかなり激しくなるね。そして一度に避けられる魔法の数は決まっていて、相手の威力が高すぎると反応が出来ない時もある」

「なるほど、避けることに特化したオリジナル魔法か。魔力が過剰にあるのならとても使いやすい魔法だな」

「ありがとう。それで改善したいところだけど魔力の消費を抑えられるようにして欲しい。それて避けられる範囲拡大と避けられる数の増加もお願いできるかな?」

「なるほど、すでに完成されてるが為の純粋な強化と持続力の要望か。分かった、要望通りの物を作ろう」


マイトはすでに魔法陣を書き終わっており、それをデュラに渡す。

デュラがそれを持って席に付いて作業をするまでにまたもや一分もかからなかった。


「これで出来た。魔法の組織を組み直すことで魔力消費を抑えることが出来た。避けられる数も同時に五つまで可能だ。さらに威力が高すぎる魔法に対しては三秒ほどインターバルを置くデメリットがあるが、避けられるようになった」

「ありがとう、見ただけでほれぼれするほどの魔法陣だね。さすがにこんな素晴らしい魔法陣を作るのは不可能だよ」

「あと、おまけをしておいた」

「おまけ?」

「絶対ダメだと思った時に強く魔力を込めろ。そうすれば発動するはずだ」

「ねえ、何から何まですまないね」

「気にするな、それが俺の仕事だ」

「そっか、それじゃあ俺達もそろそろ行こっか」


マイトは待っていたツキノに向かって言う。

そしてツキノは静かに頷いた。

マイトは帰ろうと歩き出した時思い出したように立ち止まる。


「あっそうだ。今度個人的に来てもいいかな?魔法陣について語り明かしたいんだ」

「ああ、いつでも来い」

「楽しみだなあ、それじゃあ」


そう言ってマイトとツキノはアジトを離れた。



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