表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
560/827

その十四 キンメキラタウンのこれから

「がっはっは!ついに源魔石について話してくれるのか!」


そう、源魔石はガイスを殺すにもそしてガイスにとっても重要な物。

その事をみんなにも理解しておくのは必要なことだろう。

というか、俺もまだ詳しくは理解出来てないし、おさらいの意味も込めて聞いてはおきたい。

みんなの視線がブライドに集まる中クリシナが取り出した欠片を使って説明を始める。


「まず最初に源魔石って言うのは空中に漂うマナの元だ。簡単に言うと空気も元は植物から出るもんだろ?源魔石を植物と考え、魔法使いが放出した魔力を吸収してマナに変えてそれを空気中に放出する。そうやってマナは循環してるんだよ」

「へえ、てことはそれが無かったら俺達魔法使えねえって事じゃん」

「そう言う事だ!だからこそこの源魔石は重要な物であり、この島ではなくてはならない物だ」


なるほどそれは分かりやすい説明だな。

魔力は植物、二酸化炭素を魔法使いと考えれば確かに分かる。

まあ光合成はその他の要素もあるから完璧に光合成と同じ仕組みってわけもないしそこは突っ込む必要はないな。


「さらに源魔石は普通の魔石とは違って魔力を入れる容量には限界が存在しない。そこが重要な所だ!俺の計画はその源魔石を使って島中のマナを入れて、そのどでかい一撃をあいつにぶつける!いくら魔力レベルが高くてもさすがのガイスもこれには耐えられねえはずだ!」

「へえ、たしかにそんなすごい石があるのなら可能性は出て来たね」

「でもそんな小さい欠片で本当にこの島のマナを全部入れられるの?正直言うとそれは過大評価すぎると俺は思うね」

「マイトの言う通りだな。明らかに源魔石と言えとも不可能だ」

「確かに今の段階じゃ魔石よりは使える程度だ。だからこそ同じような欠片を残り六個必要だ」


そう言えばそんなことを言ってたな。

欠片は全部で八個必要でそれを集めれば源魔石として使えると。

でも確か探す方法は特にないんだったよな。


「それは分かった。でもどうやって探すの」

「よくぞ聞いてくれたな。答えは知らん!」


その言葉に対して皆は微妙な反応を見せる。

そりゃそうだろうな、あんだけ語っておいて知らんと言われればそう言う空気にもなる。

これはブライドが悪いな。


「ちょっと前と言ってることが違うじゃない。源魔石は大量の魔力を放出してるんでしょ?それを頼りにすればある程度の目途はつくってあんた言ってたわよね」

「確かにそうは言ったが本当にあるかなあ位だ。確証は得られないし、そもそも膨大な魔力を放ってると言ったが所詮は魔石よりも強い魔力という意味で、魔法使いも魔力を使うだろ。強者の魔法使いの方が魔力を放ってるしな、所詮は参考程度だ」

「じゃあ何であんな風に言ったのよ!」

「希望があった方が前向きに行けるだろ?」


つまりブライドは魔石の欠片の居場所に見当もついていないようだ。

そりゃあピンカが怒っても仕方がない。


「ちょっと待ってくれ。そもそもその作戦には欠点がいくつかあるはずだ。この島のマナを全て吸ってしまったらもう二度と魔法が使えなくなること、そしてその膨大な魔法を扱える魔法使いが居ないことだ。その問題についてはどうするつもりだ?」


ハイトの意見は最もだ。

初めてこの作戦を聞いた時にもこの問題が出て来ていた。

魔法が無くなった時果たしてこの世界で生きていけるのだろうか。

ここにはモンスターが居る、もしガイスを殺せても戦うすべを失えば結局は滅びてしまうんじゃないか。


「その二点については試行錯誤中だ。現時点での考えは化学兵器を作ってその後の街の平和を守ることと魔力に関しては俺が何とかするとしか言えないな」

「確かにそうね。ブライド一人に任せるのは私としてはあまりいい案とは言えないけど、可能性があるのはこの中だとブライドしかいない物ね」

「ブライドに任せるってのは分かったよ。でも俺は源魔石をどうやって入手するかの方が気になるんだけど」

「そのことに関しては俺の仲間に任せておく。後ほどこの欠片をあいつらに手渡す。だからその事もしばらくは全くれ」

「てことは今の所は動けないってことで良いんだな」

「俺の作戦で行くのならな」


ブライドはこれ以上話すことがないのか後ろに下がる。

それを見てサザミがまとめに入り出した。


「どちらにしろガイス以外の問題の他にも他の街の復興も進めなければいけない。それは後回しだとしてもこの街に人が入りすぎてるのが問題だ。街の奪還を早急的にしなければまた暴動がおこるぞ」

「こういう時こそ小さな王子様の出番なんじゃないの?」

「ミノルよ!俺は正直言うとあいつらに会うのが怖い!」

「そんな自信満々に言うなよ」

「お主は駄目な王じゃのう」

「嫌と言っても出ては貰うぞ。肩書は王だ、納得のいく説明を出来るのはお前だけだ」


そう言ってサザミはムラキを睨みつける。

それを感じ取りすぐさまミノルの後ろへ隠れようとするがミノルは逆にムラキを前に出す。


「この街の人々は格式が高いからね。一般庶民は近づくなとか言いそうだし」

「あたいもそう思うよ。嫌な予感がしてならない」

「どちらにしろ町の人々には説明をすべきだと思います。じゃないとカルシナシティの時のようになってしまいますから」


そうカルシナシティでは王の不在や他の街の出入りが禁止されていた為、さらにその説明も十分に出来ずに人々の不満が溜まりに溜まってしまっていた。


「なあ、ここの人達も島の状況を知らないんだよな」

「そうさ、元々この街の住人は外の事をあまり知りたがらないし、待ちに出ることもほとんどないからね。都合はいいけど、さすがに今回の一件で気になっていると思うさ」

「だとしたらきちんと説明すべきだと思う。カルシナシティの二の舞はごめんだ、それにもう隠しても意味ないだろうし」

「かつの言う通りだね。俺もカルシナシティでは少し臆病になっていた。それがあの結果を生んだのなら言うべきだ」


その言葉に他の皆も同調する。


「なら明日の朝に説明をしよう。もちろんそれをするのは王自身だ。この街の不安を取り除けるのもお前だけだ」

「何で俺なんだ!お前らで説明すればいいだろ!」

「俺達はこの街とは関わりがない。他所から来た奴らの言葉に耳を傾けると思うか?」

「なら、ガイとサラだ!お前らならあいつらに信じてもらえるだろ!?」


だがサラとガイはそれに対して微妙な反応を見せる。


「あたいらは所詮は家臣さ。街の一大事に公に出る立場ではない」

「ていうか、お前が出ればいいだろ。王なんだろ?」

「俺は確かに王だが、いや今この瞬間お前に王を譲ってやる!だからお前が説明を——————っ!」

「いい加減にしろ!」


そう言ってブライドはムラキの肩を鷲掴みする。

その圧にいつもは生意気なムラキも動揺を隠せないでいる。


「お前が何者かは知らないが仮にも上に立つ立場ならもっとしっかりとしろ!王になったからには子供だからと言い訳を言えないんだよ!人々を導きまとめ上げろ、それが出来ないんだったら王をやめろ!」

「っ!?」

「これが今のトップの一人だと思うと残念だ。もしかするとこの街はもう既に滅んでるのかもしれないな」

「くっ!」


その瞬間、ムラキはそのまま走り出して行ってしまう。


「ムラキっ!」


ミノルの呼び止めにも耳を聞かずにそのまま建物を出て行ってしまった。


「さすがに言いすぎなんじゃないかしら。彼は確かに王だけどまだ子供なのよ」

「言っただろ王になったからには言い訳は通じないと。戦争ならそいつの判断で命を落とす可能性もある。まあその前は平和だったからそれが出来たんだろうけどな」

「確かにムラキは王としての覚悟が足りない。この窮地を脱する為には街の人々を導くものが必要だ。ガルアあいつがこの街を捨てるようならお前にその役を任せてもらうぞ」

「だけど俺はまだ取り戻せてない。今はまだ王を名乗れない」

「ちっとにかくあのバカを連れて来い。サラ、ガイ任せたぞ」

「えー俺達かよ!」

「仕方ないよ。一応あたいらは家臣だからね。ほら文句言ってないで行くよ」


ブーブーと文句を垂れているガイを引きずりながらサラが建物を出ようとした時、突然大きな揺れが発生した。


「っ!?何だ今の!」

「かつさん、どうやら門の方から聞こえました!」

「おいおい、まさか敵集か?」

「可能性はあり得る。エング行くぞ!」


そして俺達もすぐに建物へと飛び出して行った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ