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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十八章 暴かれる真実、現れるラスボス
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その八 命がけの任務

俺達はガルアの城の近くまで行くと木の陰に隠れて様子を伺っていた。


「おい、かつ本当に行くのかよ。もう夜だぞ、侵入は明日にした方が」

「夜だからこそ相手の警戒心が薄いはずだ。見回りもそこまで強化しているわけでもないし、ガルア達は部屋に閉じこもってるだろうし、注意してれば遭遇する確率も低いはずだ」

「それもかつの推論でしょ。私はむしろ危険だと思うけど、ろくな作戦も決めてないし」

「どちらにしろ時間が無いんだよ。それに各々の目的地は最初に説明しただろ。ハイ&ローはガルアの部屋に行って本棚の仕掛けを解いてくれ。そのやり方も地図も渡したはずだ」


ハイ&ローは先程手渡された地図と解除方法が書かれた紙を見る。


「ルートは教えてもらったがこれは普通の道を通った場合だろ。もっと安全なルートをだな」

「ハイ、これ以上は行っても無駄よ。まさかビビってるの?」

「な、そんなわけないだろ」

「ハイ、決めたでしょ。ガチの仕事は臆することなく進むって、迷いは最大の敵よ」

「はあ、分かったよ。そうだな、うじうじ言ってたら怪盗の恥だよな。いいぜ、怪盗ならこれくらいの事楽勝に決まってるだろ!」


ハイは城の中に入る覚悟を決めると、ついに侵入する為にガルアの城に近づいて行く。

先ず侵入する場所を決める為外の警備状況を確認する。

入り口に二人、周りをうろうろとしているのが三人計五人が警備をしていた。

数はそこまで多くない、強行突破も可能そうだ。


「どうする。門番2人を先にやるか」

「そうしたいのもやまやまだが、さすがに門番2人が倒れてたらガルアに報告されちまう」

「周りをうろちょろしている警備をやっても、しばらく門番を通り過ぎなきゃ2人が警戒するわね」

「となると1番は見つからずに侵入だな。侵入経路はバラバラで行こう。城の侵入何てお前らにとっちゃ造作もないだろ」

「当たり前だろ。そっちが見つからないかの方が心配だぜ」


俺とハイ&ローはお互いの顔を見合い、そしてそれぞれのやり方で城の侵入を試みて行く。

俺はワープで軽微の視界を掻い潜り食糧庫からの侵入を実行する。

だが明かりが無く、侵入するには少し難しそうだったため別ルートを考える。


「えーっと他に侵入出来る場所は……あそこか」


俺はワープで空中を飛んでバルコニーに着地する。

どうやら中には誰も居ないようだ。


「ワープ」


俺は部屋の中にワープの魔法陣を展開させて、瞬時に中に侵入する。

よし、これで建物の中には入れたわけだが問題は誰にもバレずに目的地に迎えるかだ。

その時扉が開く音が聞こえた。


「っ!!」


俺はすぐにソファーの後ろに隠れる。

すると使用人らしき人が部屋の掃除を始めた。

くそ、間が悪いなバレない様に何とか出口まで移動しないと。

幸い掃除に夢中で周りを警戒している様子はない。

これならすぐに移動できる。

後はベストなタイミングを見極めるだけだ、まだだ窓を拭き終わって水を溜めたバケツに入れる瞬間がベスト……今だ!

俺は瞬時にソファーから飛び出して素早く部屋から脱出する。


「ふう何とかなったみたいだな。とりあえず第一関門クリアかな」


この時代でよかったのは防犯対策が発展していないところだ。

監視カメラも警報装置もないし、魔道具は分かりやすいから避けやすいしな。

とにかくガルアの城はハイ&ローに任せてるから俺は別の場所に向かおう。

もう一つ気になる部屋が合った、それは昔一度だけは言ったことがある部屋。

大量のミレイの写真が壁中に貼られてて、そんな異質の空間に飲まれてすっかり忘れていたが、それ自体が他に目を向けさせない為のカモフラージュだとしたら。

思えばあの部屋の事をガルアに聞いた時明らかに動揺をしていた。

考えれば考える程、あの扉は怪しすぎる。


「たしかこの廊下を3回曲がったところだよな」


俺は慎重にかつ素早く廊下を掛けて行く。

思ったよりも廊下を歩いてる人が少ないな、おかげでスムーズに行けるからありがたいけど。

よし、この先が例の扉のはずだ。


「待って……」

「っ!?」


俺は声を掛けられ思わず振り向いてしまう。

そこにはツキノの姿が合った。


「何でお前がここに……」

「ガルア様に……報告してた……かつはどうして……」

「あ、えっと俺は」


まずいここで適当な言い訳をするか。

いや、さすがに言い訳は通じないかだが戦うにしても一筋縄にはいかない。

それにそんなことをしてたらガルアにバレちまう。

どうする俺、どうすればいい!


「気付いたんだね……」

「へ?」

「ガルア様の……秘密に……」

「ツキノも知ってるのか」

「詳しくはしらない……でも怪しいのは……分かる」


ツキノも疑っていたのか。

何かがあるって、だとしたらこっち側に引き込めるかもしれない。

ツキノが仲間に加われば、さらにスムーズに辿り着ける。


「なあツキノお前もガルアに対して疑問を抱いてるんだろ。ガルアは何をしでかすか分からない、恐らくあいつは誰にも止められない状態になってる。誰かが言わないといけないんだよ。だから俺はガルアを止める、お前はどうしたいんだ?」

「私……私は……正しい事をしたい」

「それは自分が決めることだ。ツキノにとっての正しい事って何だ?」

「分からない……何が正しいのか……もう分からない」

「じゃあ、俺と一緒に探さないか。このまま立ち止まってても、何も変わらないだろ」


俺はツキノに向かって手を伸ばす。

するとツキノはゆっくりとその手を取るように伸ばしていき……


「待ちなさい!!」


突然の声にツキノは思わず手を引っ込めてしまう。

そして俺は声のする方を向くとそこにはミレイの姿が合った。

その表情は明らかにこちらを敵視していた。


「絶対かつ、なぜここに居る。ガルア様に呼ばれたわけじゃないだろう」


最悪のタイミング、明らかに言い訳が通じる雰囲気じゃないな。

するとミレイは俺の弁明を聞くことなく魔法陣を展開させる。


「侵入者は排除させてもらう。覚悟しろ絶対かつ!」


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