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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第三章 黒いモンスターの謎
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その十五 昔の過ち

「おっお前は誰だ!」


足がすくんで動かない。

こいつはやばい、俺の本能がそう言ってる。


「俺か?俺の名前はトガ!黒の魔法使いって言ったほうが分かりやすいか」

「黒の魔法使い?」


聞いたことがないな。

でもその名前を堂々という辺りなにか特別なものなのだろう。


「はぁ!?テメェ黒の魔法使い知らないのかよ。常識なさ過ぎだろ」


そんな事言われても。

俺はこの島の住人じゃないという言葉が出かかったが何とか飲み込んだ。


「まぁいいか!とりあえず殺ろうぜ!」


その瞬間恐怖が俺を襲った。

会った時から俺に向かって殺気を出していたがそれよりも強い殺気だ。

多分こいつは強い。

一言一言が自信に満ちている辺り絶対に勝てるって思ってるのだろう。

俺とは全く縁のない考えだな。


「それじゃあまずは俺から行くぞ!」

「ちょちょちょっと待ってくれ!」

「あ!?何だよ」


多分戦っても勝ち目はない。

ていうか魔法使い同士の戦いじゃ俺は圧倒的に不利。

だったら話し合いしかない。

そして隙をついて逃げる。

それしかない!


「えっと俺まだ黒の魔法使いってどんなのか理解してないんだけど」

「は!?そんなのどうでもいいだろ!とりあえず殺ろうぜ」

「でっでもちょっとモヤモヤするのもやだし、こっちもやる気にならないだろ?」

「チッ!分かったよ。説明すればいいんだろ!説明すれば」


よし!何とか話し合いに持ち込んだぞ。


「黒の魔法使いはまあ……簡単に言えばこの島を変える組織だ!」

「島を変える組織?」


なんかヤバそうな組織だな。


「その通りだ!俺達はこの島に違和感を感じてる!それは皆が平等じゃない事だ!お前も見ただろう人間が今どんな状況になってるのか」

「確かに今の人間の状況はあんまり良くないな。でもあれは昔人間と半獣との戦争のせいって聞いたぞ」

「はははは!もうその時点で間違ってるんだよ!」

「間違ってる?どういう事だ」

「これ以上は言えないな!だけど俺達黒の魔法使いはこの世界の間違いを正そうとしているそのための作戦としてそいつを作ったんだよ」

「そいつ?」


俺はトガが指差している方を向いた。

そこは焼け焦げた黒いウシが横たわっていた。


「まさかあの黒い模様って―――――」

「そう!あれは俺達が作ったモンスターだ!」

「だから最近黒いモンスターが出てたのか」


こいつらの目標は聞こえは良いがやり方はあんまり良くなさそうだな。


「そういえば確認しとかなきゃいけないんだったな。お前は黒いスライムを倒した事があるか」

「なっなんだよ急に」


何かこの質問前にされた気がするな。

そうだ!確か道場が終わったあとの帰り道でフードを被った男に話しかけられたな。

雰囲気がどことなく似てるし多分同一人物だろう。

トガはその時の事を覚えているのか?


「お前レベル1の魔法使いだろ?レベル1の魔法使いが黒いスライムを倒したことは分かってんだよ」

「なっ何でそんなこと分かるんだ」

「言っただろう。俺達はこの島を変える!だったら邪魔な奴は全員倒す!」

「それって俺も含まれてるのか?」

「当たり前だろ!ということで早速殺ろうぜ!」


しまった!またその話になってしまった。

話題を変えなきゃ。


「えっと……その前にお前が何者なのかについて――――――」

「それじゃあ行くぞ!」


駄目だ!こいつはもう話を聞かない奴だ!


「まずは挨拶だ!グランドファイヤ!」


巨大な炎の渦が物凄い速さで向かってきた。


「うわぁーーー!あっつ!なんちゅー火力だ!」


ギリギリ避けたけどそれでもかなりの熱さだ。

これは直撃したら丸焦げだぞ。


「まだまだ行くぞ!」


その後も休む暇もなく魔法を撃ち続けてきた。


「ほっ!よっ!は!」

「〜〜〜!ちょこまか動くんじゃねぇ!真っ向から来いよ!」

「そんなこと言ったってお前の攻撃を跳ね返せる魔法なんてないしそもそも俺はレベル1だぞ!勝てるわけ無いだろ」


ここは隙を見て逃げるしかないだろ。

俺が逃げる気を伺っていると急にトガが魔法を撃つのをやめた。

急にどうしたんだ、もしかして魔力が切れたのか。

もしそうなら好都合だ今のうちに逃げよう。


「つまんねえー」

「は?」


こいつ急に何を言ってるんだ。


「お前さレベル1のくせにあの黒いスライムを倒したんだろ。少しは楽しめると思ったらまさかのただの弱虫だったとはな。がっかりだぜ!」

「なっ!?おっお前に言われたくねえ!お前だって自分がレベル高いのにレベルの低い俺を攻撃するなんて大人気ないな!」


するとトガが俺のことを鋭い目で睨んできた。

なんて目だ。

今なら蛇に睨まれた蛙の気持ちがよく分かる。

俺は一瞬怯んで後ろに後ずさった。


「テメェ甘ぇ事言ってんじゃねぇぞ。この世界は殺るか殺られるかだろ!いちいちレベルのことでうだうだ言ってんじゃねえ!」

「そっ……そんなこと言ったって……」

「だぁーーーもう面倒くせぇ!お前ずっと逃げの人生を歩んできただろ。分かんだよ、逃げるのが体に染み付いてんのが」

「なっ何言って――――」

「お!図星だな。声が震えてるぜ」


俺は反射的に口を抑えた。

俺が逃げてる?

そんな事はないただどうしようもないってだけだ。


「辛い事とか嫌な事とか全部逃げてきたんだろ」


違う……


「そうやって逃げて来たから今も逃げようとしている」


違う


「もう逃げることに抵抗なんてなくなっちまったんだろ!お前は弱虫なんだよ!」


違う!


「だから俺にも勝てないそうだろ!!」

「違うって言ってんだろ!!!」


その口黙らせてやる!

俺はトガに突撃しただが……


「ぐうぇ!!」


あっという間に首を掴まれそのまま持ち上げられた。


「今のは良かったぞ。でもそれじゃあ駄目だ。今のはただ怒りに任せて突撃して来ただけだろ。ちょんと自分の気持ちで来ないとだめだぜ」

「うるせぇーー!お前に何が分かるんだ!いいからこの手を離せ!」

「黙って聞け!」

「ぐはっ!ゲホゲホ!」


俺は腹を思いっきり殴られた。


「テメェは弱いそうだろ」

「おれは弱くなんて――――ぐはっ!」

「弱いだろ?」


こんなのただの拷問だ。

自分が納得しない回答だったら殴る。

俺の意思なんて関係ない。


「俺は……弱い」

「そうだよな。弱いから逃げたそうだろ」

「………そうだ」

「つまり逃げたのはしょうがない事そう思ってんだろ」

「そっそう―――――うごっ!!」

「違うだろ?お前はまだ勝てる方法があったにも関わらず逃げた。それは諦めたからだろ」

「ちっ違う!俺は諦めたわけじゃない!あれはどうしようもなかった!そう思っただけだ」


そう俺は間違っていない。

間違った選択なんてしてない。


「それを諦めたっていうんだよ」

「な!?」

「しょうがない?どうしようもなかった?そうやって自分に言い聞かせて納得してるだけだろ。テメェはそうやって逃げてるだけだ」


俺は逃げていた。

違う俺は間違っていない!

俺は悪くない!


「ホントは気付いてんだろ。自分の間違いに」


俺は……俺は……


「お前は何がしたいんだ?」


俺は……

『お前の名前絶対かつって言うんだ』

『てことは勝負事には絶対勝てるってことか!』

『そういう事なの?』

『それは………』

小学生の頃まだ純粋な子供だったのもありみんな俺の名前に食いついた。

俺はそんな皆の質問の意味が分からなかった。

俺はそのせいで黙ってしまった。

それがいけなかったのだろう。

俺はその後いじめの対象にされた。

それから俺の人生は狂った。

もしあの時ちゃんと言葉を返していたらもしかしたら違った人生を歩んでいたのかもしれない。

でももう遅い、あの時返事をしなかった俺が悪かった。

いや違うな、本当はチャンスは沢山あった。

変われるチャンスはいくつもあった。

でも俺はそのチャンスをものに出来なかった。

逃げたんだ。

自分は間違ってないと思いたかったでも違うホントは怖かった。

皆の視線が言葉が怖くて逃げた。


「ホントは俺はただの弱虫だった……」

「何だ?ずっと喋んねえから死んだかと思ったぜ」

「俺は自分が正しいって思いたかっただから逃げた。現実から逃げて本当のことから逃げた」


でも……もう俺は……


「そうかよ!」


俺はそのまま空中に放り出された。

俺はそのまま地面を転がった。

昔にはもう戻れない。

だったらもう昔のことを考えるのはもうやめた。

考えれば考えるほど苦しくなるだけだ。

今俺のすべき事はそんな事じゃない。


「今俺のすべきことは………お前を倒すことだ!」

「へ!いい〜顔つきになったじゃねぇか!絶対かつ!」


俺はもう逃げない!



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