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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十七章 さよなら、ミノル
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その二十 もう一つの秘密の部屋

「ここでもないか……」


俺は風間から渡された地図を頼りに、怪しい場所を探していたが未だこれと言った物は見つかっていなかった。


「何処も物置部屋とか食糧庫とかどうでもいい場所しかないじゃねえか。本当に怪しいと思ってんのかよ」


残りは後二つ、この場所は……


「ガルアの部屋とラミアの部屋?」


おいおいマジかよ、確かに怪しげな部屋ではあるけど本当にあるのか?

何か秘密が隠されていたとしたら、ガルアの方がありそうだよな。

とりあえず考えてる時間がもったいない、ガルアの部屋は三階か。

俺は階段を上がって三階に向かう。

この角を曲がれば部屋に


「おっと!」


俺は人影を見つけてすぐに角に隠れる。

ガルアの部屋の前に誰かいるな、あれは……ミレイか。

さすがガルアの護衛だな、厳重な警備をしてやがる。

だがそれは逆にあそこに何かが隠されてるってことだよな。


「どうにしかして行きたいところだけど、どうすれば……」


待てよ、そういえばあいつガルアの悪口言われたらめちゃくちゃ切れるよな。

試してみるか。


「ガルアのクソ、馬鹿、ちび」


俺はなるべき小声でその言葉を喋った。

その時、強烈な寒気が全身を襲った。


「誰だー!ガルア様の悪口を言うクソゲス野郎はー!」

「ワープ!!」


俺はすかさず入れ違う様にしてその場から回避する。

そのままミレイは怒りに我を忘れて走り去っていった。


「こ、怖すぎんだろ。小声で言ったのに聞こえるのかよ」


とりあえず、ミレイを離れさせることには成功した。

これで部屋の中に入れるはずだ。

俺はドアノブに手を掛ける。

扉は呆気なく開いた、鍵もかけてないなんて不用心だな。

まっ今は好都合だけどな。


「人はいないよな……よし」


俺は扉を閉めると近くに置いて合った物を動かして、扉を塞ぐ。

これで時間は稼げるだろう。


「さてと……どこに秘密があるんだ」


ガルアの部屋は特に目立った物はなく。ベッドや本棚、机などの普通の部屋しかなかった。


「こういう時は大体本棚に秘密が隠されてるよな」


俺は本棚をくまなく探す、だが変に空いている場所はなく棚には本がびっしり詰められている。

逆にそれが怪しいけどな。

俺は本棚から一つ一つ本を取り出す。

本の内容は魔法やモンスター図鑑、歴史や町のガイドブックなど様々な物があった。

統一性がないのは色々な本を見るのが好きだからか、単に本を棚に埋めるのが目的だからか。


「全部出してみるか」


俺はとりあえず全部の本を棚に取り出そうとした時、引っかかってるのか取れない本があった。


「何だこれくっ付いてるのか?」


いくら引っ張っても取れる気配はない。

つまりこの本棚には何かしらの仕掛けがあるという事だ。


「これが抜けない本か」


俺は全ての本を本棚から取り出して出すことが出来なかった本が四つほどあった。

これらを引く順番があるのか?

とりあえず情報を得る為にも適当に引っ張るか?

俺はそう思い試しに本を引っ張ろうとした瞬間、ある考えが頭によぎった。


「……やっぱり考えるべきか?」


もし一度でも間違えたら警報装置とか罠が発動して閉じ込められたりとかするかもしれない。

警戒はした方が良いよな、でも最初引いた時は何も起こらなかったし、大丈夫なのか?

で間違えられる回数が合って、それが次で最後だとしたら。


「いや考えてる場合じゃないだろ。時間が無いんだ」


本の色は赤、青、緑、黄の四種類、色以外にはこれといった特徴はない大きさも同じで形も一緒、色の順番で引くとしたら赤が妥当か?

だとしても法則性が分からない、この色に沿った何かがあるのか。


「赤、青、緑……赤と言えば燃えてる?炎か?青は水?緑は草?いや、風だ!これは魔法を現してるのか!」


そうだ、赤は火、青は水、緑は風、黄は雷か。

こう考えた場合、引く順番は恐らく相性のいい順番とかか?

風は水に強く、水は火に強く、火は雷に強く、雷は風に強い。

その場合、最初に引くのは王道だと火か?

火が一番上にあるし普通はそうだよな。

ていうかそれ以上のヒントが無いから、もう運だな。


「よし、行くか」


もし何か起きた場合の為に俺は魔力を込める。

そして赤色の本を引いた。


「……何も起きない?」


一応成功なのか?少なくとも罠は発動してないしな。

俺は続けて黄色を引く、その後も何も起こらずに緑を引いた。

そして何も起こらなかった。


「最後に青を引けば仕掛けが動き出すのか?とりあえずやってみるか」


俺は最後に残った青の本を引く。

だが何も起きなかった。


「あれ?嘘、もしかして間違えたのか?もう一度やり直して」

「何してるの、絶対かつ」


その声が聞こえた瞬間、扉が吹き飛ばされた。

そしてそこにはミレイの姿が合った。


「ミ、ミレイ!」


まずい!この状況を見られた、くそ後もう少しのはずなのに。

この奥に絶対何かがあるはずだ、でもこの状況でこの仕掛けを解くことは出来ない。

出も何も情報を得ずに帰ることは出来ない、いっその事この棚ごと吹き飛ばすか。


「妙な真似をすればすぐに敵と見なすぞ。絶対かつ、貴様はここで何をしているんだ」

「えっと……ラミアとかくれんぼしててさ。ここに居ないかなと思って」

「かくれんぼか。ラミア様が本棚の隙間にでも隠れたと思っていたのか」

「そ、そうんなだよ。中々見つけられなかったから、もしかしたらと思って」


その時、冗談ではない本気で敵を見るような目で俺を見てくる。

これはもう無理かな。


「貴様何者だ」

「何者って俺は絶対かつだよ」

「私が知っている絶対かつはただの魔法使いだ。それでお前は何者だ」


その瞬間、ミレイから強力な魔力を感じ取れた。

次の瞬間俺が何をしようともミレイは攻撃を仕掛けてくるだろう。

ちくしょうこうなったら、戦って勝つしかないか。

ミレイにはあとで謝ればいい、今優先すべきことはこの島の秘密を探ることだ。


「ちょっと待て!」


その時、ハイトが部屋の中に入って俺達の間に立つ。


「ハイト何でここに」

「それは俺がガルア様に使えてるからに決まってんだろ。とにかく何が起きてるか分からないが、争う気なら見逃せないぞ」

「邪魔をするなハイト。私はこの男を殺さなければならない」

「いいから!ここは何もするな。分かったな?」


ハイトはミレイに念を押すとそのままミレイは魔力を込めるのをやめる。

助かったのか?


「ありがとうハイト」

「礼はいい。お前ももう帰れ。ラミア様には俺から説明しとく」

「え?でも」

「でもじゃねえ!いいから何もするな」


何だ、もしかして何かを知ってるのか。

とりあえず、ここに何かがあるってことだけでも覚えておくか。

これ以上はもう無理みたいだからな。


「分かったよ。それじゃあ」


俺は2人に背中を見られながら、部屋から出て行った。

とりあえず、風間と合流するしかないか。

あいつは今どうなってんだろうな。


———————

「なんだそれは?」


ガルアが放った弾は俺の体を貫通することはなかった。


「そっちの情報を俺が知らないと思ってなかったのか?銃持ちには防弾チョッキが一番だ」


防弾チョッキに阻まれた弾はそのまま床に転げ落ちる。

俺はその弾を拾って観察する。


「ただの弾丸じゃないな。死ぬだけじゃすまなそうだ」

「当たり前だ。ただで殺すわけないだろ。この銃の性能はもう試してあるからな」

「1人じゃないってことか?」

「ああ、お前で最後だ」


そう言ってガルアは不気味な笑顔を見せる。

その瞬間、ガルアから殺気が感じ取れた。


「ライトニングアロー!」


俺は銃に向かって魔法を放った。

そしてそのまま、窓から飛び出した。


「バカな奴だ。苦しみが続くだけなのにな」



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