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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
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その六 消えたあいつとの再会

「こんながらくたの何処が希望の星なのよ。ていうか、動かないんだから壊れてるでしょ」


そう言ってピンカはその機械を数回叩く。

それを見たブライドが慌ててそれを止める。


「馬鹿野郎!これはガイスに勝つための重要な機械だ。丁寧に扱え、それと壊れて立って直せばいい。うちには優秀なエンジニアが居るからな」

「それは分かったけどよ、この機械は一体何なんだ。かつが研究所から持って来たんだから昔の研究者が作った物なんだろうけどさ」

「そうね、この機械の用途事態は大したことはないわ。なんせ魔石製造機ですもの」

「魔石製造機か、名前で聞いたところ便利そうなものではあるな。空になった魔石に再び魔力を注入できるという事か?」

「せいかーい!普通に考えればちょっと便利位だけど私達は別の目的でこれを探してたの」


するとクリシナは突然ポケットから欠片を取り出す。

それは美しい程の紫で輝いていた。


「魔石……」

「ツキノちゃん、半分正解で半分不正解ね。これはただの魔石じゃないわ。これは全ての魔石の原点、源魔石の欠片よ、いえーい!」


またもや一人だけテンションを上げて俺達だけは置いてかれる。


「そんな名前の魔石聞いたことがないな」

「それはそうだろう。源魔石は普通手に入れられない物だからな。というか手に入れる必要も無い物だ」

「すべての魔石の原点って言ったよな。それじゃあ、全ての魔石がその源魔石の一部ってことか?」

「実際には性質は異なるのよ。普通の魔石は一定量の魔力しか込められないけど、この源魔石は無限に魔力を込められるの。つまり魔石は源魔石から発せられたマナを吸い取った物よ」

「おいおい、それって俺達のマナの起原がその源魔石から来てるってことか」

「そう言う事になるな。つまりこの源魔石が無くなればこの島にマナが消え、マナを媒体とした魔力も溜められなくなり魔法が使えなくなるってことだ」

「ええ!?それってめちゃくちゃ重要なものじゃん!」

「何でそんな大事な物をお前らが持ってんだ?」

「ガルア、そんなの重要じゃないでしょ。何でその源魔石がこんなにちっこいのよ!」


たしかにピンカの言う通りこれが本当にマナの源ならばこんなに小さくても良いのか。

手のひらどころでない、指でつまめるくらいだ。


「本当はこれの何十倍もある大きさ何だけど、今はこんなにも小さくなってしまったの」

「欠片と言っただろ。現在確認されてる源魔石の欠片は八つだ。それを集めれば現魔石の本来の力を引き出せる。そして本来の源魔石を手に入れることが出来たらこの機械にその源魔石を装填させる」

「もしかしてこの島の全てのマナをその源魔石に注入するつもりか!」


ガルアの言葉にブライドは大きく頷いて答えて見せた。


「その通りだ、そしてその源魔石を使って一撃必殺の魔法をぶつける。さすがのガイスも耐えられるわけがない。当初はこれは数ある計画の一つに過ぎなかったが、現状ガイスは死に戻りの魔法で最盛期の体に戻ってる。魔法をぶつけるとしたらこれくらいの火力じゃなきゃ無理だ」

「ちょっと待ちなさいよ。そんな事したら島のマナが無くなっちゃうじゃない。それに源魔石がいくら容量の限界がないからってそんな莫大な魔力を保有したら壊れるんじゃないの」

「そもそもそんな魔力を扱える奴が居ないんじゃないのか?」

「確かにそれをすれば島のマナは無くなり源魔石もその負荷に耐えられずに壊れるだろう。だがこれは現状倒せる可能性の一つとして残しておく。それにその源魔石を使って戦い奴もまだ決められてないしな。今の所は俺が戦う事を考えてる」


この島のマナを全て使わないとガイスは殺せないのか。

それ程の強敵ってことだよな、本当にガイス殺せるのか。


「とにかくそれがこの機械の使い方と源魔石の説明よ。私達はこの源魔石と機械を探してたの」

「八つあるって言ってたが目星はあるのか?」

「しっかりとした目星は付けられていないの。源魔石は無意識かに大量の魔力を放出してるからそれを頼りに探してるけど、魔力の放出は他の者にも起こりうる現象だから必ずしもそうとは言えないわ」

「つまりは何処にあるかも分からないってことね」

「まっそうだな。とりあえずこの機械は一旦アジトに送るぞ。すぐに修理もさせたいしな、お前らは先に行っててもいいぞ。目的はキンメキラタウンだろ。場所は大体わかるしな」


そう言うとブライドは魔法陣を展開させてその機械事テレポートして行った。

そして残された俺達は互いに顔を見合う。


「それじゃあ俺達は先にキンメキラタウンに向かうか?」

「それが一番だろう。お前らの仲間もそこで待っているんだろ?」

「俺が言うのも何だが、ガルア様はあまりあいつらと接触しない方が良いんじゃないか?もしかしたら戦いになるかもしれない」

「もしそうなら受け入れるさ。俺は俺の身勝手でこんな事をした、仲間になるために精一杯謝罪をするつもりだ」

「何だか色々複雑な事情がありそうね。でも大丈夫、お姉さんがそう言った喧嘩を仲裁してあげるから」

「余計複雑になるからやめて。それよりもさっさとテレポートして——————」

「誰かいないのか!」


その時何処からか声が聞こえて来る。

しかもその声は聞いたことのある声だった。

それをいち早く察したピンカはすぐに城の外を出てその声の元へと向かっていく。


「ピンカ!ちょっと待って!」


敵の罠かもしれないのに一目散に行きやがって。

先に入って行ったピンカの後を追う様に俺達も城を出て行く。

そしてその不安は目の前の光景を見て一瞬で消えた。


「イナミ!」

「ピンカ!」


2人は強く抱きしめあっていた。

再びの再会を喜び合うようにして。



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