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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その十七 かつ&ガルアVSブライド

俺達は何とかクリシナを見つけるといつもの修行場に来ていた。


「期限は本当に一週間何だよな」

「そうだ、その時すべての戦いが始まる。その時期が一番戦いやすい時期だな。勝てるかどうかはお前らの努力次第だけどな」


そう言ってブライドは俺達を指差した。

一週間、それで大丈夫なのだろうか。

俺達が戦う相手でもあるコアという人がどれだけの強さを持っているのか、会った事がないから分からないがガイスに近い実力を持っているのが確かだろう。

聞かないわけには行かないよな。


「正直な意見を聞かせて欲しいんだどさ。俺達が一週間真面目にやって勝率ってのはどれくらいなんだ?」


あまりこういうのは聞かない方が良いと思うけど、事実を客観的に受け止めるのも必要なことだよな。

だがブライドは悩むことなく即答する。


「二割って所だな」

「に、二割!?嘘だろ」

「それが、ブライドが考える俺達とあの人の実力差って所か」

「ああ、経験の差や魔力レベルの差もそうだがあの人は強さに異常な執着を持っている」

「コアの事を知っているのか?」

「知っていると言われれば知らないと答えた方が良いだろうな。正直俺はあの当時を生きてきた人なら知っていることしか知らない。それで良いなら話そう」


敵の事を知るのも勝つためには必要なことだ。

俺とガルアはその言葉を受けて頷いた。


「あの人はゼット師匠とよくあっていた。その時に目にしたんだが、はっきり言ってあれは獣だ。力を求める獣さ、それはガイスと似ている所があるがガイスは王になる為に力を欲しているだけだ。あくまでそれは手段の一つだが、コアは違う。力こそがすべてだと考えてる、だから師匠と……」

「父さんがどうかしたのか」

「いや、何でもない。とにかく勝利への執着はガイス以上だ。お前らも絶対に負けられないだろうが、あいつにとっても負けることは死を意味する。手ごわいぞ」

「それでも俺達は勝つ。俺だって負ければ死ぬ覚悟さ。勝つまで俺は諦めない」

「ああ、負けるつもりは全くないぞ。だけど改めてその実力差があると知ると俺達がやろうとしてることはかなり無謀なことだって分かるな」


性格はトガと似てるのか。

ただし魔力レベルや威力は別格だけど。

何とか挑発してこっちのペースに持って行けないか。

いや、それを帳消しにするほどの魔法の威力があるし真正面からはやっぱり危険かもな。


「いや、案外無謀じゃないかもよ」

「え?だって勝率二割だろ?かなり無謀なことだと思うけど」

「実力で戦おうとした場合だ。実際戦いの環境や互いの精神状態で左右はされる。策を講じればジャイアントキリングすらあり得る。それにお前らはいい物を持ってるだろ?」


それを言われて自身の武器について気付く。

そうだ、俺にはインパクトがあるんだ。

絶対に防ぐことの出来ない必殺の一撃が。


「だが、当たらなければ意味がない。その為の修行をこれからするんだろ」

「そういうこと、ここからは俺が相手してやる。格上に魔法を当てる技術を学べるだろうさ」

「正直、俺は格上の相手とばかり戦って来たぜ。そう言うのは得意だ」

「お手並み拝見と行こうか。先ずは体で学んでみろ」


するとブライドは数歩下がる。

どうやらここからは実戦形式のようだ。

ブライドの実力は何となく知っている。

最初にガイスと戦っていたほどの実力だ、当然真正面からは叶わないだろう。

魔法に当たれば一撃でKOだろうな。


「ガルア、囲むようにして戦うぞ」

「かつ、俺は攻める」

「え?」

「サポートは任せたぜ」

「ちょっと待てよ、本気か!て、おいガルア!!」


先に動いたのはガルアだった。

目の前のブライドに臆することなく突っ込んでいく。

今の自分とどれくらいの差があるのか肌で感じたいんだろうけど、さすがに無茶しすぎだろ。

俺は後方からガルアをサポートする為にインパクトの準備をする。


「いくぞ、ブライド!」

「敵を目の前にしてわざわざ来ることを知らせるのか」

「言わなくても対処できるだろ」


その時二つの魔法陣を展開させる。

どちらもかなりの威力の魔法だ。

初っ端から飛ばしていくな。

するとブライドも対抗するように魔法陣を展開して二つの魔法陣と相殺させる。

するとガルアはそのままブライドに突っ込んでいく。


「サンダーランス!」


切り替えを用いてブライドに魔法をぶつける。

かなりの威力の魔法だが、受けたブライドは平然としていた。


「他二つの魔法陣はブラフか。本命はこっちのようだな」

「いや、本命は別だよ」

「何っ!?」


その時俺はブライドの後ろに立っていた。

あの時ガルアは先に行くと言っていた。

だけどあの一瞬、ガルアは確かに目で訴えかけていた。

トドメは任せたぞと。


「くらえ、ブライド!ブレイクインパクト!」


ブライドの体に触れたまま魔法を発動させた。

よし、決まった。そう思った時、何か違和感があった。

感触がしない?


「何処撃ってんだ?」


その声は何故か背後から聞こえてきた。

俺はすぐに後ろを向くと、ブライドがそこには居た。


「何で!?魔法を当てたはずなのに」

「発動までのタイミングが遅い。魔法を使わなくても足で避けられる」

「素早く足でその場から離れたってことか。今時体を鍛えている人なんてほとんどいないぞ」

「昔は今と違って魔法をポンポン使えなかったんだよ。体を鍛えつつ、魔法を鍛えるのは常識だ」


確かに半獣の体は鍛えた方が劇的に動きが良くなる。

まずいな、動きの素早い相手と戦うのはあまり経験がない。

というかそう言うのは俺の先輩特許みたいなところが合ったのに。


「かつ、あいつの動きを予測は出来ないか」

「どうだろう、あんな近くに居て避けられたしスピードは俺並みかそれ以上かも。予想するのは大部難しい」

「そうか、なら数で行くぞ。かき回してくれよ、かつ」

「おう」

「さて、次はどういう手を使うのかな」


ブライドはかなりの余裕があるな。

だけでそう言う時こそ隙を突きやすい。

何か意表が付ける様なことが出来れば、こっちのペースに持って行けるはずだ。


「よし」


俺はその瞬間、魔法陣を十個展開させる。

それらはすべて砂の魔法だ。


「ソイル、十連!」

「攪乱作戦か」


一瞬にして砂が辺りを包み込む。

その中で俺はスピードを生かして走り回る。

相手の位置はすでに掴んでる。

この状況で後手に回ったブライドはむやみに動けないはずだ。

待ちの一手、それなら奇襲できる。

右手に魔力を込める、そして一気にブライドに詰め寄る。


「インパクト!」

「遅いな」


迫ってくる俺に向かって余裕の動きで対処しようと手をかざした時、俺はワープで反対側に移動した。

魔力を込めずに移動したことでブライドは俺の現在地を掴めないはずだ。

その隙に蹴りを入れる!

魔法ではなく蹴りで攻撃をしたが、その一撃が決まった感触はなかった。


「嘘だろ……」

「中々いい蹴りじゃねえか。お前もかなり鍛えてきた口だな」


平然と受け止められた。

やっぱり接近戦でも強いな、こいつ。


「ソーンロックスタンプ!!」


間髪入れずに俺達の上に凶悪な岩が下ろされる。

俺はワープでそこから離れるとすぐにブライドの行方を追う。

土埃が舞って視界が悪い、だけどそれは相手も同じはずだ。


「エイムサンダー!」

「うぐっ!?」


その時体中に電撃が走った。

まずい、攻撃を受けちまった。

そのまま俺は地面に倒れる。


「かつ!くそ、ツインファイヤークロス!」

「ファイヤーバインツ」

「うおっ!?」


ガルアが放った魔法を飲み込むようにしてブライドの魔法がガルアを襲う。

その威力に思わずガルアもその場から離れる。

土埃はすでに晴れていた。


「何だ、その程度か?俺はまだまだ全力じゃないぜ」

「くっ俺の魔法が完全に威力負けしてる。真正面からやり合うのはやっぱり無理だな。かつ、立てるか」

「な、何とかね」


体にまだ多少の痺れがあるが立つことは出来た。

あの正確無比な魔法は何だよ、視界が悪いのにピンポイントで当ててきやがった。


「やはり通常の魔法じゃ敵わない。俺達の切り札を当てるぞ」

「でも相手はかなりの速さだぞ。当てられるかどうか」

「俺のオリジナル魔法を使う」

「でも条件がかなり厳しいよな。それはもう達成させてるのか」

「言ったはずだ。俺の魔法は状況によって性質を変えると。魔力レベルもその一つだ」

「どういう意味だ?」


その時ガルアが一歩前に出る。


「魔力レベルが俺より上の相手に対して、俺のオリジナル魔法は無条件で発動できる」



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