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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第三章 黒いモンスターの謎
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その十七 復讐

どっどういうことだ!?

白銀の魔女とかトガとミノルの関係とか魔力レベルが10とか話が急すぎて理解できないぞ。


「久しぶりだな!何10年ぶりじねぇか。会えて嬉しいぜ」

「私も会えて嬉しいわ。でももう会うことはないけどね」


お互いピリピリとした空気が流れている。

なんかものすごい関係っぽいけどミノルがここまで怒るってことはいい関係ではないんだろうな。


「えっと……2人はどういう関係?」

「「敵同士!」」


わお、息ぴったりだな。


「それでトガあなたの目的は何?何でかつにちょっかい出したの」

「おいおいなんだよその言い方。まるで俺が個人的にかつに会ったみてぇーな言い方じゃねぇか」

「あれ?そうじゃなかったの」


また2人はお互いを睨みだした。

これは完璧に何かあったな。

でも今は追求すべきじゃないだろそれよりこれからだ。

この雰囲気多分2人で戦いを始めるだろう。

俺はその間に逃げるべきかそれでもちゃんと残って見届けるか。

う〜んどうしよう。


「もしかして黒い模様のモンスターが最近出るようになったけどあれってあなた達がやったの」

「ご名答!あれは俺達の計画を達成するために必要なんだよ!それは絶対かつも例外じゃねぇ」

「んぅへ?」


いきなり呼ばれたから変な声が出てしまった。

考え事してたんだ仕方ないだろ。


「なるほどね。あんた達が考えそうな事ね。邪魔な奴は消すそういうことでしょ?」

「半分正解で半分不正解だ。確かに俺たちはそういうルールがある。だけどまだかつは一応の監視しとくかくらいのレベルだ。だからこいつと戦ったのは俺が戦いたかっただけだ!」

「相変わらずの戦闘狂ね。頭のネジ外れてんじゃないの」

「ああ!?お前の頭のほうが外れてるだろ!昔の事忘れたわけじゃねぇだろうなぁ」


昔のこと?

もしかしてミノルがこいつの事を嫌ってる理由とか。

その時ミノルから強烈な殺気を感じた。


「ミッミノル?」


この殺気感じた事がある。

トガと初めて会った時と同じいや、それ以上の殺気だ。


「その話は今しないで!」

「お〜怖い怖い。そんなに聞かれたくないのかよ。ずいぶんと平和ボケしちまったなミノル」


2人の間でまたピリピリとした空気が流れる。

でも今度は違う。

多分この空気戦いが始まる。


「まずはトガから倒す!」

「やってみろよ!白銀の魔女!」

「その言い方やめて!アブソリュートフリーズ」


ミノルの魔法で空気が一気に凍った。

氷の塊がトガに向かって地面を凍らせながら迫ってきている。

トガの立っていた場所に付いた瞬間さっきよりも倍くらいの巨大な氷の塊になった。


「すっすげぇー……」


ミノルはそこそこ魔法ができる程度だと思ってたけどこんなすごい魔法が撃てるなんてな。

ちょっと尊敬したかも。


「いない……」

「え…?何がだ」

「トガがいないのよ。上手く逃げたのね」


確かに氷の塊の中にはトガの姿はない。

その時上に何やら動く物陰がした。


「ミノル!上だ!」

「――――――!?」

「やるじゃねぇかミノル!次はこっちの番だ!グランドファイヤ!!」


トガの炎はさっきまで凍りついていた空気を溶かし逆に熱風が辺りを燃えるように暑くさせた。


「くっ―――!?流石ね、魔法の威力は以前よりも上がってるわね」

「お前もなかなか強いじゃねぇか。平和ボケしてっから弱くなったと思ったぜ」


レベルが違う。

トガはあの凄まじいスピードで飛んでくる氷の塊を避けるし、ミノルは上から来た炎を反射で避けるし、やっぱり実践経験の差なのだろう。


「これは俺帰ったほうが良さそうだな」

「おい、絶対かつ!ミノルを倒したら次はおめぇーだぞ!逃げるなよ」


あ、これ俺逃げられないやつだ。


「何それ?まさか私を倒すつもりなの?」

「そういう事だ」

「あんた本当に変わってないのね。でも良かった。もしトガが優しくなってたら本気で戦えなかった。変わってなくてありがとう」


そのありがとうは感情のこもっていない冷たい言葉だった。


「はははは!!だんだん昔に戻って来たなミノル!そうそれだよその冷たい言葉!感情のないそれが白銀の魔女だ!」

「だからその呼び方やめててって言ってるでしょ!アブソリュートフリーズ!!」

「いいねぇー!!魔法のぶつかり合いと行こうか!グランドファイヤ!!」

「ぐぅお!なんてぶつかり合いだ」


お互いの魔法の威力はほぼ互角だろう。

真ん中で魔法同士が拮抗している。


「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」


その力が限界に達したのだろう真ん中から一気に爆発した。


「うわ!!すっごい威力」


爆発した瞬間熱風と冷気が一気に来て急激な体温変化で風邪になりそうだ。

煙から何やら人影が出てきた。


「ギガサンダー!!」


氷の溶けた水を伝ってミノルの方に向かってきた。


「くっ――――――!!トルネード!!」


巨大な風の渦で水が全部弾き出せれた。

その風の勢いでトガが吹き飛ばされた。


「チッ!」


トガはうまく受け身をとったがミノルはその隙を見逃さなかった。


「アブソリュートフリーズ!!」

「な――――――!?」


トガは避けきれず足だけ凍りついた。

まだバランスを上手く取れてなかったのだろうそれでも片足だけで済んだのも流石としか言えない。


「やっと大人しくなったわね」

「へっ!ちょっと有利になったからって調子乗ってんじゃねぇぞ。こんなのすぐに抜け出せる」

「大丈夫抜け出そうとした瞬間を殺るから」


ミノル本気だ。

このままじゃミノルは殺人犯になってしまう。

それは駄目だ俺が止めなきゃ。


「ミッミノル。もうやめようぜ。トガはもう動けなさそうだしあとは警察とかに任せて――――――」

「かつは黙ってて!!」

「………………!?」

「ごめんかつ。でも駄目なの。私はコイツを許せないの。だから止めないで」

「ミノル……」


その様子を見てトガは不敵に笑っている。


「ははははは!許してもらわなくて結構だ!俺は俺のやりたいようにする!」


そう言ってトガはミノルに向かって槍のようなものを投げた。


「―――――――っ!」


ミノルはその槍のようなものを避けたがその隙をついてトガは地面に手を付く。


「グランドファイヤ!」


その瞬間、地面から突然強烈な火柱が出現した。


「うわっ!!」

「きゃっ!くっ―――――――トガ!」


炎の勢いがすごくトガの姿が見えない。

ていうかものすごく暑い!

すると真上から声が聞こえた。


「ミノル!俺とお前の実力はほぼ互角だ。だから最後は全力で行こうぜ!レベル魔法!ファイヤバーニング!」


すると魔法陣の上から巨大な炎の玉が出てきた。

それは今までとは比べ物にならない程の大きさと熱量だった。

まるで太陽だ。


「やばいぞミノル!これ本当に死ぬぞ!」


俺はミノルに逃げるように提案しようとしたらミノルは真っ直ぐ巨大な炎の玉を見つめていた。


「かつは逃げて。ここにいたら死ぬわよ」

「でもミノルが!」

「大丈夫私は大丈夫だから」


ミノルはまるで自分に語りかけているようだった。

駄目だミノル。

その顔は駄目だ。

その覚悟した顔は多分自分の命を賭けている。

死ぬかも知れない、でもミノルはそんなこと分かっている。

だから危険なんだ。

でも俺は何もすることができないこの戦いに参加する理由もないし力もない。

俺はただ見てる事しかできない。


「トガ!行くわよ!」

「来いよ!ミノル!」


2人はお互いを真っ直ぐ見つめ。


「レベル魔法!リュートプリズンフリーズ!!」


空中で巨大な魔法陣から氷のレザーのようなものが出た。


「ぐぉぉぉぉぉぉ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」


空中でお互いの攻撃が拮抗している。

いやミノルのほうがやや押されている。


「くぅっ!」

「どうしたミノル!パワーがなくなってきたぞ!」


ミノルはもう限界だ。

多分魔力もほとんど残ってないだろう。

俺は本当にこのまま突っ立ってるだけで良いのか。

…………いや良くないだろ!

俺は決めたはずだもう逃げないと!

どんなに力の差があったって倒せなくても、助ける事はできる!


「アイス!」


俺は手の中で氷柱を作った。

さっきトガが投げたものは槍ではなく氷柱だった。

多分手の中で氷の魔法を使って作ってたのだろう。

俺はそのやり方を真似して氷柱を作った。

あとはウィンドで飛ばすだけだ。


「トガ!行くぞ!」

「ん?何する気だあいつ」


最大魔力で、ふっ飛ばす。


「くらえぇぇぇぇ!!」


俺はトガに向かって氷柱を飛ばした。


「ぐぅお!?」


トガは当たり前のように氷柱を避けたが一瞬意識を持ってかれたせいでミノルは何とか押し返せた。


「やってくれたなかつ!あともう少しだったのによ!」

「お前のすきにはさせねぇよ!バーカ!」


よしちょっとは言い返してやったぞ!

だが不機嫌そうにミノルはこちらを見ていた。


「かつ!なんで邪魔したの!?かつには関係ないことでしょ!余計な真似しないで!」


かなり怒っているな。

そりゃそうだ、ミノルにもプライドがあるだろう。

関係ないやつに邪魔されたくない気持ちも分かる。

でも助けたい。


「ミノル、俺は確かに関係のない人だ。ミノルの過去も知らないし、何があったかも分からん。でも俺はミノルに死んでほしくないんだ。これのせいで嫌われるかもしれない、もう一緒にクエストをしてくれないかも知れないでも!俺はここで何もせずにミノルが死んだら一生後悔する」

「かつ………」

「俺はもう後悔したくない。そう決めたんだ。だからミノルを助けたかった。もう守られてばかりじゃ駄目だって思ったから、だから俺はミノルの力になりたかった。だってミノルは初めての友達だから………ごめん自分勝手だよな」


ミノルは苦しそうだ。

本当だったら勝てたのかも知れない邪魔だったのかも知れない、もしかしたら俺は余計な事を――――


「かつは私が負けるって思ったの」

「うっ!……ごめん」

「……ふふふ、ありがとうかつ、私負けそうだった」

「え……」


ミノルが負けそうだった?


「でも俺は関係ないのに勝手に入って邪魔してウザいとか思はなかったの」

「思わないわよ。助けてくれたんだもの感謝するのが普通でしょ?」

「じゃあ嫌いになってないのか?」

「嫌いにならないわよ。むしろ好きになった」

「え!そ…それは…!」

「バカ!友達としてよ友達として」

「ああ友達としてか」


それでも嬉しいんだけどな。


「おいおい仲良くおしゃべりしてずいぶん余裕だな!ちょっと力抜いただけで余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ」


そう言えば、今現在進行形でピンチだったな。


「かつのおかげで冷静になれた。もしこのままだったら怒りに我を忘れて負けてたわ。完全に敵の思うつぼだった」

「そんなことないだろ。ミノルは強いからな負けること無いだろ」

「ふふっ、だったら期待に答えないとね!はぁぁぁぁぁぁぁ!!」


するとレーザーの勢いが増し炎の玉を押し返している。


「何!?力が……上がった!?」

「これが私の力、いえ私達の力よ!」

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「行けぇぇぇ!ミノルーーーー!」


その瞬間キーーンという音が鳴り辺りが静まった。


「炎の玉が凍った!?」

「へへ……マジ………かよ…」

「トガ!」


トガは力尽きたのかそのまま落っこちて来た。


「ミノル!トガが落っこちたぞ」


隣を見るとすでにミノルは力尽きて倒れている。


「ミノル大丈夫か!」


俺はすぐにミノルの安否を確認する。


「スゥ……スゥ……」


ミノルはどうやら気絶しただけのようだ。


「寝てるだけか……良かった」

「ほう……トガの炎の玉を凍らせたか」


俺は驚いてすぐ後ろを向いた。

すると見知らぬ男が凍った炎の玉見つめていた。


「だ……誰だ!」

「俺はクラガ、黒の魔法使いの頭をしている者だ。貴様は絶対かつだろ」

「なっ何で俺の名前を知ってるんだ」


もしかして黒いスライムの討伐が報告されたのか。


「貴様のことは少し前から監視していた。黒いスライムを倒したそうじゃないか」

「え、ああでもあれは俺のおかげじゃ――――」

「ああそうだなお前のおかげじゃない」

「――――――っっ!?」


クラガは俺の目の前にいた。

気づかなかったいつの間に来たんだ。


「……どういうことだ?」

「自惚れるなよ。自分が動けばなにか変わると思ったか。お前が動いたところで何も変わらないそうそれはお前の過去と一緒だ」

「何でお前が俺の過去を知ってるんだ」

「お前は何も変えられない何も助けられない」


クラガが耳元で小さくそしてハッキリと俺にそう言った。

気付いた時にはもう目の前には姿を消し、トガの所に居た。


「これ以上俺たちに関わるな。さもなくばお前の大切な者を失うぞ」


その言葉はまた俺を昔の自分に引き戻した。


「ミノルにも同じように伝えておけ」


そう言ってクラガはトガを担ぎ上げた。


「それじゃあなレベル1の魔法使い」


そのまま煙のように消えて行った。


「何も……変えられない」


――――――――――――


「おいクラガ。何でかつにあんなこと言ったんだ」

「起きてたのか。まさか貴様が負けるなんてな。これからはちゃんと鍛えておけよ」

「おい!俺の質問に答えろ!」

「………邪魔な奴は消す。邪魔になりそうな奴は早めに対処する。それだけだ」

「だけど――――」

「一時の感情に流されるな。貴様は自分勝手すぎる。自分が1度死んでいる事を忘れるなよ。貴様が誰と戦おうが勝手だが計画に支障をきたすような事をしたら殺すぞ」

「チッ!分かったよ」


これであいつの戦意は消えただろう。


「さぁてそろそろ始めるか。この島を救う為に」



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