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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十章 決行!ガイス暗殺計画
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その十九 ガイス暗殺計画の結末

「これで終わったのか……はあ、正直死にかと思ったわ」

「何で……ガルア……かつ助けた?」


ツキノは先程のガルアの言動と行動が嚙み合っていないのを見て首をかしげる。


「騙して悪かったなツキノ。こうでもしなければお父様を騙せないと思ったんだ」

「まさか……かつ……知ってた?」

「いや、最初は驚いたよ。ずっと待ってたあいつがガイスを庇ってるんだもんな。まあでもその後の行動を見て何となく察したよ。後はガルアを信じた結果さ」

「かつもすまなかったな。これはほとんど思い付きでやったことで上手く行くかは不安だった。それにもしお前にこうすることを事前に伝えてれば本気で撃てなくなると思ってな」

「ああ、あれはマジの一撃だったからガルア死んだかと思ったよ。ていうか大丈夫なのか?すぐに回復のポーションとか飲んだ方が良いんじゃ」


いくら騙したとはいえ攻撃を受けたのは事実だ。

ガルアだってかなりの重傷のはずだ。

現に今もインパクトが当たった腹を抑えている。


「痛みはあるがすぐに回復のポーションを飲み程じゃない。それよりも先ずはこの事実を島の皆に……ん?」


その時ガイスの周りに魔法陣が展開される。


「な、何だこれ!?っ!」


それと同時に突如壁が破壊され、大勢の人が部屋になだれ込んでくる。

そこには何故かブライドやピンクの髪の女、さらにハイトやピンカの姿があった。


「な!?何でお前らがこんな所に居るんだよ!」

「ばか!何してる、さっさと殺せ!」


そう言いながらブライドは魔法陣を展開させる。


「何言ってんだ、ガイスはもう俺達が殺した」

「その魔法陣を見ろ!死に戻りだ!」


死に戻り、それって確かミノルもかけられていた生き返る魔法だったか。

ちょっと待てよ、それってえ、まさかガイスは死んでない。

その結論に至った瞬間、ブライドとピンクの髪の女は強烈な一撃を倒れているガイスにぶつける。

その衝撃により部屋が半分吹き飛んだ。

煙が舞い、視界が見えにくくなっているのか確かに俺は見た。

血だまりの中に居たはずのガイスが消えていたのを。


「はははっははははは!愉快だな!本当に愉快だ!まさかこれほど上手く行くとは思わなかったぞ!」


そいつは先程までの死にざまとはうって変わって活力にがみなぎっていた。

死んだはずの男が蘇った。


「畳みかけろ!ここで逃がしたらもう後はないぞ!」

「シンラ様の恨み!ここで晴らしてやるわよ!」

「レベル魔法ファイヤーバーニング」


ガイスが出現させた魔法はまるで太陽のような熱球体を形成しすべてを燃やし尽くす勢いでこちらに突っ込んで来た。


「まずい!クリシナ!」

「分かったわ!ネオウィンド!」


その強烈な風圧に近くにいた人達はそのまま吹き飛ばされる。

そしてブライドだけがその魔法に対峙していた。


「レベル魔法!ウォーターブレイクトレント!」


二つの魔法が衝突したことで一瞬にして周りが光に包まれた。

その衝撃でさらに俺達は吹き飛ばされる。

そして静まり返った部屋を覗き込むとそこには血塗れで立っているブライドの姿があった。


「ブライド!!」

「くそ……まさかこうなるとはな。油断してたぜ……」

「何なんだよこれ、どういうことだよ!」

「ありがとう!お前らのおかげで俺は全盛期に戻ることが出来た!お礼としてこの場で殺してやるよ!」


全盛期に戻った?

何が起こったんだよ、終わったんじゃなかったのか。

それなのに気が付いたらガイスが復活しててブライドが死にそうになっててこんな事ってあるのかよ。

助けなきゃ、俺のせいでこうなったんだ。

今すぐに助けないと。


「っ駄目よ!行っちゃ駄目!」

「ガイスー!!」

「ん?ああ、そう言えばお前にも聞きたい事が合った。お前のそのインパクトの魔法何処で手に入れた」

「そんなの教える訳ねえだろうが!喰らいやがれ、インパクト!」


全力を込めた一撃をガイスにぶつける。

無防備でこの一撃を喰らえばさすがのガイスもかなりのダメージが入るはずだ。


「教えないのならそれで構わない。どうせお前はあいつの足元にも及ばない」

「っ!無傷……うぐっ!?」


その瞬間、俺はガイスに首を掴まれ一気に首を絞められる。

お、折られる、死ぬ……


「フリージアイスアロー!」


何処からともなく飛ばされた氷の矢がガイスの腕に触れた瞬間、ガイスの腕を凍らせる。

それにより力が緩んで俺は何とか腕を振りほどきその場から離れる。


「女よ、最初に死にたいか」

「高圧的な男は嫌われるわよ。まあ、私は最初から嫌いだけどね」

「直ぐにこの場から撤退する!皆俺の元に集まれ!」


ブライドはそう言うとすぐにテレポートの準備を始める。

俺達はブライドの言う通りにブライドの元へと走る。


「ガルア!早く行くぞ!」

「あ、ああ……」

「逃げられると思うのか。今からここに居る奴らは俺の敵だ!」


そう宣言するとガイスは再び魔法陣を展開する。

これが直撃すれば一瞬で消し飛ぶだろう。


「ピンカ、何してるの!早く来ないと死んじゃうわよ」

「でもまだあいつが!」

「死ね!」

「こっち来いピンカ、逃げるぞ!」

「待って!イナミを待たないと——————」


まずい、このままじゃ間に合わない。

その時懐にある物が入っているのが気が付いた。

そうだ、これがあれば時間を稼げる!


「皆伏せてろ!魔剣水式!水面水飛沫!」


俺は見様見真似で懐から剣を取り出し水の剣を振りまわす。


「何処を狙っている!」

「天井だよ!」


大きく刻まれた天井が崩れガイスの元に襲い掛かる。

それにより魔法陣の発動が遅れる。


「今だ!ブライド!」

「テレポート!」


こうして俺達の計画は最悪な形で失敗に終わった。



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