プロローグ 決行の日
「いよいよ、作戦決行の日だ。これから最終確認を行う」
俺達はいつも通り作戦会議室に集まって今日の計画の最終確認を始める。
「先ずはハイト、かつ、ツキノで城の中に侵入する。そのルートはお前ら事前に考えているのか?」
「秘密の抜け道があるんだ。そこを通って城の中に行く。恐らく今は町の奴らも城の中に居ると思う約束の期限は今日までだからな。その抜け道の警備は俺がしていた、もし居たとしても警備ルートは熟知している」
「分かった、侵入経路はそれで任せる。ガルアとの接触方法は?」
「それは俺がやるよ」
「具体的な話の内容は?」
「それはガルアの雰囲気を見て決める。大丈夫だ、へまはしない。とりあえず握手をする流れになればいいんだろ」
正直言うと会話の内容は定まっていない。
ガルアと会って偽物の俺と握手をするための流れを作るって正直言うと無謀すぎる。
だけど、やるしかない事だけは分かってる。
「まあいい、失敗だけはするなよ。それでガイスを暗殺するやり方はどういったものにするんだ」
サザミは俺達にではなくツキノだけを見てその質問をする。
自分が求められているのを察したのかツキノはゆっくりと口を開く。
「分身の……手に毒を付けて……殺す……駄目だったら……かける」
「分身に毒を付けても影響は出ないのか?」
「それはあたいが協力して検証したよ」
そう言うとサラはポケットに入れていた液体が入った瓶を取り出す。
「これは本命の毒よりかは弱いけど、人体に影響が出るほどには強力な毒でね。ツキノが作った分身の手に付けて見たけど変色することも形が崩れることも無かったよ。恐らくツキノの分身は魔力で形成されてるからだろうね」
「なるほど、検証がされているのならそれでいい。それでガイスを暗殺できれば作戦完了だ。だがもし、ガイスを暗殺できなかった場合先ずは自分の命を最優先にして即刻城から退出しろ。脱出ルートは俺達が作っておく」
「おう、俺とサザミとピンカとイナミが近くで待機してるからよ。脱出は任せておけ!」
「元々は俺とサザミだけだったんだが、こいつらがどうしても行きたいっていうからな」
「お留守番なんてまっぴらごめんよ。それに何が起きるか分からないしね。戦う事もあるかも、そうでしょ?」
「そうだとしても戦うのは駄目だよ。全員ならともかくこの人数じゃ勝ち目はないって」
「うっさいわね、イナミ。とにかく、私達も行くから」
ピンカのわがままは相変わらずだが、もしものことを想定すると居てくれた方が助かるのたしかだな。
「シアラルスまで行く道はいつも俺が言っているやり方で向かう。早速向かうが覚悟は出来ているか?」
その言葉に俺達は頷いた。
「頑張ってねかつ!絶対に帰って来るんだよ」
「ああ、大丈夫だ。必ず成功してみせるよ」
「ここの事なら俺達に任せて、何か合ってもきちんと対処するからさ」
「ちぇっ俺も行きたかったのにな」
「それを言うなら妾も行きたかったのじゃ」
「おっお前もか!気が合うな!」
そう言ってデビとガイ何故か意気投合する。
あいつらが仲良くなったらなんか嫌な予感がするな。
「とにかくここの事は任せたぞ、それじゃあ作戦を決行する!お前ら、覚悟を決めろよ!」
そう言った瞬間、魔法陣が展開される。
「テレポート!」
そして目の前が光り輝いた。




