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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第二十章 決行!ガイス暗殺計画
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その二 ピンカの仕事

「泣き止んだか」


しばらくイナミの胸の中で泣いていたピンカに向かって言う。


「泣いてないわよ」


そう言いながらもピンカは赤く腫れた目を擦る。

泣いていたとしても挑発的な態度が変わらない為サザミは鼻で笑った。


「ふっそんな風に目を腫らしている奴が言う言葉じゃないけどな。まさかお前らにそんな過去があるとは思いもしなかった。確かに亡くなってからその事実に気付けば後悔もあるだろう。だがそれでもお前らの勝手な行動を許すわけには行かない」

「分かってるわよ、そんな事。だから勝手に行かせてもらうわよ。行くわよイナミ」

「え、ちょっと……」


ピンカはイナミの手を取ってすぐさまその場から離れようとする。


「ちょっと待て!だからお前らが行った所で殺されるのがオチだ!」

「そんなのやって見なくちゃ分かんないでしょ」

「俺を倒せない奴がガイスを殺せるわけないだろ」

「いつ私があんたを殺せないって言ったのかしらー!」

「まあまあ、落ち着けよ」


再び魔法同士の衝突が起きそうになるすかさずエングが間に入る。

それにより何とか両者落ち着くことが出来た。


「とにかく、私は行くからね!」

「おい!落ち着けって言ってるだろ。分かった、仕方ないからお前らには仕事をやる」

「仕事なんかしてる暇——————」

「良いから聞け、お前らには城の周辺が今どうなっているのか見てきて欲しい。何か異常があったらすぐに俺に知らせろ。いいか、必ず戻って来るんだぞ」

「私がそんな事をするとでも?」

「俺は仕事を与えただけだ。頼んだぞ」


サザミはそう言ってピンカにすぐに行くようにジェスチャーする。

それを見てピンカは舌打ちをしてイナミの手を取る。


「行くわよ」

「うん……」


ピンカは半ば強引にイナミを連れて行ってしまった。

それを見届けるとサザミは安心したように息を吐く。

それを見てエングはニヤリと笑みを浮かべる。


「なんだかんだ言って同情してんじぇねえかよ」

「何のことだ。俺はただ仕事を任せただけだ。行くぞ、俺達は身を隠さなければならない。少々騒ぎ過ぎたからな」


サザミはそう思いその場から去ろうとした時路地裏の奥へと進む影が見えた。


「エング、見られた」

「っそれはまずいな」


そう呟いて二人はすぐさまその影を追いかけて行った。

そしてサザミに仕事を任されたピンカとイナミは城へと向かっていた。


「ねえ、姉ちゃんいつまで手つないでるの」

「っ早くそれを言いなさいよ」


ピンカはずっと手を繋いでいるのに今頃気付いたのかすぐさまイナミから手を離す。


「それにしても案外いい人かもね、サザミって。俺達の為に仕事を任せてくれるなんて」

「何処がよ、ただ単に私達が気に食わなかったから頼んだんでしょ。でも好都合だわ、城の近辺を見て来いって言うんだから堂々と城に行けるわよね。そこで城の中に入っても私達の行動は何一つ見れないからバレることも無いわ。それに気づかずにこんな仕事を頼むなんて、やっぱりサザミはバカね」

「いや、それが狙いってのが何で気づかないのかなあ」

「何?」

「何でもない」


ピンカの鋭い目つきを感じ取りイナミはすぐさま視線を外した。


「ていうかイナミ、私の事お姉ちゃんとどさくさに紛れて呼んだわよね」

「え?あーそうだね、つい」

「他の人がいる前ではそう呼ばないでって言ったわよね。今度そう言ったらぶん殴るからね」

「ごめん姉ちゃん」

「また言ったわね!頭こっちに向けなさい!」

「でもピンカも僕の服涙でぐちゃぐちゃにしたよね」


そう言ってイナミはピンカの涙で濡れた服を引っ張って強調させる。

それを見てピンカの顔が真っ赤に染まる。


「——————っ!ま、まあ今日の所は許してやるわ。そんなことより!早くしないとあいつらに先越されるわよ!」

「分かったからそんなに引っ張らないでよ!」


2人はガイスを殺すために城へと急いで向かって行った。



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