表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
579/827

その三十三 気だるげ少女と注意女子

俺はワープですぐにミズト達の場所へと急ぐ。

大丈夫だよなあいつら、やられるなよ。

それに他の皆も誰も死なないでくれよ。

源魔石探知機の反応を示す場所に辿り着いた俺はすぐに辺りを見渡す。


「岩場の地帯か。高低差があるせいで正確な位置が分からねえな」


位置的にはここで合ってるはずだ。

でも誰の姿も見つからない、一体どこに居るんだ。

その時、一瞬だけ魔力の気配を感じ取った。


「っ!誰かが魔法を使っているのか。でも見た感じそんな激闘繰り広げてる場所なんてどこにも……ん?」


そう言えば俺が立っている場所ってちょうど滝の上だよな。

もしかしてこの滝の中だったりするのか。

見た感じあいつらの姿も見られないし、一か八か試してみるか。

俺はそのまま滝の上から真っ逆さまに落ちる。


「インパクト!」


そして滝に向かって魔法を放った瞬間、真っ二つに割れたことで隠れていた穴が見つかった。


「よし、ワープ!」


そしてそのまま隠された洞窟に向かってワープを放ち中に入る。


「ふう、水飛沫で濡れちまったけどまあこれくらいはすぐに乾くよな」


そんな事よりも今はあいつらの方が心配だ。

音が妙に静かだが、やられてないだろうな。

俺はそのまま洞窟の奥へと進んで行く、隠されていた洞窟ってことはさっきと同じように研究者の研究室とかなのか。

ある程度奥に進むと大きな地鳴りのような衝撃が地面から伝わった。


「うおっこれ確実に誰かと戦ってるよな。くそ、何でここがバレたんだよ」


いや、今はそんな事を考えてる暇はないよな。

俺は衝撃が強くなっていく場所へと向かう。

そしてそこには信じられない光景が広がっていた。

目の前にはこの広い洞窟を埋め尽くすほどの三十人以上の半獣がミズト達に向かって襲い掛かっていた。


「ミズト、ナズミ!!」


思わず飛び出してしまう。

あいつらはキンメキラタウンを襲った奴らと同じだ。

おそらく自分の命が尽きるまで行動をやめない。

だけど一般人には変わりはない。

傷つけるわけには行かない。

俺は地面に手を置く。


「インパクト!」


そして地面に衝撃が伝わり周りに居た人達が吹き飛ばされていく。


「かつ、どうして来た」

「緊急信号が来たんだよ。その端末が壊れたり異常が起きたりするとなるらしい」

「そう言えばさっき壊されたな」

「絶対さん!お姉さまが!お姉さまが!」


ナズミが今にも倒れそうなミズトを抱えていた。

魔力の消耗がかなり激しい、やっぱり無理をしていたのか。


「大丈夫だ。必ず守る!」

「誰を守るってー?」


っ!何だ、今の声は聞いた事のない声、そして操られている人達は喋らないはずじゃ。

てことは操られてない奴がどこかに居るってことか。


「絶対さん!上です!」


ナズミに言われた通りに真上を見てみるとそこには空中を飛んでいる二人の半獣が居た。


「な、何だあいつ!」

「お兄さんさー余計なことしないでくんない。後もう少しでこいつらやれたのにさー」

「そうよそうよ!男子はこっち来ないでよ!」

「マジそれな。ちょっとお兄さん、あたしらの事邪魔したんだからさ。責任取ってくんない」


な、なんだこいつらギャルみたいな喋り方の奴と小学校の委員長気質の喋り方をしている奴だ。

今時いるのかこんな奴。

何か、昔を思い出してちょっと気分が悪くなるな。


「気を付けて、あいつら相当な実力者よ」

「だな、こんな所に来てるってことはそう言う事だろ。お前ら、どうしてここに来たんだ!源魔石の事を知ってるのか!」


先ずは時間稼ぎだ、その間にこの場をどう切り抜けるか考えないとな。


「うっざーそんなこと言う訳ないじゃん。ていうか上から目線でちょームカつくんですけど」

「本当よ本当!男子っていつもそうだよね!」

「マジそれな、ウケるわ」


何がマジで何がウケるんだ。

駄目だ、話が通じる気がしない。

ていうかこいつら本当に強いのか。


「まあいいや、とにかくお兄さんさ。大人しく死んでくんない?」

「っ!」


突然殺気を感じ取り思わず体を逸らす。

その瞬間、先程まで立っていた地面が切り裂かれていた。


「何だそりゃ!?」

「きゃあ!」


するとナズミの叫び声が聞こえて来てそちらを振り返ると腕から血を流していた。

まさかさっきの攻撃が当たったのか。


「ナズミ!どうして避けなかったの!」

「えへへ、お姉さまを傷つけるわけには行かないから」

「あーおっしい。後もう少しで腕切断できたのに」

「あの男子のせいよ!そうに違いないわ」

「黙れ」


その瞬間、明らかな怒気を発したミズトがそのままナズミから離れてゆっくりと立ち上がる。


「お前らは絶対に許さない。この手で殺してやるよ」

「へえ、怖いじゃん。ブ千切れって感じ、姉妹かなんか知らないけどさ。そんなに大事ならしっかり守んなよ!」


またもや鋭い鞭のような物が飛んでくる。

あれか、さっき地面を削ったほどの威力の魔法。

それがミズトを切り裂こうと向かってきた瞬間、水の剣でそれを防いだ。

何だあれは、風のムチ?


「出た、その剣結構厄介なんだよね」

「出たわね、そのうねるような剣!でもあたいだって負けないんだから!」


するともう一人の方が魔法陣を展開させる。

その瞬間、巨大な岩がこちらに向かってくる。


「ギガストーン!」

「インパクト!」


俺はその岩に向かってインパクトをぶつける。

それにより跡形もなく木っ端みじんになった。


「手出さないで」

「お前なあ、今の一撃俺がふせがなかったらぺちゃんこだったぞ」

「ちょっと男子やめてよね!あたいの魔法を壊さないでよ」

「へえ、お兄さん結構やるね。正直ザコだと思ってなめてたわ。そう言えばミュウラ様言ってたわ、油断するなって。確かに油断大敵だわ」

「っ!今ミュウラ様と言いましたか!もしかしてミュウラ様がどこに居るのか知ってるんですか」


ミュウラってこいつらの元王だよな。

そう言えばてっきり俺はミュウラがここに来てるのかと思ったけどそうじゃないのか。


「教えるわけないじゃん。馬鹿なの、死ぬの。ていうか会えると思ってんの、どうせお前らここで死ぬのに」

「そうよ、いつまでも見苦しく足掻いてるんじゃないわよ!いい加減に死になさいよ」

「死ぬのがどっちなのか教えてあげる」

「ちょっと待てミズト!戦うのはまずいって!ちょっ!」


だが俺の制止も聞かずにミズトは二人に向かって突っ込んでいった。

ミズトの奴怒りで周りが見えてない。

あのままじゃまずいぞ!。


「魔剣水式、みず——————っ!?」


ミズトが魔法を使って空中に居る2人に向かって行った瞬間、なぜか一瞬にしてミズトの体が切りつけられた。


「馬鹿は単純でやりやすいわー突っ込んでくる相手に対して何も対策してないわけないでしょ」

「ミズト!!」


まずい、ミズトがやられた。

どうにかしないと。

俺はミズトの元に向かおうと足に力を込めた時、ある違和感に気付いた。

ミズト、まだ剣を離していない。


「っうぐ!?」


すると水の剣が先程の砕けた口調の半獣の背中に突き刺さっていた。


「この、くそが……」

「言ったでしょ、殺してやるって」

「何してくれてんのよ!!」


すると横に居た委員長気質の半獣がミズトを付き落とそうとする。


「ワープ!」


俺はとっさにワープでミズトの元へと向かう。

そして繰り出される魔法に対して俺はカウンターをぶつける。


「へ?きゃああああ!!」


カウンタ―によってはじき出された魔法に2人が直撃する。

それによってずっと空中に居た二人が地面に落ちて来る。

俺はミズトを抱きかかえて地面に着地する。


「大丈夫かミズト!」

「大丈夫に決まってるでしょ。これくらいでやられるわけないじゃない」

「お姉さまもう無理しないで!本当に死んじゃいますよ」

「あったまくるわねえ。お兄さん、よくも叩き落してくれたね」

「ていうか、お前俺と同い年くらいだろ」

「男子うるさい!あたい達はもう男子はもちろんあんたらを許さないから!」

「許されなくて結構よ。どの道二人とも切るつもりだし」


ミズト、まだ戦う気なのか。

今は興奮状態でケガの痛みがあまりきてないんだ。

冷静になったら動けなくなるぞ。


「ナズミ、煙の奴出せるか?」

「霞の中の私ですか?可能ですけど、すぐに見破られちゃいますよ」

「それでいい、一瞬のスキさえつければ何とかなる。ミズト、テレポートを使えるか?」

「魔力がもったいない」

「戦いを前提に考えるな。逃げることだけ考え」

「ナズミを傷つけた奴を許せるわけないでしょ」

「頭の血を下ろせばか。今すべきことはそんな事じゃないだろ。お前が戦うべき相手はミュウラなんじゃないのか?」

「何くっちゃべってんの?作戦会議なら意味ないよ」


その時砕けた口調の半獣が指を鳴らした。


「こっからは全員で行くからさ。もう諦めてくんない」

「残念だけどここであんたらは終わりよ!」


その言葉通りに周りに居た奴隷の印を付けられた半獣が一斉にこちらに突っ込んでくる。

この人数相手に一々相手をしている場合じゃない。

ここは逃げる一択に限り。


「絶対さん、すごいきてますよ!いつ打てばいいんですか」

「まだだ」


もっともっと引き寄せてそれじゃないと意味がない。

するとミズトが剣を握る力を込める。

それを俺は手を添えてやめさせる。


「何もしないつもり」

「男子って馬鹿だから仕方ないわよ」

「まだだ……」


そして半獣たちと俺達の距離がほぼ近距離になった瞬間を見て。


「今だ!」

「はい、霞の中の私」

「っ逃がすな!!」


俺達の体は切りに包まれていく。


「馬鹿だね、魔力でお前等の姿何てお見通しってこと分かんないかな」

「テレポート!」

「行かせるわけないから!」

「インパクト!!」


こちらに向かってくる人々を攻撃を俺はそれで吹き飛ばした。

そしてキリがゆっくりと晴れて行く。


「ちょっどういうこと!何で」

「何で、お兄さんだけしかいないわけ」

「そんなの決まってるだろ選手交代だ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ