プロローグ 判決
「絶対かつ!前に来い!」
俺は腕に手錠を掛けられたまま裁判長に呼ばれた。
初めての手錠の感覚は冷たく、少し重たい。
「絶対かつ、お前には新種のモンスターを殺した罪がある」
「いや、あれは事故で――――――」
「静粛に!発言の権利はありませんよ」
「くっ――――!分かりました」
どうしてこうなった俺はただモンスターを討伐しただけなのに、ていうかこっちは死にかけたんだぞ!
「あなたが倒したモンスターは我々が今追っている極悪集団、黒の魔法使いを見つける大切な証拠でもあった。それをあなたは跡形も無く消した。今聞いた内容に間違いはありませんか」
「はい…間違いはありません」
すると裁判長は横に置いてある嘘発見器を見た。
ランプは先程と変わらず緑色をしていた。
「なるほど、この事実を元に判決を下す!」
皆の視線が一気に裁判長に集まる。
裁判長は裁判で使われる木のトンカチみたいな物を1回ガンッと叩く。
「絶対かつの判決は………死刑に処す!」
「う、嘘だろぉぉぉぉぉ!!」
その瞬間俺の人生の扉が勢いよく閉じた。
ああ何でこんなことになったんだろう。
こんな状況になったのも全てあの時が原因だ。
俺とミノルがトガと戦ったあの時から………




