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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第一章 ようこそにゃんこ島へ
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その五 最弱の魔法使い

「あの〜終わったんですけど」


俺は質疑応答を終え、受付に戻っていた。


「お疲れ様でした。結果はすでに確認しているので報告しなくて大丈夫ですよ。再発行の手続きをするのでこちらを確認して下さい」


そう言うと、受付の人は説明書みたい物を渡してきた。


「これを読んで待っててくださいってことか」


ん?ちょっと待てよこれ文字が日本と違うな。


「異世界語ってやつか。そう言えば看板も見たことない文字だったな。あまりに自然に読めたから気付かなかった」


何故読めるのか気になるが、それは一旦おいといて俺は説明書を読んだ。

説明書にはこれからやる再発行の手続きと魔法のことについての説明が書かれていた。

この説明書に書かれている内容をまとめると、この世界ではゲームみたいにレベルという概念がないが、その代わり魔力レベルと言うのがある。

魔力レベルは1〜10あるがその基準は、この島にマナというエネルギーがありそのマナを体に取り込む事で魔力になり、この魔力量によってレベルが変化するらしい。

マナを取り込むのが多ければ多いほどレベルが高くなるということだ。

魔法はレベルによって異なるらしいが自分のレベル以下の魔法は覚えられない。

だからレベルが高ければいいと言う訳ではないようだ。

まとめるとこんな感じだな。

にしてもかなり俺の思ってたのと違うが、魔法を覚えられるのだ、贅沢は言えないよな。


「だいたい理解したので大丈夫です」

「分かりました。それではかつ様の魔力レベルを測りますので、こちらの機械に手を置いてください」


それは丸っこい形をしていて、下には紙やペンなどがセットしてある。

日本ではもちろん見たことないような機械だった。

この機械に手を置けば俺の魔力レベルが分かるのか。

何だか緊張してきたな、ついに俺も魔法を使えるようになるのか。

魔法を使えるようになったらどこかで魔法を使ってみたいな。


「それじゃあ行きます」


俺は期待に胸を膨らませ機械の上に手を置いた。

すると機械は俺の手を読み取るような動きをして、下にセットしてある紙に何かを書き始めた。

2〜3分して機械が書くのをやめた。


「はい、お疲れ様でした。それではかつ様の魔力レベルを確認しますね」

「お願いします」


俺の予想だとズバ抜けて高い魔法レベルが出て外野が騒ぐのが異世界の定番だ。

もちろんそれは俺も例外ではない。

さあ、高いレベルよ……来い!


「出ました。えっとかつ様のレベルは……え、そんな……こんな事があるなんて」

「何ですか?いくつだったんですか?」


この反応……間違いないな。

レベルは9、10ぐらいの反応だろうか、まあこうなるのは当たり前だけどな。


「それでレベルいくつだったんですか」

「レベルは……1です」

「はい?」


耳がおかしくなったのか1と言う数字が聞こえた。

そんなわけ無いだろ、多分俺の聞き間違えだな。

俺は再び魔力レベルを聞いた。


「レベル1です」


今度はハッキリ聞こえたが俺の頭が拒否反応を起こしたのか口が勝手にもう一度確認した。


「すみません。今レベル1って言いましたか」

「はい……そうですけど。ちょっ、かつ様入ってこないでください!!あっ駄目です!紙を奪わないで下さい!」

「うるせー!!絶対読み間違いだ!こんなことあるはずがねぇ!」

「そんなこと無いですよ!ほら見てください。ここにレベル1って書いてあるでしょ」


そこに書いてある紙には1と言うあまりに残酷な数字が書かれていた。


「たしかに……でもレベル1って一番下ってことですよね」

「そうですね………でもかつさん!レベル1って凄いんですよ」

「え!!どこがすごいんですか!」

「何とですね……レベル1はこの島で誰もいないんですよ!ちょっかつさん!だから、入らないでください!」

「どこが凄いんですか!それって遠回しに、俺はこの島で一番弱いってことじゃないですか」


何なんだ、異世界でなら今の自分を変えられると思ったのに、結局昔と変わらず負け組かよ。


「そんなこと無いですよ。かつさん、さっき説明書見て魔法のレベルについて学びましたよね」

「そうですね」

「それでは自分の魔力レベルより下は魔法が使えないってことも分かりますよね」

「えっそれってもしかして」

「そうですかつさん。あなたはこの世界で唯一すべての魔法を覚えられる魔法使いです」


その瞬間今まで暗くなってた心に一筋の光が指した。

そうまるで遠足が中止になって落ち込んでた時に明日遊園地に行こうと提案される子供位の感動だ。


「マジですか!そうかこの世界でレベル1は俺1人、つまり俺がこの世界で一番強くなれるかもしれないってことですよね」

「ま……まあそうゆう事ですね」


なるほど、そう考えるとレベル1でもいいと思えるようになってきた。

いや逆にレベル1はかなりの当たりじゃないのか。

さすが異世界だ、そうだよ唯一無二の力これが1番盛り上がるじゃないか。


「ありがとうございます。俺、頑張ります」

「はい。これからの活躍を期待してます」


そうだここから始まるんだ。

この島で一番強くなってやる。

俺は、早くミノルに伝えたくて急いで魔法協会を飛び出した。



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