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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十七章 さよなら、ミノル
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その九 無理

ウキャと言う白ゴリラのモンスターに連れられて、俺は開けた場所に出る。

そこに沢山のサルやゴリラが騒ぎ立てていた。


「静かにするッキャ!!」


ウキャの一喝で騒いでいたモンスターたちが静かになる。

本当にこのモンスターのリーダーなのか。


「改めて自己紹介するッキャ。ウキャはウキャだ。この山の主でもある」

「俺の名前は絶対かつだ。ミノルと共にこの山に飛ばされた。ミノルはどこに居るんだ」


今の所周りにミノルの姿はない。


「安心しろ。絶対かつの仲間には手を出してないッキャ。おい!」


ウキャが一声かけると数匹のサル達が奥に消えていく。

そして戻って来た時にはミノルを運んできた。


「ミノル!!」


俺はすぐにミノルの元に向かう。

傷つけられた痕跡も無く、まだ眠った状態だった。


「はあ、よかった。ごめんなミノル。一人にしちゃって」

「どうだ?何もしてないッキャ」

「確かにそうだな」


すると、ウキャがサルたちに何か合図を送るとミノルを連れて奥につれて行った。


「おい!」

「待つッキャ!」


追いかけようとした俺に怒鳴り声をあげる。


「自分で言っただろ。決闘に勝てばミノルを解放して欲しいと、だからそれは決闘に勝利するまでお預けッキャ」

「何もしないならそれで文句ない。約束はちゃんと守ってもらうぞ」

「そっちもキャ。それじゃあ、早速始めるキャ!!」


そう言ってウキャは構える姿勢に入る。

それにより威圧感がびりびり伝わって来る。


「ああ、はじめよう」

「ウーキー!」


一匹のサルが手を叩いた瞬間、決闘が始まった。

大歓声の中、ウキャは目の前から姿を消した。


「ワープ!!」


俺は急いで空中に回避する。

その瞬間、ウキャの拳が空を切る。

そして風圧だけで近くの木が吹き飛ばされる。


「どんだけ強いんだよそのパンチ!」


あいつの身体能力ははるかに上だ。

つまり、あいつと同じように戦ったら俺が絶対負けると言う事だ。

だったら、俺はあいつには無い魔法で戦うしかない。


「ふん!!」


ウキャは空中に居る俺に向かって木を投げつけてくる。


「ファイヤーボール!!」


炎の魔法で木を破壊して何とか回避する。

だが、もうそこにはもうウキャの姿はなかった。


「っ!?」


その瞬間、後ろに殺気を感じる。

俺はすぐさま後ろを振り返るがそこにはウキャの姿がなかった。

どこいった!?

その事に思考を巡らせた瞬間、ウキャの声が聞こえてくる。


「おら!!」

「上!」


俺はウインドウで自分の体を動かしてその攻撃を回避する。

だがそのことも分かっていたのか俺が避けた方向に拳を繰り出そうとする。


「インパクト!!」


俺は焦ってインパクトを使ってしまう。

そのまま地面に着地して次の攻撃を待つ。


「この程度の威力でウキャを倒せると思っているのキャ?」

「今のはほんの準備運動だよ」


と言ったものの結構強めに撃ったんだけどな。

やっぱり硬さは別次元だな。

今の状態じゃ足で避けるのも厳しい、だけど魔力を使いすぎるのも良くない。


「どこ行った!」


目を離してはいない。

動くスピードが速すぎるんだ。

その時地面に次々と足跡が現れる。

くそ、どっから攻撃してくるんだ!

視覚で見たら絶対に避けられない、さっきだ殺気を感じるんだ。

冷静に集中して‥‥‥見えた!左からの蹴りだ!

左を向いた瞬間、ウキャがこちらを攻撃しようとしていた。


「ジャスト!カウンター!」


俺はその時を見逃さず、すかさずカウンターを決める。


「うぐ!?」


それによりウキャの体が吹き飛ばされる。


「はあ、はあ、はあ」


カウンターは効くのはデカい、でも魔力の消費が大きい。

使いすぎると、すぐに魔力が無くなる。

とにかく、カウンターが使えるならこの場にとどまって攻撃を跳ね返せば、傷を少しでも回復できる。


「ウキャの攻撃を弾き返す技キャ、それなら」


するとウキャは近くの木を引っこ抜きそれを紙のように丸めて、こちらに投げてきた。


「くそ!」


そりゃそうだ!

飛び道具も使ってくるのを忘れてた。


「そんなもんキャ!」


またもや高速で俺の間合いを詰めていく。


「決闘を申し込まれた時、奥の手を隠していると思ったがただの勢い任せキャ!!」


超高速の連打攻撃が襲ってくる。

その全てを受けることは今の俺には出来ない。


「ワープ!」


俺はすぐさま距離を取る。


「逃げるだけッキャ!」


その時、ウキャがワープした方向に木を投げつける。


「しまっ――――――っ!?」


避けることも出来ず投げつけられた木に当たる。

それによりバランスを崩してしまう。

その隙を決して見逃さずウキャはこちらに一蹴りで詰めてくる。


「これで終わりッキャ!」


俺は背中に魔法陣を展開する。


「インパクト!」

「なっ!」


俺は地面に向かってインパクトを放つ。

それにより地面が大きく揺れウキャの攻撃が中断される。

さらに地面の揺れは激しくなる。

すると周りのモンスターが慌て始める。


「な、何だ?」

「まずい、土砂崩れッキャ!」


その時、土の荒波が木を次々で飲み込みながらこちらに近づいてくる。


「しまった、俺のインパクトのせいか!」


まずい、このままだとミノルも巻き込まれる。

早くミノルと逃げないと。


「どこ行くッキャ?」

「どこって逃げるんだよ!お前も巻き込まれるぞ!」

「決闘をしているのに逃げるッキャ?なら絶対かつの負けでいいのキャ?」

「そういう問題じゃないだろ!死ぬぞ!」

「まあ、見てろ」


そう一言だけ言うと、ウキャは土砂の方を向く。

そして、拳を構えて地面りめり込むくらいの踏み込みをする。


「白猿砲!!」


その瞬間、力を込めたただのパンチが強烈な風圧と共に土砂を全て吹き飛ばした。


「う、嘘だろ!!」


そして一本の道が出来、山が少し削れた。


「これで大丈夫、さて決闘を再開するッキャ」


これ俺勝てないかも。



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