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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その十八 足元にご注意

「えええええ!?そんな事で来たのかよ!何で教えてくれなかったんだよ!」


てっきり効果を発動する条件は統一なのかと思っていた。


「タイミングが無かっただけだ。もちろん、戦いが始まる前には伝えるつもりだった」

「なるほど、最強になる為のオリジナル魔法か。格下にはハンデを与えて、格上には容赦なく牙をむく。他を寄せ付けない王にふさわしいオリジナル魔法何じゃないか」

「皮肉はやめろ、ブライド。俺だってこれを使いたくはなかった。自分の力で上に行きたかった。だが、そうも言ってられる状況じゃねえんだよ。使えるもんは全部使う。悪いがこちとら止まるわけには行かないんだよ」

「ああ、時間は惜しいぞお前等。その魔法も当たらなければただの魔力の無駄使いだぞ」


確かにそうだ、強力なオリジナル魔法があろうとも当たらなければ意味がない。

俺のオリジナル魔法もさっきので当たらなかった。

もっと意表を突いた何かが必要だ。


「かつ、俺のオリジナル魔法はお前が受けたのと効果はほとんど同じだ。これの意味が分かるな」

「っああ、分かった」

「頼んだぞ」

「おう、任せろ!」


俺は先陣を切ってブライドの元に行く。


「後方からガルアが隙を突く作戦か?魔力レベルが低い奴が前に出ると、格好の餌食になるぞ!ライトニングブラスト!」


強力な光と共に爆発するような衝撃が俺を襲う。

だがその前に俺は魔法陣を展開していた。


「カウンタ―!」

「っ!」


流石のブライドも自身の魔法を喰らうのはやばいと思ったのか、自慢の脚力でその場から離れる。

だが俺は逃がすことなく、さらにブライドへと詰め寄る。

光の魔法が功を奏したのか、ブライドの視界は見えにくそうにしていた。

流石にブライド程の魔法使いのカウンターはかなりの魔力が削られた。

これ以上はカウンターは無理だろう。


「この一発にすべてを賭ける!」


俺は右手に魔力を込める。

ブライドは未だに足が空中に浮いている。

着地のタイミングでインパクトをぶつける。

ブライドの足が地面に触れるのと同時に俺は一気に間合いを詰めた。


「ブレイクインパクト!」


勢いよく右手を突き出す。


「中々、やるじゃないか」


その声が聞こえた時、ブライドの姿が消えた。

気付いた時には右に移動をしていた。

あの一瞬で移動したのか!?

どんな脚力をしてるんだよ。

だが、ブライドが着地をする場所に魔法陣が展開させる。


「オリジナル魔法か!」

「大人なしく受けてもらうぞ!」


無理矢理右に移動したんだ。

今度こそ足が付いても避けることは不可能だろう。

だけど油断は禁物だ、俺も今度こそオリジナル魔法をぶつける。

再びブライドの元に行こうとした時、魔法陣が展開された。


「残念だが、魔法を使えば避けられるぞ!」


その通りにブライドは風の魔法で着地地点の魔法陣を避けた。

そして体を浮かせたことで再び空中に飛ぶ。


「それを待ってたんだ」


その言葉が聞こえた瞬間、先程地面に展開されていた魔法陣から炎が噴き出す。


「なっ!?さっきのはオリジナル魔法じゃなかったのか!」

「避けることは分かってたからな。タイミングをずらさせてもらったよ」


その時、ブライドの真下に魔法陣が展開される。

それは正真正銘のオリジナル魔法だった。


「王の領域!」


未だに空中を飛んでいたブライドはすぐに魔法を放ち着地する前にそこから離れようとする。

だが、ブライドの周りに魔法陣が展開されることはなかった。


「そう言えば行ってなかったな。俺のオリジナル魔法は円の中に入ってればどれだけ魔法陣から離れようと有効だぞ」

「そうだったのかよ!それも知らなかったぞ!」

「しかも、それだけじゃないみたいだな」

「まだ何かあるのか」

「そう、格上相手に発動する力。俺とお前を対等にさせる能力。ブライド、お前の魔力抵抗は俺よりも下になる」

「それって魔力レベルが下がってるってことか!」

「なるほど、魔法も放てずに魔力抵抗まで下げられるとわ。これはちょっと油断しすぎたかな」


そのままブライドは勢い良く下に落ちて行く。

その真下にガルアは待ち構えていた、高密度な魔力を蓄えながら。


「俺たちの勝ちだ。雷撃!」

「中々やるじゃねえか」


その瞬間、空中で高密度な魔力がはじけ飛び雷が辺りに飛び散って行く。

魔力抵抗が下げられた状態であんな一撃を喰らえば、一溜りも無いだろ。


「どうなったんだ?」

「ブライドも高レベルの魔法使いだ。死にはしないだろうが、かなり本気で撃ったからな。重傷は免れないだろ」

「本当、殺す気で撃ったよね」

「「っ!!?」」


背後から声が聞こえて来てすぐに振り返った瞬間、腹に激痛が走る。

みぞおちに食い込んだ拳が激痛となり、体が宙に浮きそのまま地面を転がる。


「おえっ!があっああああ!」

「げほっ!がはっがはっ!な、何で無傷なんだよ」

「無傷じゃねえよ。多少は喰らったさ、ほらこことか焦げてるだろ?」


そう言ってボロボロになった右腕を見せて来る。

俺達は何とか痛みに耐えながらゆっくりと起き上がる。


「それじゃあ、全然効かなかったのか!?あんな凄い一撃を喰らったのに!」

「いーや、あの一撃をまともに浴びていたらさすがに俺もこんな風に笑ってられねえよ」

「それじゃあ、どうやって避けたんだ。まさか、オリジナル魔法?」


確かにこう言った不可思議な事が起きれば未知の力であるオリジナル魔法を疑うべきだ。

でも今回は状況が違う。


「ガルア、お前の領域の中に入った相手は魔法が使えないんじゃなかったのか?」

「ああ、本来なら魔法陣を展開できないはずだ。切り替えも不可能なはずだけど」


ガルアは目の前で起きた不可思議な現象に頭を抱えながら悩む。

確かにこの状況はオリジナル魔法でもなければありえないはずだ。


「答えを教えてやってもいいが。それだと修行にならないだろ。こう言った時こそ、すぐに切り替える奴が勝利できるんだよ。もし俺がコアだとしたら拳じゃなくて魔法をぶつけられてたぜ?」


ブライドの言う通り修行だからこそ、今は生きていられない。

これが実戦だとすれば、俺達はこの世には居ないだろう。


「まあ、そうだなヒントを与えるとすればやろうと思えば誰でも出来るだ」

「やろうと思えば誰でも出来る?」

「それって俺でも出来るのかよ?レベル差とか関係ないのか?」

「むしろかつこそやりやすいだろうね。そう言う感覚も掴んでるだろうし」

「は?どういう意味だよ」


突然の意味不明な言葉に俺はさらに疑問が浮かぶ。

俺の方がやりやすいとはどういう事だろうか。

脚力で空中を蹴って移動した?

いや、あの時のブライドは足をかなり酷使していた。

空中を移動するほどの力などなかっただろう。

だとしたらどうやって……

その時ガルアが俺の肩を叩く。


「この問題については戦いながら解決しよう。今は一分一秒が惜しい、修行が出来る時間はそっちに費やそう。もちろん思考を止めろとは言ってないぞ」

「分かってるよ。戦いの中で疑問が解消されるのならやってやるよ」

「どうやらまだまだやる気みたいだな。俺もまだ付き合ってやれるから、相手してやるよ。かかってきな」

「「行くぞ!ブライド!」」


こうして俺達はコアに勝つための特訓を続けた。

だが何度やってもブライドにオリジナル魔法を完璧に当てることは出来なかった。

それは魔力レベルや魔力量の差があまりにも大きすぎたのだ。



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