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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十章 決行!ガイス暗殺計画
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その八 ガルアの勧誘

「お父様の計画を潰す……」

「ああ、そうだ。お前だってガイスの計画には納得いってないんだろ?」

「そのためにハイトは戻って来たのか?」

「はい、騙してしまってすみません」


その言葉を聞いてガルアは少し考え込む。

必ずしも否定的ではないはずだ。

さっきの衝撃音や出て行く時の捨て台詞を聞くに今でも何度か衝突が合ったに違いない。


「ツキノお前も来ているってことはかつと共にお父様を共に来たってことか」

「うん……私の正義は……ここだから」

「なるほど、自分で選んだ道か。俺は一体何をしたいんだろうな」

「ガルア?」


ガルアは今思い詰めているのか。

自分のしていることに迷いがある。

そんな雰囲気が感じられる。


「計画を止めたいのなら勝手にしろ。だけど俺はそれに賛同する事も協力することも出来ない」

「ガルア!」

「すまないな、かつ。俺は自分の意思で動くことが出来ないんだ。見なかったことにはしてやる、だからやるならお前らだけでやるんだ」

「ガルア様……」

「それでいいのかよ。お前がそれで納得できるのかよ!ガルア!」

「お前には分からないだろうな。これは俺の問題だ」


そう突き放し、ガルアは部屋から出ようとする。

俺はすぐにガルアの腕を掴んで何とか引き留める。


「ちょっと待てよ!何か悩んでるのなら話してくれよ!俺達友達だろ?」

「っ!それでも俺はお前に話す事なんて—————」

「ラミアと何か関係があるのか?」

「っ!?お前何でそれを……いや何でもない」

「隠すなよ、明らかに様子がおかしいのは会った時から分かってた。ラミアに何が合ったんだよ」


俺の言葉に反応してガルアの表情が暗くなる。

やっぱりよくないことがあいつの身に起きてるのか。


「ラミアとガイスは何か関係があるのか?だから歯向かえずにいるのか。もしそうだとしたら」

「余計なことをするな!」


俺の手を振り払いガルアは大声でその言葉を否定した。


「ガルア……どうしてだよ。俺じゃ力不足か?」

「そうだ、お前じゃどうしようも出来ないんだ。お父様しかこの問題は解決できない」

「本当にそうなのか?もしそうだとしてもガイスが約束を守るような奴には見えないけど」

「分かってる。裏切られるかもしれない、散々利用して捨てられる可能性だってある」

「実の息子でもそうなる可能性があるんですか?」

「もしかしたら俺もただの駒の一つに過ぎないのかもしれない。ここ数日お父様と一緒にいた感想がこれさ。だけどやるしかなかった、そうしなければ俺がここに居る意味がなかったからだ」

「ガルア、そんな事はない。お前はお前だ、自分の意思で選んでいいはずだ。父親に操られ続けていいのか?本当に守りたかったものを守りたいんじゃないのか?もしお前が自分の意思で生きたいんだって言うなら俺はいくらでも力を貸すぞ」

「かつ……お前は本当に」


するとガルアは先程よりも落ち着いた表情になりそのまま俺の方をまっすぐと見る。


「ラミアは母親によって連れ攫われてしまった」

「母親?どうして!」

「元々お母さまは俺達の事などどうでもよかった。自分が強くなることしか考えてない、お父様よりも貪欲だった。その為当時最強だったお父様の命を奪おうとして戦いを挑んだが会えなく敗北。その結果二度と歯向かえないように魔力を吸収する装置に入れられ、永遠の眠りにつかされていた。だけどそれも長くは続かない。だからこそお父様を早く復活させてお母様を止めてもらおうとしたんだ」

「そうか、でもその結果ガイスはその母親を止めることなくラミアが連れていかれたと」

「おそらく魔力を回復する為の養分として連れていかれたのだろう。ラミアは他の人よりも体内の魔力が多いからな」

「それでまだ居場所を掴めてないのか」

「いや、居場所はもう掴んだ。だけど、お母さまは恐ろしく強い。俺が言った所で返り討ちにされるだけだ」

「そんなに強いのか。だからこそガルアはガイスに頼むしかなかった」

「ああ、それしかラミアを助ける方法はない。だからこそいち早くお父様にはラミアの救出に向かって欲しいんだけど、上手い事かわされ後回しにされてしまっている」


そう言う経緯があったのか。

ガルアがガイスに頼むしかないのもそれを止められる力が自分にはなかったから。

辛いだろうな、今すぐにでも助けに行きたいだろうにガイスに従うしかない状況だからこそすぐに動けないんだ。


「だったら俺が助けてやる」

「え?」

「いや、俺達がラミアを助ける。そうすればガイスに従うことも無くすぐに助けに行けるだろ?」

「確かにそうだけど、いくらなんでもそれは」

「大丈夫だよ!皆が集まればどんな奴にも勝てる、そうだろ皆!」

「ああ、俺だってガルア様の役に立ちたいと思っている。こんな俺を側に置いてくれた恩、返させてください」

「私も……かつが行くなら……」

「な?お前はもう一人じゃないんだ。だからもう悩むなよ」

「お前って奴は本当にお人よしだな。こんな俺なんかを友達何て呼ぶ奴はいないぞ」


そう言ってガルアはこちらに手を向けて来る。

っこれはチャンスだ。


「その計画、俺も参加させてもらうよ。よろしくな、かつ」

「ああ、よろしくなガルア!」


そう言って俺は力強くガルアの手を握りしめた。


「ほら、ツキノも。これから仲間になるんだからさ」

「う、うん……」


俺はツキノとガルアが握手する流れに誘導する。

よし、この自然な流れでの握手なら疑われることも無く作ることが出来る。

後はハイトが壁となって分身の姿を見られないようにうまくやれば。

俺はハイトの方に視線を送る、それを感じ取ったハイトは頷き体制を変えて分身を隠す準備をする。

ガルアには悪いけど、暗殺の計画を話すわけには行かない。

そしてツキノはガルアの方に手を差し出す。

そしてガルアはその手を握った。


「よろしく……」


よし、これで作れるぞ。


「ねえツキノ、どうして魔法を使ってるの」

「っ!?ガルア何言って」

「俺がそんな事気付かないと思ってたか」


そう言ってガルアはその手を振り払った。

そしてこちらに魔法陣を向ける。


「俺に嘘を付いてるな、かつ。理由によってはお前を殺すぞ」


そう言ってガルアはこちらを鋭い目で睨みつけてきた。




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