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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その十六 取り戻す戦い

「次にかつとガルア。お前らにはコアを任せる。まあ、任せるも何もお前らは妹を助ける為に何が何でも戦うんだろうな」

「当たり前だ!絶対にラミアは助け出して見せる!だろガルア!」

「その時じゃないと駄目なのか」


ガルアは俺の言葉を無視するとブライドに対して意見を言う。

まあ確かに妹の事を思えば早めに助けたい気持ちが分かるが、何か俺の気持ちが空振りしてるみたいで恥ずかしい。

だがブライドは首を横に振る。


「駄目だ。これは絶好の機会だと俺は思っている。期間を指定してきたのなら、相手の動きも分かりやすい。もしお前らがこの日以外にコアと戦ったと知ってガイスが来たらどうする?ガイス以外に他の王が来たら、奴隷を大量に送られて来たらどうする。この日以外の動向が分からない以上、不確定要素がある事を否定できない」

「だから同じ日に俺達も戦った方が良いのか」

「そうだ、どちらにしろ今のお前等じゃコアの足元にも及ばない。一週間でもギリギリだ。これは他の奴らにも言えることだぞ」


そう言ってブライドは王たちと戦う者たちを交互に見る。


「私達の実力が足らないと言いたいの?」

「安心しろ、今の俺は誰にも負ける気がしない」

「つい最近敗北をしてたと思うが?」

「っあれはいつものカノエ様じゃなかったからだ!奇襲攻撃なんてする人じゃなかった。それでダメージを受けて上手く戦えなかったんだ」

「次の戦いもそうやって言い訳をするのか?」


サザミが言葉に詰まらせる。

今のブライドは何だかサザミみたいだな。

言い巻かされてるのがサザミなのは何かあれだけど。

でも、確かにカノエ様はそう言う小細工はしないだろう。

今はガイスに忠誠を誓ってしまっているがカノエという人格は変わらない印象だったけど。


「ちょっといいですか。まだ皆さんにも話していなかったことなんですけど、僕は村でカノエに会いました」

「何!?カノエと会ったのか!どうりでボロボロなわけだ」

「そんな事はどうでもいい!それでカノエは何を言っていたんだ」

「村に居る人間と奴隷の補充をしに来ていました。本当はミノルさん達は命がけで村を守ってくれたんですが、カノエはその約束を破り村を再び襲ったんです。あの時のカノエはもう僕の知っているカノエ様の面影はありませんでした。目的の為なら何でもやる、僕はそう言う印象を受けました」


リドルは淡々と当時の心境を語る。

確かにあの人なら約束を破ることを許さないだろう。

それをしてしまうと言う事はそれはまさに。


「魔力によって人格に変化が起きてるんだろうな」

「それってどういうことだ?」

「魔力は似てるようで個人によって差があるんだ。カノエは一度死に魔力を失っている。だが再び魔法によって魔力を注がれて生き残った。それはカノエではなくガイスの魔力だ。次第にガイスの魔力が体に慣れて行けば、ほぼガイスの魔力で満たされているのならガイスのような性格になるかもな」

「魔法を使えば古い魔力が先に使われるからね。もしかするともうカノエの中には自分の魔力がないかもしれないよ。まあ、元々敵対するんだし、別にそこは気にしなくてもいいんじゃない」


マイトの言う通り戦う事が決まっているのなら気にすることではないだろう。

だが当事者からすれば自分の知っている人の痕跡が何もなくなることは悲しいことかもしれない。


「何落ち込んでんのよ、そいつらぶっ飛ばすんでしょ。それなのにこんな事でいちいち落ち込んでんじゃないわよ。それにもう私はあいつをシンラ様だと思ってない」

「がっはっは!確かにピンカの言う通りだ。サザミ、俺達も遠慮なくぶっ飛ばすんだろ。腹くくれよ」

「ああ、分かってる」


サザミはエングに悟られる形でそのまま引いた。


「それじゃあ本題に戻るぞ。次は例の城に潜入するチームだがなるべく潜入に長けた奴が必要だ。誰かいないか」

「あたいが行こうか?昔はそう言うのをよくやっていたからさ」

「それじゃあ、僕が行こうか?僕のオリジナル魔法なら逃げる時に役立つだろうし」

「人数は最小の方が良いだろう。お前ら二人には潜入を任せる。取って来るものは後程知らせる。それ以外の者は一旦街の護衛だ」

「ちょっと待てよ!」


その時ガイが大きな声を上げて前に出て来る。


「何だよガイ、何か言いたい事があるのか?」

「あるにきまってんだろかつ!何で俺だけ留守番なんだよ!俺だって戦いてえよ!」


確かに、ガイ以外のメンバーはそれぞれ役目があるがガイだけがその役目を貰ってないな。


「ならお前は何処に行きたいんだ」

「それはもちろんリドルと同じ所だ。人間とかが閉じ込められてるんだろ。そんな所絶対に強い奴が守ってるだろ」

「僕はいいですよ。来てくれた人が多い方が戦いやすくなりますし、よろしくお願いします。ガイさん」

「おう、よろしくな!敵は全部俺に任せておけ!」


何かよく分からないけどガイが納得した様でよかった。


「結局町を守るのは俺とクリシナだけか」

「わあ、やっと私の名前が会議に出たわ。忘れられたのかと思っちゃった」

「わざと名前が呼ばれるまで待つんじゃない。とにかく一旦はこれで行く。当日までに予定が変わる可能性があるから、いつでも行ける準備はしておけよ。特に王と戦うお前達、今のままじゃ一瞬で殺されるぞ」

「ブライドが俺達を鍛えてくれるんじゃないのか?」

「俺はこいつらの世話で手一杯だ。他にもやらなきゃいけないことがあるしな。もし何かしらのヒントが掴みたいのなら俺の仲間の元に行け。クリシナに聞けばいつでも連れて行ってやる」

「すごい人任せね。そう言うの自分でやるから言えるのよ」

「お前は俺とは違って暇だろ」

「ていうか、クリシナがその城にある奴を取ってくればいいんじゃないか?潜入とか得意って言ってなかったっけ?」


改めて自己紹介された時にそんなことを言っていたような気がする。


「確かにサポートは私の役目よ。でも残念、可憐な乙女にはふさわしい舞台が他にあるの?」

「何か他にやることがあると言う事か」

「それは秘密。むやみに乙女の秘密を知ろうとしちゃ駄目よ」

「お前の喋り方は俺の神経を逆なでするな」

「そうなの?でも大丈夫。まだまだ時間はあるわ。ゆっくりと互いを知って行きましょう」

「俺は知りたくもない」

「はいはい、無駄話はそこら辺にしろ。それじゃあ、そう言う事だから解散!」


そう言ってブライドが解散宣言をする。

その瞬間、皆が一斉に動き出した。


「「「「「「クリシナ!!!!!!」」」」」」


クリシナの元ですぐに人が集まる。

ブライドがあんなことを言ったからだろうな。

クリシナは珍しく困った表情をしている。


「いきなりは無理かな。私も忙しいし」

「嘘つくんじゃないわよ!暇なんでしょあんた」

「とにかく、そんな一斉には無理だから。それじゃあねえー!」

「おい逃げたぞ!」

「絶対に逃がさないで!」


何故かクリシナと他の人達の鬼ごっこが始まってしまった。

これはさすがに可哀そうだな。


「おい、かつ俺達も修行場に行かないといけないぞ」

「確かにな、あれ?どうやって行くんだっけ」

「行く時はいつもブライドが連れて行ってくれたが、ブライドの姿が見えないな」

「俺達だけじゃあそこには行けないよな。ブライドと同じ仲間じゃないと」


俺達は互いに視線を合わせる。

考えていることは同じだろう。


「「クリシナー!!」」


皆に混ざるようにして俺達もクリシナを追いかけに行った。


———————————

「ブライドーやってくれたわね」


クリシナは隠れているブライドを見つけると不服そうに頬を膨らませる。

それを見てブライドはくすくすと笑う。


「たまにはこういうのもいいだろ。いつも自分が優位に立ってると思うなよ」

「ひどーい、私はそんな風に思った事がないわよ」

「どの口が言ってるんだ」


そう言うとブライドは歩き出す。

それに続いて、クリシナも肩を並べて歩く。


「どうしてあんなこと言ったの?」

「何が?」

「王たちの件。わざわざ手紙を貰ったことを話さなければいいのに」

「俺が全員をやればいいって言いたいのか?」

「そう、だってその方が確実で危険も少ないじゃない。わざわざ勝てるかどうかも分からない人達に任せる何て危なくない」


するとブライドは足を止めてクリシナの方を振り向く。


「確実性で言えば確かにそうだ。でもそれは違うだろ」


ブライドはまっすぐな視線でクリシナを見る。


「これは奪われたものを取り返す戦いだろ?俺達もあいつらも」

「随分と丸くなったわね」

「それにあいつ等ならやれる気がする。そう言う力を持った奴らだと俺は思ってる。だから逃げてばっかじゃなくてちゃんと相手してやれよ」

「分かってるわよ。私の事を見つけてくれる人には特別に送ってあげるわ。格上を倒す事よりも簡単でしょ」

「お前の好きにしろ。それじゃあ、俺は先に行ってるぞ」


そう言ってブライドはテレポートをした。

クリシナは誰も居ない場所で微かに微笑んだ。


「取り戻せるといいわね、あなたの奪われたものを」



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