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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
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その十八 捕まった王

「がはっ!」


空中で魔法を受けたザックさんはそのまま地面に力なく倒れる。

どうやらこれで無事に倒せたようですね。

すぐにブライドさん達の所に合流しないと。


「待て、この野郎……」


まだ息があるのかゆっくりとザックさんが身を起こそうとする。

あの怪我でまだ動こうとしてる何て大したものですね。


「それ以上は動かない方が良いですよ。傷が開くだけですから」

「体に風穴開けた癖に、良く言うっす。俺はまだ、認めてないぞ。どうやって俺のオリジナル魔法の、攻撃を防いだ!」

「僕はあなたの様に自らの手の内を明かすような真似はしませんので。そして、さっさと休んでください」


僕はそのままゆっくりと立ち上がろうとするザックさんの首に向かって手刀をかました。

するとザックは気絶するように地面に再び倒れた。

これで奴隷になってしまった方たちも進軍を止めるでしょうか。


「にしてもオリジナル魔法、実践では初めてでしたけど無事に成功してよかったです」


カノエ様から作り方を教わって完成させたオリジナル魔法。

その名も魔法無効、相手が出した魔法陣をこの目に捉えれば僕が魔法を解除するまではその魔法が使えなくなる。

これは相手が僕のオリジナル魔法を知らなければ知らない程、強力な魔法を封じ込めるチャンスが出来るという事。

ですがこれの唯一の欠点は自分だけにしかそれが反映されない事、そして一対一ならまだしも大勢を相手にする時はそれほど効果を得られない事ですね。

まあ、相手に話さなければアドバンテージは十分にありますけど。


「とにかくブライドさん達の方に戻らないと。戦いながら少し離れてしまいましたし」


すぐに門の方へと視線を向けると、そこには先程までなかったものがそこには合った。

岩の塔がある、違うあれはロックタワーですね。

魔法で誰かが作ったのか。

いや、それにしては少し様子がおかしい。

僕はすぐにその近くへと向かうと誰かの大声が聞こえてきた。

それは明らかに塔の上から聞こえてきた物だった。


「王は捕まえた!大人しく、降伏し、俺達の仲間となれ」


忘れていた、あの男の事を。

よく考えれば分かることだったのに、居ないと思い込んでしまっていた。

もう一人の仲間、ニュートさんが片手に王を掴みながら高らかに宣言した。


—————————————————

リドルの戦いが決着する数分前


「インパクト!」


俺はまだこちらに向かってくる奴隷の印が付いた人々を門の外へと吹きとばす。


「くそ、これじゃあキリがないぞ。幸い開いてる穴が少ないから対処できるけど、それでもこっちの魔力が底をつくぞ!」

「だらしないのう。妾が認めた男がそんな弱音を吐くな」

「知らねえよ。こうなったら俺も力で吹っ飛ばすか」


ブライドたちが頑張っているからなのか思ったよりも人の出入りが少ない。

だとしても拘束という手段しか出せない俺達は戦況を変えられない。

リドルたちが何とかしてくれればいいんだけど。

その時デビが俺の服を引っ張って来る。


「っ何だよ。また来るかもしれないぞ。遊んでないで警戒しとけよ」

「じゃが、あれを見てみろ」


そう言うとデビが何かを指差す。

その方向には誰かが門に向かって走っていた。

あれって……


「もしかしてムラキか?」


そういえばムラキはあの時自分の責任に押しつぶされてそのまま走り出してしまっていた。

まさかこんな所まで来てしまってたのかよ。

門の所まで来て何をするつもりだ。


「とにかく保護しないとな。門の外は敵だらけだ」

「妾はあやつが嫌いじゃ。なよなよして偉そうでミノルを傷つけた奴じゃぞ」

「だけどこの街の王だ。助けなきゃ王が居なくなったら町はパニックになるだろ」

「あやつは居ても居なくても変わらんじゃろ」


こいつは全くやる気を見せないじゃないか。

仕方がない、俺1人でも助けに言った方が良いか。

デビにはここを守ってもらおう。


「それじゃあ、ここは任せたぞ」


俺はデビにそう言うとすぐにムラキの方へと向かう。

あいつ、もしかしてこの街を出ようとしてるのか。

街を見捨てたわけじゃないだろうな。


「おい、ムラキ!何処に行った!今門は危険だぞ」


おかしいな、返事もしないとは。

たしかにあそこに走って行く姿を見かけたんだけどな。

見間違いってわけじゃないだろうし、もしかしてもう町に戻って言ったのか。


「おい、お前誰だ!」

「大人しくしてるんだな。お前にはこれから見せしめになってもら」


何だ、近くから誰かの声が聞こえてきた。

しかも誰かと話してる。


「たしか、こっちから聞こえたような」


俺はすぐに声が聞こえた方に向かうと、その瞬間さらに大きな声が響き渡る。


「ロックタワー!」

「なっ!?おわっ!」


突然大きな岩の塔が現れる。

しかもその頂点には誰かが乗っていた。

一瞬だけだったがあの姿は見た事ある。


「ニュート!どうしてお前がこんな所に居るんだよ!」

「絶対かつ、お前がここを守っているのは知って居たぞ!そして他の奴らがボロボロになっているのもな。その隙を狙わせてもらったぞ」

「何をするつもりだ!」


俺はすぐにニュートをぶっ倒すために魔法陣を展開させるがすぐにそれは阻まれる。

あいつ、ムラキを人実にしたのか。


「そのまま見ていろ。俺がこれからする事をな」

「何をするつもりだ。ムラキを解放しろ!」

「安心しろ、すぐに終わらせる。この街に現実を叩きつけてやる」


そう言ってニュートはニヤリと不気味な笑みを見せた。

ムラキは泣きそうな顔をしているが抵抗は無駄だと悟ったのか大人しくしている。


「この街に居る何も知らない人々よ!」


ニュートはムラキを片手で掴んで高らかに宣言を始める。


「王は捕まえた!大人しく降伏し、俺達の仲間となれ」



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