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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
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その四 取り残されたイナミ

シアラルス


「あいつら本気で俺の元から逃げるつもりか。未だに俺の力をよく理解してないらしいな」


ガイスは誰も居なくなった町を空から眺めてそんな事を呟いた。

ガイスの魔法によって近くの建物は倒壊し、城以外はほとんど壊滅状態にあった。

そのまま城の中に戻るとガイスはボロボロになった王の間にまだ残っていた椅子を立てそこにふんぞり返る。

そして指を鳴らすと二人の元王が現れた。


「「お呼びですか、ガイス様」」


2人の王はガイスの前で膝間突き首を垂れる。


「よく来たな、ミュウラ、カノエ。そっちの奴隷の状況はどうだ」

「はい、総勢百八人の半獣がこちらに忠誠を誓いました」

「同じく総勢百二十人の半獣が奴隷となりました。ですがまだ奴隷の印を付けていない半獣がちらほらみられます。恐らくゼット派の残党かと」

「そいつらは全員極刑対象だ。それと俺に盾突いたブライドどもも俺が直々に殺してやろうか」

「ガイス様自ら動かれるのですか。そうなったらあいつらもここまでですね」

「カノエ、全て俺が行動を起こすわけがないだろう。俺にもやるべきことがある。そうだな、まず最初の奴隷の命令はこうしろ。奴隷の印を持たない裏切り者を指名手配し、見つけ次第殺せとな!」

「「はっ!」」


するとガイスは2人の王の間を通り抜けていく。


「どこかに行かれるのですか?」

「ちょっと古い友人に会いに行く。それと人間はまだ生かしてある、そいつらを見つけ次第保護しろ。やり方はお前らに任せる」

「人間をですか?正直あいつらはもう必要ないでしょう。所詮は俺達半獣のれっか——————っ!?」


その瞬間、カノエの体が吹き飛び地面に体を思いっきりぶつける。


「俺の命令には素直に従え。それとも何か不満でもあるのか?」

「申し訳ありません、直ちに奴隷共に命令をする」

「そうだ、それでいいんだよ。テメエらも俺に取っちゃ駒の一つだと忘れんじゃねえぞ。じゃあ、後は任せた」

「お任せください、ガルア様!」

「必ずや期待に応えて見せます」

「っその前にゴミ掃除をしなきゃいけないみたいだな」


ガイスが何かの気配を察知すると一瞬にしてその場所へと瞬間移動する。


「くそ、離せミレイ!」

「ほとんどの侵入者を逃がしたけど貴様だけは逃がさん!」

「ミレイ、そいつは侵入者で良いんだよな」

「っ!ガイス!?」

(まずい、ガイスには会わずにこの場を去りたかったのに)


ガイスは苛立ちを隠せずにいてすでに殺気が駄々洩れていた。

それを見たミレイとイナミで恐怖で体が固まる。


「ガイス様、申し訳ありません。私の力が及ばず侵入者を取り逃がしてしまう」

「お前はもう下がっていろ。こいつは俺がやる。お前はまだ情報が行き届いていない村を周れ。そこにはもう種をまいてある。奴隷に出来る者はさせて出来ない奴は殺せ」

「っ!分かりました。ガイス様はどうするのですか」

「分かってんだろ、ストレス解消だよ」


そこも見えない魔力を目の前にしてイナミは死を悟った。

どうせ死ぬならとイナミは手に魔力を込める。

それに気づいたガイスは笑みを浮かべる。


「お前如きの魔法で俺が殺せると思ってるのか。諦めろ、俺に狙われた時点でお前の死は決まっている。随分と派手に暴れたもんだ、俺の城と知っていながらの行為だろうしこうなることも覚悟の上だろ」

「分かってる。上手く行かなきゃ死ぬ覚悟は出来てた。皆が脱出できただけで十分だ」

「仲間思いだな、だが死期が長引いただけであいつらは俺によって殺される。この島で俺に叶う奴は現時点では存在しない。いや、全盛期に戻った俺はあのガイスすらも超えた!ガイスと戦えないのは残念だが息子らしき人物がこの島に居るという可能性が出てきた」

「ガイスの息子?そんなの居るわけがない、だってガイスはもうこの世界には居ないんだから」

「そんな事は初めから知っている。だが可能性はある。まずはそいつを捕まえ、情報を吐き出させよう。そして最もむごたらしい死を与える!あいつの代わりにな!」


悪魔のような笑い声が城中に響き渡る。


「もう一つの鏡世界!」


そしてイナミはその隙を狙ってオリジナル魔法を展開する。

そしてすぐさまその鏡の中にイナミは入る。


「まだそんな体力が残ってたのか。そのむごたらしさに免じて一撃で終わらせてやろう。ロックロールガン」

「っ!あああっ!」


無数の岩の弾丸が鏡の世界を貫通してイナミに直撃する。

そしてイナミは鏡の世界から飛び出しそのまま床にうずくまる。


「このままお前を殺すのは造作もない事だが、お前の一つ提案をしよう。俺の仲間となれ」

「っ!断る!!」

「まあそうだろうな。ここまで来て自らの命惜しさに仲間になる奴は居ない。だが、これでもお前はそう言えるのか?」

「っ脅す気か?それとも皆を人実に取るつもりか。どっちにしろ俺は仲間にならないぞ。あいつらはお前なんかには絶対に負けない!俺はあいつらの勝利を信じてる!」


イナミの覚悟を感じ取りガイスは呆れたような表情を見せる。


「馬鹿に何を言っても無駄という事か。それならもう話すことはない」

「っ!」

「と、言いたいところだがお前に会わせたい奴が居る。もしかしたらその意見も変わるかもしれないぞ」

「っ!?ど、どうして!」



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