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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十八章 暴かれる真実、現れるラスボス
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その七 ピンクの危険な女の人

「「ガルアの秘密を暴く!!?」」


俺の言葉によほど驚いたのかローは語尾を付けることなく、大声を上げる。

するとその声を聞きつけた庭に居た警備達がこちらに向かってくる。


「おい、こっちに何かいるぞ!」

「まずいバレた!ローお前が大声を上げたからだぞ!」

「それを言うならハイだっちょ!明らかに一人だけ大声を上げてだっちょ!」

「そんなのどうでもいいからテレポートしろよ!」

「ああ、そうだなテレポート!!」


ハイは急いで魔法陣を展開させて、その場から緊急離脱した。


「誰だ……って誰も居ない。ただの聞き間違いか」


―――――――――――――――

気付くと町並みの中心に立っていた。

沢山の人が賑わい、見慣れた城が見えたそこはシアラルスだと瞬時に理解した。


「ふー危なかったな。それでさっきの話だがガルアの秘密を暴くってどういうことだ?」

「そのまんまの意味だ。あいつには俺達に隠してる秘密がある」

「それは普通だっちょ。皆心の中には人には言えない秘密を持っているもんだっちょ」

「俺が居る達って言うのはこの島の人達って意味だ」


するとハイが何かを察して難しそうな顔をする。

だが一方ローはまだ理解出来てないのかキョトンとした顔をしていた。


「そりゃいくら王様でもプライベートの事までは言えないだっちょ」

「違うだろロー。あいつが言ってるのはこの島の人達に大きく関わる重要なことを隠してるってことだろ」

「つまりその秘密は私たちに大きく関わってるってことだっちょ?それってやばいっちょ!」

「本当にやばいって思ってるのか?」

「ローが途中で語尾を変えるって言う事はかなり焦ってる証拠だ」


本当かよ。

だが、これで2人には事の重大さを理解してもらえたな。


「なあ、それを俺達で暴こうって言いたいんだろ。それって俺達が秘密を暴いても暴かなくても危険な目に合うってことだよな」

「命の保証は出来ない」

「え?ちょっと待つだっちょ!死ぬ危険がある任務なのだっちょ!?」


俺はローの言葉に無言で頷いた。

やっぱり死ぬとなると躊躇いが生じる物なのか。

くそ、今すぐに行きたいのに心の整理がつかないまま無理やり連れて行っても、失敗するのは目に見えている。

でも、他に誘えるような人も思いつかないし。


「最高だっちょ!そんな重要な任務に私達を選んだのは大成功だっょ!」

「ああその通りだ!俺達は死ぬことなんて覚悟のうえで仕事してるんだ!だが勘違いするなよ、俺は覚悟を決めただけで死ぬとは一ミリも思ってないからな!」

「そう、私達は常に生き残って来た!今回のその任務も華麗に達成して見せる!」

「ハイ&ローありがとう……それと語尾はもう付けなくていいのか?」

「重要な任務の時は語尾を外すのよ。今回は今までで一番みたいだしね」


そう言ってローは気合を入れるかのように自分のは頬を叩く。

こいつは意外と根は真面目なんだよな。


「それでいつ行くんだ?明日か?」

「いや、今日だ!」


――――――――――――――

「おい、やっと扉が開いたぞ!」

「すぐに場内の散策とアイガス様の保護をしろ!」


扉を開いたことにより屋敷の中に多くの警備員がなだれ込んでくる。

皆それぞれの目的のために屋敷の中を走る周る。

そんな中ピンクの髪をなびかせた女がゆっくりと宝物庫の中に入って行く。


「ふふっやっと手に入れられたわ。私の宝物」

「おい貴様何をしている!」


警備隊長が宝物庫を漁っているピンクの髪の女の人を見つけて警戒する。

だが、ピンクの髪の女の人は焦る様子もなく、金の箱に埋め込まれた琥珀色の石を抜き取り胸の中にしまう。


「何をしていると聞いてるんだ!今取った物を元に戻せ!」

「綺麗よね。この宝石のような輝きを放つ原石は、無限のエネルギーを秘めてるのよ。素敵だと思わない?」


ピンクの髪の女の人はその石を月の光で照らすと、キラキラと目を輝かせる。


「戻せて言っているのが分からないのか!さては貴様泥棒か!」

「泥棒にしては可愛すぎると思わない?安心して、これの価値はあなた達には理解できないから」

「何だと、その価値になら知っている。アイガス様のコレクション品だ。だからこそ守り切らなければならない」

「大丈夫よ。ちゃんと代わりの物は用意してあるから。ほら、こうすれば元通りでしょ?」


ピンクの髪の女の人は事前に用意してあった、琥珀色の宝石を胸から取り出すとそれを金の箱の窪んだ部分にくっつける。


「ほらね、完璧でしょ?」

「ふざけるのも大概にしろ!戻さなければお前を攻撃するぞ!」


警備隊長はそう警告すると魔法陣を展開させる。

だがそれでもピンクの髪の女の人表情は変わることなく、冷静に話しかける。


「うーん、返してって言っても見た目は何も変わらないわ。だから私がわざわざ石を返さなくてもいいんじゃないかしら」

「そう言う問題ではない!その石ではなくては駄目なんだ!現場を見た以上、引き下がるわけには行かない!」

「お仕事に情熱を持って励むのは素晴らしい事だけで、それで命を捨てるのはもったいないと思わない?」


ピンクの髪をクルクルと指で巻き取ると警備隊長に向かって微笑む。

それを見た警備隊長は険しい表情でピンクの髪の女の人を睨みつける。


「何だと?」

「残念だけどこれを返すわけには行かないわ。この価値は記憶を失ったあなた達には決して理解出来ないもの。だけど安心してもうじき記憶は取り戻すから、そうね数時間後には全てを思い出すはずよ」

「さっきから何を言ってるんだ!」


そう言うと警備隊長は瞬時にピンクの髪の女の人に向かって魔法を放つ。

そしてそれと同時にある声が聞こえてくる。


「残念、あなたはもっと賢いと思ったのに」


警備隊長がその言葉を認識した時、すでにピンクの髪の女の人は後ろの立っており、警備隊長は首を無くした体を地面に倒した。


「あまりこういう事はしたくなかったんだけど、まあいいわよね。どうせ半獣はこの世から消されるんだもの」


その言葉を残してピンクの髪の女の人はその場から消えたのだった。


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