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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十一章 八つの源魔石の行方
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その三 インパクトの証明

「革命家?」

「ああ、そうだ。俺達はこの島を変える革命家だ」


その言葉をブライドは自信満々に言い放つ。

するとメメは呆れたような視線をブライドにぶつける。


「そんな団体名、聞いたこと無いんだけど」

「いつものブライドの癖だな。勝手に物事を進めたがる」

「ふふっでもそこがブライドの良いところじゃないかしら」

「何だお前ら文句があるのなら聞いてやるぞ。革命家は俺達にぴったりだろうが」

「革命家は少し美化しすぎなんじゃないかな。博士達はさしづめエゴイスト集団だろうね」

「俺達の何処がエゴイストなんだよ!ゼット師匠の意思を継いで俺達はこの島の為に頑張って来ただろ」

「そもそもゼットさんは俺達に生きろと言っただけでここまでしろとは言われてない」

「何だお前ら!そのやる気のなさは!ゼット師匠が今のお前らを見たら悲しむぞ」

「まあまあ、良いじゃない。こういうのが私達らしくて」

「ちょっと何無視してんのよ!」


その瞬間、痺れを切らしたピンカが大声を上げて怒りの形相でブライドたちに向かっていく。


「あんたらの無駄なお喋りに付き合っている暇はないの!良いから本題に入りなさいよ!」

「分かったよピンカ、そんなに怖い顔しないで。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ」

「うるさいわね。元々こんな顔よ」

「そんなバカな。まあ、とりあえずこれが俺達の仲間だ。そしてこの絶対かつとガルアその他大勢がこれから俺達と協力することになったからよろしくな」

「聞いてないなあ、そんなの。こいつらどう見ても博士よりも弱いじゃないか。命を預けるのには戦力が足りないんじゃないかな」

「ちょっと待ちなさいよ!何で私達がその他大勢に含まれてるの!」

「ピンカ、これ以上話をややこしくするな。ここは大人しくしてろ」


ハイトがピンカを何とかなだめる。

ピンカは相変わらず騒がしいな。


「だが元王が来ているのには驚いた。ブライド、お前らは奴隷の印の調査と現状の確認をしに行ったんじゃないのか」

「ちょっと色々あってね。こいつらと共にガイスを殺すことにした。それにこいつらは信用が出来る連中だ。なんせ絶対かつはゼット師匠の息子だからな」

「「ゼット師匠の息子!?」」


俺はブライドに肩を掴まれそのままメメたちの目の前に出される。


「ど、どうも」


するとメメが興味深そうにこちらに近寄って来る。

だが身長がちっこいため俺が見下ろしている形になるが。


「へえ、君があのゼットさんのご子息か。何とも冴えない顔をしているね。よし、よろしくってなるか!どう考えてもおかしいだろ!博士はそんな言葉に騙されないぞ!」

「まあ信じられねえのも無理はない。正直俺も最初は信じられなかったが、確かな証拠がある。かつはゼット師匠のオリジナル魔法、インパクトを覚えている」

「っ!確かにそれが事実なら信じざる負えないな」

「なるほどなるほど、たしかにそれは確固たる証明だね。だが言葉だけじゃ意味がない、博士の言いたいこと分かるよね、絶対かつ君」


つまりこれはインパクトを実際に発動して見せろと言いたいのか。


「わかった、でもこんな所で出したらアジトが吹き飛ぶかもしれないぞ」

「大丈夫だ、アジトは頑丈に出来ている。そしてインパクトは全て俺が受けよう」


そう言うとデュラは上半身の服を脱いで俺の目の前に立つ。

まさか本気で受け止めるつもりなのか。


「いいのか?かなり強いぞ」

「変態に手加減何て不要だよ。自ら上半身になって攻撃してくれって懇願するくらいだしね。それに体は頑丈だから安心して」

「それはデュラが言うセリフじゃないのか」

「メメの言う通りだ。俺に情けは不要だ。全力で撃って来い」


デュラは一切引く気はなく受け止める姿勢を取る。


「本気でやっていいんだな」

「ああ、来てみろ」


やるしかないみたいだな、でも確かにこの人は強い。

あの言葉の力強さと今の堂々たる立ち振舞えからして本気で受け止めるつもりだ。

それなら逆に中途半端な威力じゃ失礼だ。

やるなら全力で!

俺は右手に魔力を込める、そしてそのままデュラに向かってその右手を突き付ける。


「インパクト!」


全力の一撃をデュラの体にぶつける。

今、何もしなかった!?

魔法で防ぐとも思ったが何もせずにただ生身で受け止めたのか。

俺は恐る恐るデュラの方を見る。

するとデュラは平然とした顔で体に付けた俺の手を手に取りそして握手を交わす。


「絶対かつ、お前を本物だと認めよう」

「へ?あ、ありがとうていうか体大丈夫なのか?」

「安心しろ、これくらいの威力なら大したことはない」


そう言ってデュラは衝撃を当てられた腹を軽く撫でるとそのまま上着を着直す。

マジで全然効かなかったのかよ。

それはそれでショックなんだけど。


「まあその魔法を覚えてる時点で信じるしかないみたいだね。それにしても驚いた、博士もびっくりだよ」

「それじゃあ、お前らもこいつらと協力することに反対はないよな」


その言葉にデュラとメメは頷いた。


「やっと話が終わったみたいだな。それじゃあようやく作戦会議を始められるな」

「ちょっとガルア何仕切り始めてんのよ。というか私達の仲間はまだ他にも居るの。それにイナミが帰ってるかどうかも気になるし」

「つまりピンカは他の皆の元に帰りたいという事——————いたっ!何するんだお前!」

「うっさいわよ、ハイト!調子に乗るな!」

「確かにお前らの仲間がどんなもんか確認はしておきたい。メメ、デュラ留守番は任せたぞ。クリシナ、行くぞ」

「はーい」

「それじゃあ、早速カルシナシティに戻るか。ピンカ、テレポートは任せたぞ」

「言われなくてもやるわよ。ほら、さっさと集まりなさい」


俺達はピンカが展開して魔法陣の上に乗る。


「それじゃあ行くわよ!テレポート!」


そして俺達はカルシナシティに戻って行った。

だがそこはすでにガイスによって滅ぼされていた。



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