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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十六章 決着サキン村事件
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その二十二 託したバトン

「目を覚まさせる。何を言ってるんだ、俺はずっと正気だよ」

「どこが正気だよ。目が血走ってるぞ。今のお前はただの殺人鬼だよ」

「どうとでも言えよ。すでに俺は普通を捨てた身だ。いまさら何言われようとも、引く気はないぞ」


ハイトとリドルはお互い睨み合っている。

この2人は元々友達だったんだよな。

まさかこんな形で再開することになるなんて、お互い思ってもみなかっただろうな。

それにしてもハイト、任せろって言ったけど何をするつもりだ。


「一つ質問させてくれ。何でリドルなんて偽名を名乗ってんだ。復讐をするのに偽名を使う必要はないだろ。それとも名前を聞かれちゃまずい相手でもいたのか」

「深い意味はない。ただ、人を殺すって言う犯罪を犯すのを俺の母は許さないと思って、名前を変えれば母の息子のタクトを傷つけずに済むと思っただけだ」

「そうか、グランドファイヤー!!」

「っ!」


するとハイトはいきなりリドルに向かって炎の魔法をぶつける。

それにリドルは抵抗することなく真正面から受ける。


「苦しそうだったから回復してやったぞ。まったく不便な体になったな」

「これも復讐のためだ」

「確かに、仲間であるこいつらはお前を殺すことを良いと思ってないから、全力で助けるだろう。だけど」


その瞬間、ハイトは一気に間合いを詰めてリドルの腹を殴る。


「ぐおっ!!」


リドルは予想してなかったのか思わぬ一撃を喰らい悶える。


「俺はお前の仲間じゃないし、俺の友達はタクトだ。お前がリドルだって言うなら俺とお前に接点はないしな。俺は遠慮しないぞ」

「ちょっとハイト、私達の仲間に手を出さないでよ!」

「そうだぞハイト!お前が何とかするって言ったから任せたのに」

「安心しろ。別に殺そうとは思ってない。ただ俺自身で調べたくてな、リドルが本当にしたい事を」


そう言ってハイトは不敵な笑みを浮かべる。


「ライジングサンダー!!」

「っ!ロックスタンプ!」


リドルが不意打ちで魔法を放つもハイトが何とかそれを防ぐ。


「したいこと?そんなものさっきから言ってるでしょ!俺は復讐をしに来たんだよ!」

「ウオーターウエーブ!アイスリンク!」


水の波がハイトに襲い掛かる前に氷の魔法で凍らせる。


「アグレッシブフルート!アグレッシブフルート!!」


連続の風の魔法で氷を砕いて大量の氷柱が風によって吹き飛ばされる。


「グランドファイヤー!!」


巨大な炎に包みこまれてすべての氷が解ける。


「そうかよ。でもそれはリドルだろ。タクトは何て言ってるんだよ」

「なんだと」

「それがお前の本音だって言うのならそれまでだ。でもタクトならこんな決断しないはずだぞ」

「うるさいな!友達だっただけで俺の全部を理解したみたいに言うなよ」

「本当に復讐をしたいなら、おまえなら見つけた瞬間から殺してる。でも今のお前はずるずると長引かせて、回りくどいやり方で殺そうとしてる」

「俺の復讐のやり方に文句があるのか」

「違う。俺はお前の考え方に文句がある。何でこのタイミングで暗殺を実行しようとしたんだ。何がお前を動かしたんだ。教えてくれよ、リドル」


ハイトの異様な圧にさすがのリドルのすごんでしまう。

なんだろう、今のリドルに少し違和感を感じるのは。


「何を探ろうとしてるんだ、ハイト」

「別に探ろうとしてるんじゃねえよ。ただの疑問だ」

「その疑問に答えたところで俺に特はないだろ。これ以上は話し合っても無駄だ。退け、ハイト。これ以上邪魔をするなら容赦はしないぞ」

「気にするな。俺はお前よりも強い」


その瞬間、お互い魔法陣を発動させる。


「シェイクウインド!」

やられたらやり返す(カウンターアタック)!」


鋭い風の刃がハイトを切り刻んでいく。


「ハイト!!」

「俺の邪魔をするからこうなるんだ。っそろそろやばいな」

「おい、何処に行くんだよ」

「っそう簡単に死なないか」

「死ぬ?何言ってんだよ。今の魔法で俺を殺そうとしたって言うのかよ」


ハイトはかっこつけてはいるがダメージは入っているはずだ。


「やられたらやり返すは耐久型のオリジナル魔法だったな。また長期戦に持ち込むつもりか?」

「リドルが俺は殺せば短期決戦だぞ」

「舐めるなよ!!キルトルネード!」


体中切り刻まれながら上に吹き飛ばされる。


「ロックスタンプ!ライトレイン!」


岩がハイトの体を押しつぶし、光の矢の雨がハイトの体に突き刺さる。


「ね、ねえあれ死んじゃいますよ。止めなくていいんですか!筋肉だるまの友達なんでしょ!」

「俺だって助けたいさ、でも‥‥‥黙ってろってだから俺は何も出来ないよ」

「何ですかそれ!黙ってろって言われて黙るなんてとんだ意気地なしですね!」

「意気地なしで結構!黙ってろって言われたら信じて待つのが漢だろ!」

「な、何ですかそれ」


鼻息をたてながらハムスは2人の行方を見守る。


「マキノ、多分ハムスも心配なのよ。だってハムスにとっては2人は大切な友達だし、心配でたまらないと思うの」

「まあ、確かにそうだけど」

「それにハイト多分だけど私達に何かを気付かせようとしてると思う」

「私もそう思うよ~無策でこんなことしないと思うし~」

「私達も信じましょ」


そう言ってミノル達は2人の戦いを見守ることを決めた。


「ファイヤーバインツ!アイスロック!」


ふらふらになり立ち上がったところにさらにリドルは魔法で追い打ちをかける。


「はあ、はあごほっごほっ!早く殺さないと‥‥‥」

「おい待てよ」

「っ!うぐっ!」


その瞬間、ハイトはリドルの胸蔵を掴む。


「こんな殺意も籠ってない魔法で俺を殺せると思ってるのか!!」

「っ!?」

「殺したくない癖に殺したいとか言ってんじゃねえよ!やられたらやり返す(カウンターアタック)!!」


ハイトの怒りの一撃がリドルの胸に突き刺さる。


「はあ、はあ、やっぱり効かないか」

「ハイト!もう大丈夫だ!」


そう言う事だったんだな、ハイトが俺達に伝えたかった事。


「後は俺に任せてくれ」



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