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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十九章 失われた王と引き継がれし遺志
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その十八 騙された

「それじゃあ、もう戻りましょうか」

「そうだな」


俺達は指切りした小指を離して宿屋に戻ろうとする。

もう既に真夜中の為辺りは静まりかえっていたが城の方では賑やかな声と明かりが眩しかった。

期限は一週間それを過ぎれば仲間の募集を打ち切られる。

その後に起きることは最悪の結末だと仲間にならなかった者たちを消しに来る可能性もある。

もしそれがガイス直々だとかなりまずい、一刻も早く仲間を集めて対策を立てないと。

明日は重要な日になる。

それまではこの気持ちは締まっておこう、何も心配する必要はないだって両想いって分かったんだから。


———————————————

「おはようございます、かつさん」

「んんー!ふああ、おはようリドル」


早起きのリドルに起こされる形で自然と俺も早起きする。

こうやって朝起きた時にリドルが居るのも久しぶりだな。


「そう言えば昨夜は何やら楽しみでしたね」

「っ!?お、お前何言ってんだ!ていうかなぜお前がその言葉を知っている?」

「え?何がですか?」

「い、いや何でもない。ていうか別になんかあったわけじゃないから」


そうだよな、こいつがそれを知っているわけないよな。

ていうかこういうからかいを受けるのも久しぶりだ。


「そうですか。まあでもいい方向に進んでいるみたいでよかったです」

「え?何でそれが分かるんだよ」

「顔に出てますから」


そう言われて思わず俺は頬を引っ張る。

それを見てリドルはいたずらっぽく笑った。


「冗談ですよ。でもその反応を見るに本当みたいですね」

「お前なあ」

「早く朝の支度を終えて下に行った方が良いですよ。もうデビさんがお腹を空かせて文句を垂れていますから。あの人は大人になっても変わらないんですね」

「まあな、でもあいつは変わったよ。あいつが駄々こねてるのはまた一緒に冒険出来る喜びからなんじゃないかな」

「はは、たしかにデビさんにとっては何百年も経ってるみたいですからね。それじゃあ、そんなデビさん達を待たせない様に早く来てくださいよ」


そう言ってリドルは部屋を出て行った。


「よし、俺も早く支度を済ませるか」


約五分ほど支度を終わらせて下に降りて行くと、デビがふてくされているのが見えた。


「ごめんごめん、寝坊しちゃった」

「別に大丈夫よ。私達もデビに起こされて起きたから、ねっアイラ」

「そうね、デビって意外と早起きなのね」

「妾は腹が減ったから起こしたのじゃ。何事も腹が空いては行動できぬじゃ」

「分かってますよ。それじゃあ、早くご飯屋さんに行きましょうか。話はそこでしましょう」


俺達は朝食を済ませる為に魔法協会へと向かって行った。

魔法協会に着いた瞬間、俺達は注文した品を食べながら今後の事について話し合っていた。


「それでカルシナシティにこれから向かうんだろうけど、行く方法は分かってるのか?」

「そうよね。確か今は町の外に出るのは禁止みたいよね」

「そうですね。カノエ様がそう決めていましたが、僕達には関係ありません」

「それっとつまり真正面から堂々と出て行くってことか?」

「まあ、そこを気にしないという点では同じですね。このまま町を出てもカルシナシティーまで距離があるので」


たしかにそうだ、俺がここに来たのは旅飛びと言う店からだしな。


「そう言えば皆さんはどうやってここまで来たんですか?」

「旅飛びと言うお店を利用させてもらったの。ほら、リドルも前に使ったでしょ?」

「ああ、そう言えばありましたね。ですがそのお店も現在は営業を停止しているんじゃないんですか?」

「多分そう言う指令を受ける前に私達が来たんじゃないかしら」

「いや、あれは妾達の為に開けてくれたのじゃ。あやつは妾の命の恩人じゃからな」


そう言ってデビは骨付き肉を十本いっき食いする。

どうやって食ってんだそれ。


「うーん、本当にそうだったんでしょうか」

「え?それってどういうことだよ」

「確かにミノルさんの言いたい事も分かります。その可能性も高いですが、僕は今の状況だとこう考えてしまいます」

「命令を受けたうえで町へと送った」


アイラが突然そんな事を呟いた。


「それってどういうこと?」

「へ?ああ、もう一つの理由は皆さんがやって来たら目的の場所に遅れって命令されていたのかなと思って」

「つまりププラはその命令に従って俺達を送ったと。てことは俺達がネッパニンスに来ていることはガイスは知ってるってことか」

「ちょっと待ってよ。ププラが私達を騙したって言うの?」


そうこの話の結末はそう言う事になる。

俺達はププラに騙された、でもそれは簡単に終わっていい話じゃない。


「どちらにしろ俺達は自分からこの町に来ていたという事を知らせたし、ププラが本当にその命令を受けてたとしてもそれは自衛のためだ、何もまちがったことはしていない。それに特にそれで困ったことにはなってないから——————」

「ここに絶対かつは居るか!」

「へ?」


突如魔法協会の扉が開かれ険しい表情をした半獣数人が入って来る。

ていうか今俺の名前言った。

ていうか、こっち見てる?

何か写真を持っていらっしゃる?

これバレてる?


「お前が絶対かつだな!」


やっぱりバレてるー!


「あの、いったい何ですか。俺は別に何もしていませんが!」

「嘘を付くんじゃない、このクズ野郎が!お前が王の命令を無視して町を立ったこと、そしてその移動手段として名もなき一般市民を脅して協力を強引にさせたことはすでに分かっている」

「は、はあああ!?」

「我らカノエ様の命により犯罪者を断罪しにやって来た。正義の名のもとに!」


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