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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十章 決行!ガイス暗殺計画
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その十四 ハイトと奴隷の人々

「夢から覚める魔法?」

「ああ、とっておきのな。だがそれには奴が必要なんだけど、もしかしたらもう逃げてる可能性もあるな」

「奴って誰の事よ」

「それは……っ!クリシナ」

「分かったわ」


ブライドは何かに気付くとすぐさまクリシナに指示を出し、クリシナはその意思をくみ取るとピンカとイナミの手を取り壁際に誘導する。


「ちょっいきなり何すうぐっ!」

「しー駄目ようるさくしちゃ」


クリシナはピンカの口に人差し指を添えるとブライドの方を指差す。

ブライドは警戒した顔をして階段の方に視線を向ける。

イナミはブライドの様子を見て察したのかピンカの様に叫ばずに黙ってそちらの方を見る。

一時静寂が辺りを包むがそれは次の瞬間に消えて行った。


「っ!」


ブライドが階段を降りる音を聞きクリシナに視線を送る。

敵が来たと判断したのかクリシナも警戒心を見せいつでも魔法を放てる準備を進める。

そして階段を降りる音以外にも誰かの声が聞こえて来る。


「ちんたらするな早く歩け」

「そんなに押さないでくださいよ。牢獄に居たので運動不足なんですから」


声が聞こえてきたことでブライドは扉から耳を澄ませて相手の会話を聞く。

ブライド以外は扉から距離を取っている為正確な内容を聞くことは出来なかった。


「知らねえな、そもそも牢獄に入るようなことをしたお前が悪い」

「グフフフっ私は商売をしただけですよ。お客様とも良好な関係を続けられていたというのにあのガキが余計なことを」

「私語を慎め、分かってるだろうな。お前がしていたことを正直に話すんだぞ」

「分かっていますとも、今の私はただの無力なおじさんだというのにもう少し優しく扱えない物ですかね」

「罪人に優しくする必要はない。っ!止まれ」


扉の前の人物が何かを察したのに気付き、ブライドは迎撃態勢に入る。

だがブライドは先程よりも警戒心を高めるわけでは無かった。

それは会話の内容からしてこれから来る人達が味方、そして必要な人物両方が来ると直感したからだ。

そして扉が開いた次の瞬間、お互い魔法陣を展開する。

だがその魔法陣は魔法を放つことなくお互いの目の前で止まった。


「っ!お前はまさかブライド!?」

「ん?おーたしかあの時いた裏切り者か」

「俺は裏切り者じゃねえって、今はかつの計画に協力してんだ。それより、どうしてブライドがここに居るんだ」

「ねえ、ブライドお友達?私たちにも紹介してくれるかしら」

「ああ、こいつはかつの仲間のハイトだっけか」

「そうだ、覚えてなかったのか?ていうか何でお前らもここに居るんだ」


ハイトはピンカとイナミの元に向かう。

ピンカとイナミもハイトが来るとは思っていなかった為少し驚きつつも平静を保とうとピンカは強気に出る。


「別にいいでしょ、私達がどこに居たって」

「良いわけないだろ!作戦にちゃんと従え、お前らの行動で作戦が失敗するかもしれないんだぞ」

「これはサザミの指示何だよ!」


イナミは突然そんなことを言い出し、ハイトは疑問の眼差しを向ける。


「サザミ?あいつがお前らにここに行くように指示したのか?」

「うん、そうだよ。ねっピンカ、俺達サザミの指示でここに来たんだよね」

「っそ、そうよ。サザミの指示よ、何か文句あんの?」

「にわかには信じがたいがイナミが嘘を付くとは思えないしな。それなら構わないな」

「ちょっと何でイナミだと信じられるわけ」

「まあまあ、ピンカ。誤解も解けたんだしさ」

「こんにちは」


するとクリシナが突然ハイトの隣に立ち顔をのぞかせる。


「っ!誰だ!」

「あら、驚かせちゃったかしら。ごめんなさいね、私だけのけ者にされて寂しかったのよ。だって私以外みーんなあなたと友達なんですもの」

「えっと……誰だお前?」

「おいクリシナ、あんまりあいつをいじめるなよ。ほら、お前がいきなり話しかけるから驚いてるじゃねえか」

「あーそれはごめんなさい。驚かせるつもりはなかったのよ」

「おい、ピンカあいつ何者だ?ブライドと仲間ってことは相当やばい奴だろ」

「私に聞くんじゃないわよ。ていうかあんたブライドと知り合いなの?」

「まあ、ちょっとな」

「皆さん私の事をお忘れではないですかね」


床に倒れている男が耐え切れなくなったのか声を出す。

それを聞いて思い出したかのようにハイトはその男の元に向かいしゃがみ込む。


「そうだった。俺はこんな所でくっちゃべってる暇はないんだ。なあ、俺はこれからここにいる人達を解放したいんだがもしよかったら協力してくれないか」

「もちろんだ。ちょうど俺達もここに居る奴らを解放する為に来たところだ。それで背中に乗せているその袋は何だ?」

「これか?こいつの部屋に合った奴隷印の残り物だよ。何かに使えると思ってな」


そう言ってハイトは背中にかけていた袋を下ろして中身をみんなに見せる。

その中にはハイトが言ったように大量の奴隷印が入っていた。


「完璧だな。これで魔法が揃った」

「魔法?何の話だ」

「何かブライドが思いついてるみたいよ。この人達を解放する方法を」

「そうなのか?」

「当たり前だろ。それじゃあ何のためにここに来たのか分からないし、ていうかお前がここに居るってことはかつはガイスの所か?」

「ああ、かつ達も計画を立てている。実行はここにいる人達の解放だ」


その言葉を聞いてブライドは計画の内容を大方理解した。


「なるほどな、中々面白い作戦を考える。混乱に乗じてやるつもりか。だがそうなるとこちらも責任重大だな。お前らも協力してくれるよな?」


そう言ってブライドはピンカとイナミの方を振り向く。


「これは私の為よ、あんた達の為じゃないから。ガイスを殺すためにもやれることは全部やるつもり」

「俺も最善を尽くしてやり遂げるよ!」

「良い顔だ、よし早速始めるか。今日この日、悪夢を終わらせるぞ」

「「「「おおっ!!!!」」」」



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