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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
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その三十一 島の端っこにある扉

「ビンゴ!やっぱりここに合ったか源魔石!」


ブライドはすぐに源魔石が飾られているショーケースへと向かって行く。


「ここは倉庫か何かか?随分色々と置いてあるな」

「ここに部品を備蓄していたんでしょうか。どちらにしろ、あまり使われていなかったのかかなりの量がありますね」


リドルの言う通りダンボールの箱や棚の中には見たことも無い部品が色々と置いてあった。

そのどれもがラベルにより振り分けらており同じ部品が大量に存在した。


「そんな事よりも源魔石を見つけたことの方が重要じゃない。これで任務クリアって事よね」

「ならもうここに居る必要はないのう。さっさと出るか?」

「そうですね。ここは僕達とは関係がありませんし、目的は達成したのでここを出ましょうか」

「本当に関係ないのか?」


その言葉に全員がこちらを振り向く。

思わず出てしまった言葉、頭の中でよぎったその考えは先程の研究資料を見て加速した。


「研究資料にはここで行われたことが書かれていた。それってここでは確実に法を犯す、危険な実験をしてたってことだ。その研究に半獣も入ってる、それは数あるの研究の一つだった」


この研究はメインじゃない。

他にも同時期に全く別の研究が進行していたという事だ。


「この研究の成功は半獣で本当にそれだけなのか。神になるかもしれな程の研究は別の形でも成功してるんじゃないのか?兵器はこの島のどこかにあるのか?それをブライドたちは知ってるんじゃないのか!」


過去の事は何も知らない。

そもそも俺は最初からこの世界に居たわけじゃない、だからこそ過去を知る人に聞くしかない。

ブライドたちに聞くしかないだ。

俺の質問にブライドは持っていた源魔石をポケットにしまってから口を開いた。


「おそらくそれはねえよ」

「え?本当に、断言できるのか!」

「反乱の日、ゼット師匠とガイスを筆頭に研究者を根絶やしにした。その時研究所もいくつか破壊しておいた。こうやって未だに隠されてる研究所はいくつかあるだろうが、恐らく特に何の意味のない場所だろ。だからこそ生き残りが居ないんだ」

「そもそもこの研究資料を見るに開発途中で止められちゃってると思うわ。だからかつは何も心配する必要はないのよ」

「そもそも研究者はどうしてこんな事をするんだ。戦争でも起こそうとしてるのか?」

「さあな研究者の思想を考えたことはねえ。というか考えたくもない」

「私は考えたことあるわよ。当時の事を振り返った残った研究記録を見ると彼らは確かに何かしらの依頼を受けて研究を行っていた。だけどその大半は自分のしたいことを自由に出来る環境が欲しかったんだと思うわ」

「自由な環境?」

「そう、彼らは自分が作りたいと思う物を実現できる能力があったけど、それを出来る場所と費用が無かった。そう言った者たちが集まってこの島で研究が行われたんじゃないかしら」

「つまり、あの研究者たちはしたい事をする為だけに研究をしてたのか。世界の為でも誰かの為でもなく自分が満足する為に」


そんな事であいつらは一般の人の体を改造してたのか。


「エゴイスト集団だろ、奴らに他人をおもんばかる気持ちはねえ。あの時もそうだった、自分の命が助かることだけを考えていた。実験動物に反逆されたかのような目で俺達を見ていた」


ブライドはあの日の出来事を思い出すかのように歯を食いしばり拳を握りしめる。

実験の時の地獄のような苦痛を俺は知らない。

そしてあの時の状況を理解する事も出来ない。

実際にその場にいないからこそ痛みを共有することは出来ない。


「僕達はあのままどうなってたんでしょうか。実験が成功しゼットさん達が行動を起こさなかった時、あのまま研究者のモルモットと過ごした時、僕達はどういった結末を迎えたんでしょうか」

「考えたくも無いって言うのが、正直なところだな。あの人は英雄でそう言う恐怖心があったからこそその行動を救われた。もし無かったらもしかしたら誰かに売られたか、見世物にされたかもしれねえ」

「どちらにしろ良い結末は向かえないってことか」


その言葉にブライドは深く頷いた。


「ちょっといいかしら個人的なことなんだけど聞いてもいい?ガイスって共に研究者から半獣を救ったのよね。なのにどうして敵になってしまったの?協力してたんじゃなかったの?それに喝のお父さんはどうしてこの世界を去って行ったの」


父さんがこの世界を去った理由、たしか自由を求める為にとか言ってたよな。

でも詳しいことはあまり聞かされては居ない。


「そうだな、全てあの日の出来事が原因だな。この島から半獣の大半が消えているのは知っているか?」

「それって父さんと共に島を出た人の事か?そう言えばどうやって父さんは日本になんてこれたんだよ」

「次元の扉を潜ったんだよ」

「次元の扉?」


聞いた事のないワードに思わず首をかしげてしまう。

何だ、また何かよく分からない物が出てきたな。


「この話をするのならさっきの研究者の作った物が半獣以外で成功しているかの答えに少し訂正を咥えなきゃいけないことになるな」

「どういう意味だよ」

「実は研究者たちはある扉を作ったんだよ。それは次元間で移動することが出来る扉だ。それを潜れば別次元の世界へと行くことが出来る」

「何を言ってるんだ?」

「ゼット師匠とその意志に賛同した者たちはその扉を潜ってこの世界から姿を消した。島の端っこにあるあのドデカい扉は別世界に行くことが出来る扉だ」


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