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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十二章 取り戻せ!源魔石争奪戦
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その四 真のインパクト

「っここって研究所?」


気が付くとあらゆる機械が乱雑に置かれている研究所にやって来ていた。

ここは一度来たことがある、確かブライドの仲間が拠点にしている場所だよな。


「ここが修行場なのか?」

「具体的に言うとこっから修行場に行くんだよ。その前に済ましておきたい用事があってな。おい、メメ居るか!」


ブライドが大きな声で呼びかけるも返事が返って来ることはなかった。

だが奥の部屋で何やらガチャガチャと物音が聞こえる為誰かいるのは明らかだ。


「たく、メメの奴聞こえてないな。今日来るって言って合ったのにな。仕方ない、こう言う時は呼び込みくん三号を使えば……」


そう言うとブライドは壁にかけられている呼び込みくん三号と文字が掘られたスイッチを押した。

特に何の変哲もないスイッチだけどもしかしてファミレスの呼び鈴みたいなものなのか。

そう思った矢先その異変はすぐに起きた。


「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」


寄生と言わざる負えない声が奥から聞こえて来る。

な、何が起きてんだ。


「ちょっもうやめ、やめてくれー!」


その声を聞いてブライドは先程のスイッチを再び押した。

すると奥からげっそりと疲れ切ったメメが姿を現す。


「何をするんだ!博士がこちょこちょに弱いのは知っているだろう!」

「そう言うならこんな機械作らなければいいだろ。お前がこれを作ったんだし」

「それもそうだな、それでもブライドお兄ちゃんは博士に何の用で来たのかな」

「分かってるだろ、例の機械の進捗具合だよ」


例の機械?

もしかすると俺達が見つけたあの機械のことを言っているのか。


「絶賛それの改良中なのだよ。作業の進行率を言うなら約六十パーセントという所かな。中の損傷率が思ったよりも激しくてね、おかげで今ある材料じゃ効率よくいけなかったよ」

「でも俺が教えた保管庫で材料はだいぶ潤沢しただろ」

「それはもちろん!おかげで作業効率が二十パーセント増加したよ。だけど、やはりこの島魔力を全て吸い取るほどの力には程遠くてね。現在も絶賛改良中と言う訳なのだよ。という事で結果はまだ言えないから」

「まあ引き続きその件は任せる。ちなみにこのまま改良を進めて俺の計画は実現は可能なのか?」

「そうだね、まだ完全に改良は出来てないから何とも言えないけどこのままこの機械の限界値を最大まで引き出せた場合、島全体の魔力の三十パーセントが限界だね」

「まじかよ、現実的じゃないか」

「そもそも島全体の魔力を全て吸い取るってのが前代未聞なのだよ。博士は正直それを本気にしてるブライドお兄ちゃんの思考が心配なのだよ」

「ほっとけ、普通じゃ勝てない相手だってことはお前も十分理解してるだろ」


そう言ってブライドは拳を握りしめる。

どうやら状況はあまりよろしくはないようだ。


「ブライド、俺達は勝てるんだよな?」


思わず聞いてしまった、今は自分のやるべきことに集中すべきなのは分かっているがそれでも気になってしまう。


「勝たなきゃいけないんだ。その為に俺達は全力を注いでる、皆戦ってるんだ。だから負けちゃいけないんだ」

「そうだよな、ごめん変なこと聞いて」

「嫌良いんだ、今の会話はあまりよくなかったな。メメ、反省しろよ」

「何で博士なのだよ!博士はあくまで事実を述べたうぐっ!」


するとブライドがメメの口を塞ぐ。

そうする事でメメがもごもごとブライドの手のひらで声を発している。


「まっ今は自分のすべきことに集中すべきだ。それじゃあ、早速うわっきたね!手のひら舐めるなよ!」

「博士の口を塞ぐから行けないのだよ!博士を怒らせるとこういう目に合うから」

「ちっこい奴が反逆しやがって」

「ちっこくない!頭に栄養が言っているだけだ!」

「分かった分かった、すまんなかつ待たせて。それじゃあ早速行くとするか」

「ちょっと待て!」


修行場へ向かおうとした時メメに呼び止められる。


「もう話は終わったはずだぞ」

「例の薬、サンプルが出来たぞ」

「っ!成功したのか?」

「その実験はこれからするんだ。デュラに任せてある」

「そうか、成果が出たらまた教えてくれ。その薬は近いうちに必要になる」

「博士はその専門家じゃないのだよ、頑張ったんだからご褒美にトロピカルフルーツを買ってくるように」

「ああ、もう食べたくないと言う程持ってきてやるよ」

「薬って何の事だ?」

「ああ、かつは気にするな。そのうち分かる、よしそろそろ修行場に行くか」


そう言って何の説明もされないまま修行場に連れてかれて行く。

さらに地面に降りて行くのかエレベーターのような装置に乗って下に降りて行く。

そして到着したのか止まるとゆっくりと扉が開かれる。

そこには広いグランドのような場所が現れた。


「ここが訓練場……」

「ああ、余計な機材は一切要らない。そんな物よりも直に戦って得た経験の方がはるかに成長できる」

「それじゃあブライドが俺に稽古をしてくれるってことか?」

「それはお前の成長次第だ」


エレベーターから降りるとその場所へと進んで行く。

そしてその中央に立つとブライドは地面を数回叩いた。

その瞬間、地面から突然木が生えて来る。

いや、生えて来るじゃなくて出て来たと言う方が正しいな。


「インパクトでこの木を破壊してみろ」

「え?木を?」


疑問符が頭に浮かぶ。

木を破壊するなんてそんな事インパクトなら余裕で出来るだろう。

なのにわざわざそんな事をさせる意味って何だ?


「いいからやってみろよ」

「まあいいけど」


まあ何かわけがあってそう言ってるのだろう。


「本気でやれよ!手加減はするな」

「木を相手に手加減するなって、言われた通りにやるけどさ」


少し勿体ない気もするが言われた通りにやるしかない。

ここは切り替えの方が打ちやすいだろう。

俺は右手に魔力を込める。


「インパクト!」


そして気に向かってインパクトを放った。

当然目の前木はその威力に耐えられずに吹き飛んで行った。


「それで吹き飛ばしたけど、これで何が分かるんだ?」

「それが全力か?」

「え?そうだけど、木の原型が残ってることが気になるのか?衝撃波を放つから踏ん張りがきかなくてそのまま吹き飛んじまうんだよ。だから仕方ないんだ」

「なるほど、やっぱりお前はそのインパクトを完全に物に出来ていないみたいだな」

「それってどういう意味だ?」


インパクトは昔から使い続けてきた。

かなり慣れて来たし、自分の手足のように自由自在に発動できるレベルまでなったと思っていたが、本当はまだ最大限の力を使えてないってことか。


「そのオリジナル魔法は支障が考え出したものだ。当然、ただの衝撃波を出す魔法なわけないだろ。それはガイスすら欲している物なんだからよ」

「でも今の所他の効果は見られないけど」

「それはお前が完全にその魔法を理解していないからだ。本来魔法って言うのは百パーセントの威力を同じ魔法使いにはぶつけられない。魔力抵抗がある限りどれだけ差があろうが0.1パーセントの威力の現象が起きる。百パーセントはあり得ないんだよ」


たしかにその説明だと本来の力をそのままぶつけるのは無理なのだろう。

だけどどうしてそんな説明を急にし出したんだ。


「つまりインパクトも百パーセントの威力じゃぶつけられないことを言いたいのか?」

「その逆だ」

「は?」

「本来インパクトは内部からの衝撃波を発動させる魔法だ。つまり外からではなく内部から攻撃する事で魔力抵抗に引っかかることなく百パーセントの威力をぶつけることが出来る」

「それって……」

「ああ、インパクトは無防備な体の中から相手を攻撃する一撃必殺の魔法何だぜ」


不可避の一撃、それが本来のインパクトの使い方。

そんな強力な物だったのか。


「お前にはそれを身に付けてもらう。死ぬほどきついが死ぬよりはマシだろ?」



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