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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十七章 さよなら、ミノル
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エピローグ 最初のターゲット

かつが試練を行っていた時、ミュウラの元に一人の王が来ていた。

それは不気味な笑みを浮かべていて、全ての王の中でも飛びぬけた存在であるガルアだった。

ガルアの突然の訪問も物ともせず、ミュウラはじっとガルアを見ていた。


「それで、何の用ですの?」


その静寂を最初に破ったのはこの城の主のミュウラだった。

ガルアはその質問に笑顔で答える。


「今日来たのはお知らせを言いに来たんだよ」

「お知らせ?突然の訪問をするほどの重要なお知らせと認識してよろしいですか?」

「ああ、早く教えたくてうずうずしててな」


そう言うとガルアは椅子から立ち上がり、窓から景色を見る。


「それにしても今日はいい天気だな。青空で心地よい風も吹いてる。こういう時はどこかでのんびりとピクニック何て良いな」

「どうつもりですか?ただの世間話なら、帰って——————」

「いよいよだ」

「っ!」


突然の話の切り返しにミュウラは違和感を覚えた。

するとガルアはゆっくりとミュウラの方に体を向ける。


「それにはもう少し、魔力が居るんだ。お前は昔言ってたよな、計画の為に何でもすると」

「私はもう、計画とは関係ないと言ったはずですが」

「途中で降りるのなんて無しに決まってるだろ?まあ、降りたければ勝手に降りればいい。俺も勝手にお前から魔力を奪うから」


そう言ってガルアはミュウラに銃口を向ける。

それを見てミュウラも立ち上がり思わず後ずさる。


「本気で私を殺すつもりですか」

「お前はよく頑張ってくれた。常に下克上を狙っていたお前の野心は賞賛に値する。だけど、今のお前は変わってしまった。変化を求めず安定を選んだ。それは俺達が目指す世界には必要のないものだ」

「神は言っています。私を殺せば後悔すると」

「安心しろ。その神も俺達の味方をする」


ガルアは銃のロックを外して引き金に指を置く。

それを見てミュウラはさらに警戒する。


「私は死なない。まだ死ねないの」

「命が急に惜しくなったか?それとも護衛の奴らと仲良しごっこでもして情が移ったか」

「っ!あの子達には危害を加えてないですよね」

「安心しろ。全部終わったら、一緒所に連れて行ってやるよ」

「っ!ガルア!!」


ミュウラが怒りに任せて攻撃をしようとした瞬間、ガルアは躊躇うことなく引き金を引いた。

そして、まっすぐミュウラの心臓めがけて弾は飛んで行った。

そして直撃する——————


「水面水飛沫!!」


鞭のようにうねる水の剣はその柔らかさとは対照的に弾丸を跳ね返した。

その瞬間、ミズトとナズミが王の間に押し掛けてくる。


「ミュウラ様!ご無事ですか!!」

「ガルア様、何でミュウラ様を……」

「あなた達どうして」

「なにか嫌な予感がしたので、勝手ながら部屋の外で待機していました」

「へえ、さすが元十二魔導士。大事な主をしっかりと守ってるみたいだな」


ガルアは喋りながらももう一度弾を装填する。


「ミュウラ様を殺そうとする何て、島の王とは思えない行動ですねガルア様」

「島の王だからこそ、俺はやるべきことをやってるんだよ」


そう言ってガルアは銃口を三人に向ける。

それを見てミズトとナズミは警戒モードに入る。


「ナズミ、あの妙な機器は嫌な予感がするわ。警戒しながら行くわよ」

「はい、お姉さま!」


2人は初めて見る物に警戒しつつミュウラを守るように前に出る。

するとガルアが拳銃のトリガーに指を掛けた瞬間、ミュウラが前に出る。


「待って!この子達は関係ありません」

「ミュウラ様!?何をおっしゃって」

「あなた達は逃げなさい。そして、この事を出来るだけ多くの王に伝えて」

「何を言ってるんですか!ミュウラ様はどうするんですか!」


ナズミは心配そうにミュウラを見る。

するとミュウラは今までで一番の笑顔で二人を見る。


「私は出来るだけ時間を稼ぐから、後は任せたわよ」

「嫌です!私は絶対にミュウラ様を見捨てません!ここで置いて行くなら私も残ります!」

「お姉さまと同じです!私達に最後まで守らせてください!」


すると突然ミュウラは2人を抱きしめる。


「最後まで私の言う事を聞いて欲しいの。これだけは覚えて欲しい。最初は上だけを目指していたけど、あなた達と出会って、一緒に過ごしていくうちに愛情のような物が芽生えたの。これは本当よ」

「ミュウラ様……」

「生きて、私の大切な子だから。生きて幸せになりなさい。これは王としてではなくミュウラとしての願いよ」

「嫌です!いくらミュウラ様の願いでもそれは受け入れられません!」

「ナズミ行くわよ」


ミズトはそう言うとミュウラから背を向ける。


「お姉さま?」

「良いから、行くよ!」


そう言ってナズミの体を掴む。


「嫌です!お姉さまどうして!」

「ありがとう、ミズト。あなたはやっぱり優秀な子ね。頼んだわよ」

「私はミュウラ様の護衛ですから。それは絶対に消えることない名誉ですから!今までお世話になりました!!」


ミズトはそう言うとナズミを抱えてその場から去って行った。


「お別れの挨拶はもういいのか」

「随分と待ってくれましたね」

「これから死ぬのにお別れも言えないのはさすがに可哀そうだろ」

「死ぬのはあなたの方かもしれませんよ」


そう言ってミュウラは巨大な魔法陣を展開させる。


「5分て所か。早めに済ませるぞ、後もつっかえてるんでな」

「死を受け入れた私は手ごわいわよ」


その瞬間、巨大な魔法同士がぶつかる衝撃が響き渡った。

ミズト達はその音を聞いても振り返ることなく前に進んでいった。


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