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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第四章 地獄の一週間
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その七 裁判

「え……え……」


ここどこだ?


「ほら、いい加減目を覚ませ」


すると後ろにいたバケツを持った警備員に水を思いっきりかけられた。


「おわぁっ!つめた!」


先程まで暖かった体が急に冷えたおかげで、俺の意識が覚醒した。

改めて俺は周りを確認した。

大勢の観客、重装備を着た兵隊、謎の金持ちそうなおばさん、そして裁判長の風格をしたおじさん(木槌持ってるから多分本物)。

結構机とか裁判官が座るやつもデカくて本格的だしなんかここまでするなんて逆にすごいな。

そしていま俺がいる場所は時計台の下にある場所つまり。


「広場の中央か……」


何たってこんな所で裁判をやるんだ。


「被告人前へ」


すると裁判長が俺を睨みつけるように見てきた。


「え?おれ?」

「お前以外誰がいるんだ。ほら早く行け」


いつの間にか手錠がかけられている。

しかもなんかこの手錠いつもと少し違うような。

なんか妙にだるくなるというか。


「おい!被告人!早く前へ!」

「は、はい!」


何やってんだ俺は!

別に何もやらかしてないんだから前に行かなくてもいいだろ。

いや、逆に言うことを聞いて好感触を得て俺の話を聞いてくれるように頼むか。

て、裁判長に媚び売ってどーすんだよ!


「被告人は何の罪で捕まっているのか理解しているのか?」

「なんの罪を理解してるかっていうか俺何もしてないんですけど」

「と、言っておるが本当のところどうなんだ警察官殿」


裁判長が向いた先には眼鏡をかけてしっかりとした服装をした気難しそうな女警察官が居た。

あ、あいつは俺を連れ去った女警察官!?

最近見てないと思ったら、何してたんだ。


「この男には黒の魔法使いの手下の容疑があります」

「容疑って!?ていうか何で手下なんだよ!せめて幹部くらいにしろよ」

「静粛に!絶対かつ容疑者!私語は慎むように」

「ぐっ!」


クソなんなんだ。


「まだ納得してないようですね。裁判長!ここで証拠品を提出します」

「はぁ!?証拠品だって!?」

「よろしい。それでその証拠品というのは?」


いや何焦ってんだ俺、そんな物は存在しない、たんに俺を動揺させようとしてんだ。

そうだ、そうに違いない!


「先ずは証拠品1つ目はこれです」


すると長机の下から白くて長い紙を出してきた。

何だあの紙は?


「これは尋問の時に使った嘘発見器の中に入ってた紙です。この紙には嘘発見器で読み取った言葉をここに自動で書き留められておりその内容を見てみるとすでに罪を認めたような内容がありまして……よろしいですか」

「分かった。見せてみろ」


すると、女警察官は裁判長にその紙を渡しに行く。


「ちょっと待て!俺は尋問なんて」

「被告人に発言権はありませんよ!」

「っっ!」


どうなってんだ。

俺は尋問でそんな質問なんてされて無いし、第一使って何か……ちょっと待てよ。

そういえば一度使ったな。

もしかしてあのとき電源付けっぱだったのか。

もしかして内容を都合良く変えたのか!?

そんなの証拠になんて……ていうかあの紙取り出せたのかよ。


「………なるほど。たしかに罪を認めたような内容がありますな。これを証拠品として認めましょう」

「な!?」

「それでは証拠品2つ目を出します」


ま、まだあるのかよ!


「こちらです」


すると薄い紙に何やら絵が書かれた物を出した。


「もしかして写真か?」

「お?これを知っているとは中々の情報通か、屋敷に忍び込んで知ったかのどちらかだな」


な!何だこいつは!?

写真くらい知ってる……ってここは別世界だった。


「それは何だ?しゃしん?……とか言うものなのか」

「はい。これは景色の一部を切り取り紙に写すと言うものです。これはある景色を切り取ったものです」


すると観客が急に騒ぎ始めた。

何だ本当に見たことなかったのか。


「ほほう!興味深いものだな。それで何を写したのだ」

「これは事件の発端となった黒いウシの最後の写真です」


そこには跡形もなく消えていた黒いウシの姿が写されていた。


「ホントにそうなのか。私には血の飛び散りしか見えないが」

「それがこのウシの最後の姿です」

「確か黒いウシはかなりの強さを持っていると聞いていたが……まさかこれほどとは」


ちょっと待て、倒したのはたしかに俺だがとどめを刺したのは黒の魔法使いのやつとか言ったら余計怪しまれるよな。

ああ〜もう!だから事故って言ってきたのに、もう正直に話すしか。


「しかもこの男はレベル1の魔法使いです。それは魔法協会でも確認済みなので確かです」


やめろ、恥ずかしいことをバラすな。

そしてそれでザワザワするな。


「レベル1でこの威力の魔法を放てるとは」

「そうですそんな事はありえない。だけどそれができる奴らがいます!それは黒の魔法使い!奴らならやりかねません」

「「おおお!!」」


いやおおじゃないだろ!!

何で皆それで納得するんだ。

バカなのか?バカなんだな!


「分かった。それを証拠品として受理しよう」

「ありがとうございます。証拠品は以上です。それでは次は証人を呼んでいます」


まだあるのかよ。

ていうか証人って誰だ。

もしかしてミノルか!?

そういえば周りにも居ないし。


「それでは来てください。デビさん」

「デ、デビ!?何でここにいるんだ!?」

「あ、かつ。何か知らない間に連れてかれて」

「やはり知り合いだったか、実はこの幼い子はこの男に酷いいじめを受けたのだ!」

「な!?」


そんな事するわけ無いだろ俺を何だと思ってんだ。

………いや、したな、いじめというか確かに他の人から見たらいじめかもしれないけど。

てか今はそれ関係ないだろ!

たしかに俺はあいつを泣かしたでもそれとこれとは話が違うだろ。


「さ、あの時のことを話してごらん」


ヤバイこのままじゃ俺が無罪になって一生ロリコンそしてクズ男の称号が。

いやロリコンはまだしもクズ男の称号だけは避けたい。

いややっぱりロリコンも流石に…って俺は何と葛藤してんだ!


「おい!容疑者!不快な動きをするな!この子が怖がるだろう」

「被告人は大人しくしててください」

「……分かりました」


とりあえず早くあいつに口止めしなければ。

俺は手を使って口にチャックしろとデビに伝えた。

するとデビはこちらの動きに気付いたようすでじっと俺を見つめた。

そうだ、デビ!気付け!


「?」


キョトンとしてんじゃねえよ!

あのバカ!

するとやっと伝わったのか手をぽんと叩き警察官に向かって真っ直ぐな目で。


「私あの人に何もされてないわ」


少し話し方がぎこちないのはあっちの偉そうな喋り方しかしてこなかったからだな。


「ふふ、分かってるわ。脅されたのね、でも大丈夫あなたはもう自由よ」


そう言って目に涙を浮かべながらデビの頭を撫でた。

どうした、本人が否定してるのに何でそんな余裕そうなんだ。


「実はその現場に居合わせた一般人が居たんです。それがこの人達です」


するとまた新しい人が裁判に参加した。

ホントに一般人だな、知らない人だ。


「はい、私達見たんです。この人が子供相手に怒鳴り散らしているのを!」

「あれはほんとに酷かったです。子供が凄い泣いてて可愛そうでした」


まさか聞いてた人がいたなんて。

たしかにあれだけ大声出したらそりゃ気づくよな。


「だそうです。裁判長、私からは以上です」


みんなのざわざわが全て俺の罵倒に変わっていく。

まずいまずいまずい、このままじゃ俺ほんとに―――


「それでは判決を」

「意義あり!ちょっと待ってください」

「だからあなたには発言権がないと言ってるでしょ」

「だ、だったらいつ発言できるんだよ!」

「あなたはこの裁判では発言する事はできない」

「は?じゃあ弁護士は?」

「弁護士?何を言ってるんだ」


は?何だよそれ、意味分かんねぇよ。

こんなの裁判じゃないだろ。

罪人を陥れる為の見せしめじゃねぇか。


「それでは嘘発見器をここに」

「嘘発見器………は!」


まさか嘘発見器があるなんて、いやそれが普通か。

これはチャンスだ、ここで俺が真相を話せばすべて丸く収まる。

これで、すべて……


「それでは。いま―――――」

「俺はーーー!!」

「ぐぅお!?――――被告人!静粛に――――」


周りの人が俺に向かってくる。

残念だけど、もう遅い!


「黒い魔法使いの手下でも無いし、黒いウシを消した張本人でもなぁぁい!!」

「な!?」


その時、嘘発見器が緑のランプを灯した。

や――――


「やったぁぁぁ!!」


これで俺は自由だ!

その瞬間俺はある事が起きない事が気になり周りを見渡した。


「ど、どうしたんだ?何でこんなに静かなんだ」


おかしいここは皆が一斉にわぁっ!となるのかと思ったのに。

すると裁判長が木槌をガンと叩き。


「被告人言ったでしょ。あなたには発言権が無いのですよ」

「え……それって……」

「よって今のは証拠として含まれない」

「な!?」


その瞬間俺は見えない力があることに気づいた。

誰かが俺を殺そうとしている。

それに気付くのはそう遅くは無かった。


「は、はぁぁぁぁぁ!?ふ、ふざけんなよ!」

「おい!やつを取り押さえろ!」

「は!」


すると鎧を着た屈強な男2人組が近づいて来た。


「ふざけんな!くそ!離せ!」

「お、乱闘かやれ!やれ!」

「静粛に!静粛に!」


すると外野が面白がってみんな騒ぎ出した。

くそこれは見せもんじゃないぞ。


「このやろぉぉぉ!」


俺は必死に抵抗したが体格差で勝てる訳もなくあっけなく捕まった。


「くそぉぉ!くそぉぉぉ!」


おかしいこんなの絶対!

理不尽だ!

誰がこんな事を。


「全く、捕まえて正解でしたわ」


するとさっきからずっと席に座ってた金持ちそうなおばさんが喋りかけてきた。

誰だこの人ずっと居たけど。


「こんな汚らしい虫は早く殺してしまいなさい」


まさかこいつが。


「お前が俺を騙したのか」

「はて?何のことだか」


こいつ………許さねぇ。

1発ぶん殴らなきゃ気がすまない。

でも手錠で魔法が使えない。

いやインパクトで吹き飛ばせばいいか。


「今までの発言、証拠は全て正しい」


すると嘘発見器は緑色に光った。

なるほど嘘発見器も仕込み済みか。

おかしいと思ったんだよ、この世界に裁判何かあるのかって、全部俺を殺すために作られたってことか。


「これで、証拠は揃ったな。これより判決を言い渡す」


全部吹き飛ばしてやる。

俺は魔力を手に集中させただが―――

魔力が出てこない!?

そんな嘘だろもしかして手錠になにか仕掛けが。

すると木槌でガンと1回叩き。


「判決は―――――」

「嘘だろぉぉぉぉぉぉぉ!!」


その瞬間俺の異世界人生の扉がゆっくりととじ――――


「その裁判ちょっと待ったー!!」


その時、まるで時が止まったかのようにゆっくりと白い髪の女の人が俺の瞳に映り込んだ。



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