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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第四章 地獄の一週間
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その三 助ける気持ち

「リツどうしよう!かつを助け出す方法が思いつかない!」

「ミッちゃんまだ諦めてなかったんだ〜」


かつが連行されてから5日が経った。

私は一度説得をしに行ったけど話も聞かずにすぐに追い出されてしまった。

その後作戦会議のためにリツの店に助けを求めに来たのだ。


「マズイわね。このままじゃかつ死ぬかもしれないわ。ね〜リツ〜、何かいい方法無い?」

「う〜ん……流石に警察が絡んでるんだったら無理だと思うけどな〜」

「分かってるけど……でも助けてあげたいの」


やっぱり過激に行かなきゃだめなのかな。

私が試行錯誤しているとリツが急に立ち上がり私の隣に座った。


「………」

「リツ?」


リツは何か辛い顔をしている。


「…………ミッちゃんは何でそこまでするの?」

「え?何でって………」


急にどうしたんだろう。

リツがこんな真剣な顔するの初めて。


「私ね、ぜっちゃんは黒の魔法使いなんじゃないかなって思うの」

「え?何言って――――」

「実はぜっちゃんが始めて島に来た日と黒いスライムがいるって噂された日が一緒なの」

「たまたまでしょ。リツは心配し過ぎなのよ」


それでもリツは俯いた顔でまた話し始めた。


「それに今回の黒いウシも他の人が先にクエストをやっていたのにも関わらずぜっちゃんがすぐ見つけたのはおかしいと思う。だからぜっちゃんは黒の魔法使いと――――――うにゃ!」


私はリツのほっぺを両手でギュッとつぶした。

こうでもしないと話を聞かずずっと喋ってしまう、リツと長い付き合いをしてるからこそ分かる対処法だ。


「リーツ!また悪い癖が出てるよ。昔っからすぐ人を疑うんだから」

「へぇも―――――」

「でもじゃないよ。私ねかつと喧嘩したの借金の事で。あ、この借金は実はクエストで作っちゃったの。言うの遅くなっちゃったけどごめんね」

「ひっへるよ。ひぇっひゃんからけいたもん」

「あ、ごめん離すね」


ついずっと掴んじゃってた。


「それでね、その後しばらく会ってなかったんだけどこれ以上巻き込むわけには行かないなって思って、ルルに伝言頼んだの。もう借金は返さなくていいって」

「うん」

「そしたらねかつ伝言返してきたのよ。なんて返してきたと思う?」

「なんて返してきたの」

「俺を頼れだってさ。会ってそんなに経って無いのにそんなこと言える普通」

「言えないね。ぜっちゃんがそんなことを言ってたなんて意外だね〜」

「そんな人が黒の魔法使いと繋がってると思う」

「っ!?……相変わらずねミッちゃんは」


するとさっきの顔とは違い笑顔を見せてくれた。


「やっといつもみたいに戻ったね。そっちの方がリツらしいよ。辛そうにしてるリツは見たくないから」

「分かった。もうあんまり考えないようにするよ〜」

「そうそれでこそリツでしょ。それじゃあ早速かつを助ける方法探さなきゃ。ていってもかなり難しいんだよね」


かつを助けるにはもうあの方法しかないのかな。

私が考え事をしているとリツはまた疑問を投げかけてきた。


「最初の話に戻るけど〜、ミッちゃんてどうしてぜっちゃんにそこまでするの?」

「え?だからかつには助けてもらってるからそのお礼みたいなものだよ」

「ほんとにそれだけなの〜。その手に持ってる紙ってパーティー編成の紙でしょ〜。助けてもらってるだけでそこまで出来るのかな〜」

「どっどういう意味?」


リツはニヤリと笑って何か悪巧みするような笑顔を見せた。


「まぁいいや〜、そのうち分かると思うからね〜」

「なっ!?ちょっとはぐらかさないでちゃんと言ってよ」

「まだ私の早とちりかも知れないし、教えられないよ〜」

「もういじわるしないでよー」



――――――――――――

「お前と会うのもこれで何回目だろうな」

「そんなに会ってましたっけ」


正直もう会いたくないのだが、そういうわけにも行かないのが今の現状だ。


「俺は昨日の反省を踏まえて無駄な質問はしないことに決めた」

「やっとか、気付くの遅いですよ」

「何だその言い方は、まぁいいだろう。メットあれを」

「はい」


そう言ってメットは机に嘘発見器を置いた。


「お前ももう知ってるだろう。これから確信をついた質問をしていく」


それ自分で言っちゃうのか。


「お前ははいかいいえで答えろ。分かったか」

「分かりました」


これでやっとこの悪夢のような場所から出て行ける。

俺が無実だと言うことがこれで証明されるだろう。


「それじゃあいくぞまず最初の質問は………」

「…………?えっと何でずっと黙ったままなんですか」

「忘れた」

「はい?」

「なんて言うのか忘れた……」

「ええええ……」


何なんだこの人は本当にこの人が尋問のプロなのか。

これなら俺がやったほうがマシだぞ。


「おっかしいな事前に考えてたんだけどな」

「もうアドリブでいいじゃないですか」

「いや俺台本とか決められた事しかできないから、今までそうして来たし」

「今までって……ん?ちょっと待て、もしかして今までの尋問も台本通りにやってたのか」

「ああそうだけど」


マジかよ……それであのざまなのかよ。

ていうか紙に書いてんだったら同じ質問しかしてないの分かるだろう。


「とっとりあえず今日はここまでだ。明日もよろしくな」

「よろしくって俺はもう終わりたいんですけどね」


そう言って今日も無駄な尋問が終わった。


「かつっちまた来たぞー」

「からのこれだもんなー」

「何なに?なんの話?なんの話?」

「いや、ここから出られる方法無いかなーって」

「あ!またそういう事考えてるー。まだ私との約束が終わってないから駄目!」


約束って言っても一緒に遊ぶだろうが。

それだったら別にここにいなくても。


「それで今日は何するんだ」

「えっとねえっとね今日はおままごとしよー」

「おままごと?別にいいけどそういう物持ってきてるのか」

「あるよー!」


そう言って後ろのバックから色々なものを出した。

中には人形の他に銃やナイフ、デカイ石や唐辛子など普通のおままごとでは使わなさそうな物があった。


「俺おままごととかやったことないけどこんなの本当に使うのか」

「うん!使うよ。まあ私に任せなさい!」


かなり不安だがここは任せるしかない。


「それじゃあ配役を決めるよ。かつっちは凄腕の殺し屋ね。あと突然変異したブタ役」

「う…うん」


配役からもう意味わかんねー。


「私は凄腕の殺し屋の奥さんとその浮気相手の佐藤さんの役やるね」


なんかもういろいろ意味わかんないな。


「それじゃあおままごとスタート!」



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