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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十八章 暴かれる真実、現れるラスボス
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その十九 復活の兆し

「あ、あああああああ!!!」


突如激痛が俺の体を襲う。

痛い、痛すぎる!

俺はうずくまりながらも無くなった左腕を抑える。

すぐに止血をするためになかば条件反射で服を破って強く腕に結んだ。

見えなかった、おそらく後ろに魔法陣を展開されてたんだ。

地面には俺の左腕が血を流して置いてあった。

それを見た瞬間、自分の腕が無い事を改めて実感した。


「これが俺の本気だ。分かっただろ、俺とお前の決定的な実力の差を。これじゃあただの弱い者いじめになるからな、今まで手加減してたのはそういうことだ」

「ははっ手加減ね。たしかに、お前が本気を出したら俺何て一瞬で殺されちまうな。だからこそ、不思議なんだよ。何でわざわざ左腕を切り落としたんだ。殺せばいいだろ。やっぱりお前は甘い奴だな」

「何だと」

「っそれでも、やっぱり今の状況じゃもう話す時間もないから……ちょっと気絶してもらうぞ」


その言葉を聞いたガルアの表情が曇る。

そりゃそうだろうな、ついさっき左腕を切り落とされた奴が倒す宣言をして居るんだ。

なめられてると思っても仕方がない。

でも一つだけ方法がある、この状況でもやれる攻撃が!


「気絶してもらう?殺さないでくれるとは優しいな。お前の方こそ甘いんじゃないか、ここまで来てまだ説得できると思ってるのか。本気で俺を止めたかったら殺す気で来いよ!」

「俺の目的はガイスの復活の阻止だ!お前を殺したいわけじゃない!」


俺はその瞬間、空中に魔法陣を大量に展開させる。

それを見たガルアは焦る様子を見せずに冷静に周りを見渡す。


「どれか1つがお得意のインパクトの魔法か。だがお前の考え何て容易に分かるぞ。大方俺に攻撃をすると見せかけて装置に直接攻撃するつもりだろ」

「いや俺が攻撃するのは天井だ!インパクト!」

「何!?」


空中に展開された1つの魔法陣が天井に衝撃波をぶつける。

それにより天井が瓦解して一部の瓦礫が落ちて行く。


「まずい!」


ガルアはすぐに落ちて来る瓦礫に対処する為に魔法陣を展開しようと俺から目線を外す。

俺はその隙を見逃さずにある魔法を使った。

それは大量に展開された魔法陣の1つに紛れ込ませていた物。

瞬間移動の魔法だ。


「ワープ!」


俺はなるべくガルアから遠い場所に瞬間移動した。

それは逃げる為ではなく、ガルアを倒すための一撃必殺の一撃をするためだ。

俺は頭を前に突き出すと後ろに魔法陣を展開させて最大魔力を込める。


「インパクト!」

「――――――っ!!?」


すさまじいほどのスピードで俺は一直線にガルアの元に突っ込んだ。

強烈な一撃が頭に響き、その余波で地面を何度も転がる。

そしてガルアはその衝撃により体が吹き飛び、壁にめり込んだ。


「―――――――っいて~頭がマジで割れそうだ。ガルアは生きてるかー」


壁の中にめり込んだままガルアはピクリとも動かない。

まあこんな事でこいつが死ぬわけないだろう。

にしても、最後の最後まであがいたなあいつ。

装置は壊れておらず瓦礫は全て弾き飛ばされていた。

攻撃を受けるわけに瓦礫の対処をしたのか、そのせいもあってこっちの対処は遅れたと。

天井を崩したのは正解だったみたいだな。

体の方も鍛えてたからダメージもほとんどなかったし、まあ左腕を失ったのはいたいがこれは仮の体だし元に戻る時は腕も元通りになってるだろう。


「あっ!そういえば、ラミアは何処だ!」


ガルアの方に意識を向けててラミアの事を忘れてしまっていた。

俺はすぐに辺りを見渡すがラミアの姿が見えない。

確かここで眠っていたはずだが、目覚めてこの場所から逃げたのかもしれないな。


「居なくなったのなら好都合だな。よし、装置を破壊しよう」


俺はすぐにガイスを復活させる装置へと向かう。

どこかしらに電源ボタンが無いか見渡すが初めて見る機械なのもあってどれが電源ボタンか見当がつかない。

こうなったら適当にボタンを押しまくるか?

破壊することが目的だし丁寧に扱う必要も無いよな、別にボタンを押したら復活が速くなることも無いだろうし。

そう思い適当なボタンを押そうとした瞬間、ある考えが頭をよぎる。

確かこの魔力はガルアとラミアのお母さんから取ってるって言ってたよな。

それは今もそうってことなのか。この太いケーブルの先にはもしかしたらラミアのお母さんと繋がってるのか。

強制的にこの装置を止めたらあっちのお母さんにも何か危害が加わるかもしれない

だとしたらそんな決断俺がしてもいいのか?ガイスは絶対に蘇らせるべきじゃない、だけどもしガルアが本当にお母さんを解放させることが目的ならそれを俺が勝手に止めてもいいのか。


「てっ馬鹿か俺は!ここまで来て悩むことなんてないだろ!」


ここで判断を間違えれば間違いなくこの島の人達に多大な影響を及ぼすことになる。

本当にずっと魔力を奪われ続けているならそんなの生き地獄じゃないか。

それを止めることはむしろいい事なんじゃないのか?

そうだ、これは正しい事なんだ。

やるなら確実だ、瓦礫を持ってきてそれを叩きつける。

だってガイスはもう死んでるんだ、いやもしかしたら仮死状態なのか?

いやそれでもやるしかない。

俺は近くにあった巨大な瓦礫を掴む。

俺の体よりもデカイ瓦礫を持ち上げ装置に近づいて行く。

装置の中では眠っているガイスの姿が見えた。

この人がこの島を支配しようと企む真のラスボスなのか。

いや、そもそもボスも何もないけど。


「よし、やろう。本当に時間も無いんだ。これは正しい事なんだよな」


俺は覚悟を決めて巨大な瓦礫を装置にぶつけようとしたその時、ガイスの指が少し動いた気がした。


「っ!今のって……っ!?」

「はあ、はあ……やってくれたな絶対かつ」


あいつもう目覚めやがったのか。

だけどダメージは残ってるはずだ、早い所を決めてしまおう!

俺がガルアの言葉を待たずにして瓦礫を叩きつけようと持ちあげた。

その瞬間、突如アラーム音が鳴り響いた。


「っ!何だ!もしかして魔力が溜まったのか」

「これはまさか!」


ガルアは痛む体を庇う余裕も見せずに血反吐を吐きながら、体を引きずるようにして装置へと駆け出し。

突然の出来事により俺は呆然とその光景を目で追っていた。

ガルアは何か焦った様子で装置を弄っている。

もしかして何か問題が起きたのか。


「何が起こってんだ……どうして魔力の供給が途絶えたんだ!」


魔力供給が途絶えた?


「てことはガルアとラミアのお母さんは死んだってことか……」


俺のつぶやきに反応するかのようにガルアは拳を握りしめた。



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