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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十九章 失われた王と引き継がれし遺志
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その四十二 ピンカ吠える

「みんなーかつが帰って来たよ!」


マイトは妙に元気よく扉を開けて中に入って行く。

それに着いて行くように僕も中に入って行く。

その瞬間、突然誰かに思いっきり蹴飛ばされてしまい思わず地面に倒れる。

さらに追い打ちを掛けるようにして俺の腹を踏んでくる。


「いててて、な、何だよ」

「ようやく来たわね、お邪魔虫」

「は?何のことだよ、ピンカ。もしかしてまだ俺の事疑ってるのか?」

「あったり前でしょ!いつ私があんたの事を許したと思ってるの!ていうか今はそんな話どうでもいいのよ」

「どうでもいい話のついでに一ついいか?」

「は?」


俺の腹を踏んでくるピンカに向かって指を指した。


「パンツ、見えてるぞ」

「な!?見てんじゃないわよこの変態!」


激情したピンカが俺の顔を思いっきり踏んできた。


「いたっ!何すんだよ!お前が勝手に見せて来たんだろ!」

「見せるわけないでしょこの変態が!私のパンツを見たんだからお金払いなさいよ!あんたみたいなモテるわけもなく女に触ることすら話しかけることも出来ない可哀そうな男にはそれ位の対価があって当然でしょ」

「ちょっと待て!そんなことあるわけないだろ!偏見だぞ確実に!」

「まあまあ落ち着いて二人とも。ピンカもパンツの一つや二ついつも見せてるんだから気にしちゃ駄目だよ!」

「なっ!この馬鹿アホクズ!二度と私に話しかけんじゃないわよ!」

「つまらない雑談は終わったか」


そう言って一歩引いて話を聞いていたサザミが話を打ち切る。


「ちょっとサザミ!何がつまらない雑談よ!こっちはバカにされてんのよ」

「うるさい顔を近づけるな。そもそも最初の話から脱線してるんだよ、お前は」

「かつが変なこと言うからいけないんでしょ!」

「がっはっは!また話が逆戻りだな!」

「ピンカの事は放っておいて話を再開しようか。実は——————」

「すみません、少し遅くなりました」


そう言って部屋に入って来たのは先程後で合流しようと約束していたリドルだった。

だが何とも間の悪い登場だった為嫌な空気がその部屋に流れる。

その空気感を察したリドルは瞬時に皆に笑顔を向ける。


「どうやら来るタイミングを間違えたみたいですね。僕の事は気にせずに話を続けてください」

「はあ、とにかくだ。話を戻すとかつと今来たリドル。お前らは外の状況を確認したか?」


やっぱりその話題になるか。


「ああ、俺を殺人鬼扱いしてたな。前に話した村で人殺しをしている犯人が俺だって」

「その話がこの町にすでに広まっているんだ」

「正確に言うとこの島全部だけどな」

「全部ってエングさんそれ本当ですか?」

「ああ、ネッパニンスに立ち寄った時にそんな噂が聞こえて来たぜ。この町にかつが居るってな」

「え?それって……」

「ああ、こんな短時間でこの情報が島中に広まるのはさすがに早すぎる。しかも今はそれぞれの町は出禁になっているから、村の事情何て入ってこないだろう。俺達みたいに他の町に頻繁に出入りしている者以外は」

「つまりサザミさんは誰かが情報を流しているといいたいんですか?」

「そう言う事だ」


サザミの言いたい事は分かる。

もしその仮説が正しければ俺はその情報を流して奴を知っている。

するとリドルも何かを察したのかこちらを見て笑みを浮かべていた。

やっぱりリドルもそう思うか。


「実は俺達その情報を流したと思う人に合ってるんだよ。ていうかさっき戦ったな」

「え!嘘!?何でそれを先に言わないのよ」

「そいつは誰だ?」

「ザックとニュートって言う奴らなんだけど聞いた感じカノエが寄こした奴らの可能性が高いんだ」

「その話を聞く限り僕は決定的な感じはするけどな。皆はどう思う」

「ちょっとマイト何仕切ってるのよ」

「そのつもりはなかったんだけど、不満ならピンカが仕切る?」

「へ?いや、私は別に仕切りたいと入って無いでしょ。話しをすり替えないでくれる?」

「すり替えてるのはお前の方だピンカ。くだらない話し合いをしたければ他所でやれ」

「な!?」

「とにかくかつ、もしそいつらがお前が村の人々を殺した者と情報を流したのならそいつと戦ったと言ったな。始末はしたんだろうな」

「いや、深手は与えたんだけど逃げられた」


その言葉を聞いた瞬間激高したピンカがこちらに詰め寄って来た。


「はああ!?何で逃がしてんのよ。そんなところで凡ミスしてんじゃないわよ。息の根位止めておきなさいよ、困るのは自分自身だって分かってんの!?」

「俺だって捕まえようとしたさ。でもあの傷でまさかあそこまで動けるとは思わなくて」

「だーかーら、捕まえるじゃなくて殺せって言ってんのよ!敵でしょそいつ、躊躇何かしたら足元掬われるわよ。やらなきゃやられる、分かってんでしょ?」

「確かにそうだけどただ殺せばいいってわけじゃないだろ!」

「お前らそこまでにしておけ。確かにピンカの言う通りだ。奴を始末しなかったのはお前らの責任だろう。まあ始末したところで情報はすでに知れ渡っているから遅いけどな」

「がっはっは!分かるぜかつ。俺もお前の考えには賛同だ。いくら敵だからとはいえ殺すのは人道に反している。喧嘩で解決するのが一番だ」

「ふん、甘ったれた連中ね。もういいわ、私部屋に戻ってるから。甘ちゃん通しで仲良くしてれば」


そう言ってピンカは怒りながら出て行ってしまった。


「相変わらずピンカは扱いがよく分からないな。マイトはよく分かってそうだが」

「ピンカはピンカなりの考えがあるからね。頑固だけど真剣に話し合えば理解してくれるさ」


俺はそう思わないけどな。


「とにかく、残りのメンバーが戻り次第早速作戦を考えるぞ。材料はすべてそろったからな。後はそれを実行できるほどの計画だ」

「もうそこまで来てたのか」

「ああ、だが時間はもうない。仲間集めの期日は残り二日、それまでに作戦を考えて実行する。今の内に休んでおくんだな。それじゃあ他の奴らが戻って来るまで解散だ!」


そう言ってサザミも部屋を出て行ってしまった。



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