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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十六章 決着サキン村事件
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その十七 伝えたい言葉

その頃ミノルとリドルは激闘を繰り広げていた。


「逃げてばかりじゃ勝てないぞ!かかって来い!」

「私は勝ちに来たんじゃないの!決着を付けに来たの!」

「俺もそうだ!決着を付けるためにミノルを殺すんだよ!!」


その瞬間、ミノルの頬に風の刃がかすめる。

一瞬も気の抜けない状況でなおミノルはリドルに一撃も与えていない。


「私とリドルの解釈は違うみたいね」

「なら何に決着を付けに来たんだ!!」

「あの日の事件によ!」


その時リドルの動きが止まる。


「あの日の事件。何を決着を付ける必要がある。お前は俺のお母さんを殺したんだぞ!」

「それは本当にごめんなさい!でもそれしかあなたのお母さんを助けることが出来なかったの!」

「うるさい!今更言い訳なんて聞きたくない!あの日俺は誓ったんだ。俺の幸せと居場所を奪ったお前に必ず復讐すると!そのための技術も学んだ」


すると目の前から突然リドルが消えた。


「っ!?気配が消えた?」

「後ろだ」

「っ!」


ミノルが声が聞こえた方に魔法陣を出現させる。

だがすでにそこにはリドルの姿がなく、気付いた時には首を絞められていた。


「っ!い、いつの間にっ!」

「この技術は裏社会の人に教わりました。気配の消し方や足音の消し方など相手に気付かれずに、追跡するには必要な技術でしたから」


そう言ってリドルはミノルを解放する。


「はあ、はあ、それなら何で暗殺しなかったの。それほどの技術なら簡単に殺せたでしょ」

「それじゃあ意味がない。俺が本当に学びたかったのは気配の消し方でも暗殺の技術でもない。感情の制御の仕方だ」

「なるほどね。つまりリドルは私をただ殺したいってだけじゃないのね」

「そうだ。お前には俺と同じ苦しみを味わってもらう。永遠に続くと思ってた幸せが終わる苦しみを味わわせてやる!かつさんは来てるんだろ。あの人は絶対に仲間を見捨てないから、必ずここに来る。そこで見せてやるよ、俺の復讐を!」

「奪わせないわ。仲間の幸せを!」


――――――――――

「おーい!帰ったぞ!!」


俺達はアルマジロックを持ちながら山を下りて、皆の元に向かう。


「おかえりーって何その荷物は!?」


玄関から出てきたサクラは俺達が連れてきたモンスターに驚く。


「すごいだろこれ!みんなで食おうぜ!」

「サクラのお嬢ちゃん!厨房を借りてもいいかな!俺のマッスル料理でこのモンスターを皆に振舞いたいのだが」

「うわ~すごいの持って来たね~」

「すごいだろ。おいサクラ、家に酒はあるか?無いなら俺が買ってくるぞ」

「いいなそれ!よし、皆でパーティーだ!!」

「何かあの人達目的を忘れてませんか。まああの人達が良いなら私は文句は言いませんけど」

「完全に忘れてるね~ねえ、皆~」


俺達を呼んでいるリツの方に顔を向ける。


「どうしたリツ!お前も手伝えよ、パーティーだぞ!」

「サキン村は~もういいの~?」

「「「っ!!!忘れてたー!!!」」」


俺達はあまりに重大なことを忘れていたことに気付き大声を上げてしまう。


「俺としたことがハムスとの再会が衝撃的すぎて忘れてた!」

「俺もだ!まさかハイトと会えるとは思ってなかったからな!記憶から抜けてたぞ!」

「俺は2人の感動的な再開とモンスターを3人で倒してテンションが上がって、すっかり忘れてた」


まさか今回の最重要目的であるサキン村を忘れるなんて、危なかった。


「ねえ、やっぱりかつってサキン村の事について調べてるの」

「え?あ、違くてな!」


まずい、サクラにはサキン村の事について言わないことにしてたのに。

こいつの事だからミノルの為にとかで無理矢理でも協力するって言うよな。


「かつ~話してもいいよ~」

「え?リツそれって‥‥‥」


するとサクラがハイトの方に行く。


「ねえハイト。あなたサキン村の生き残りなんでしょ」

「っ!あ、ああそうだ。ハムスも俺と同じ生き残りだ」

「それじゃあ、レインて人知ってる?」

「なぜ、君がその名前を知ってるんだ!!」


レインて確かサキン村の生き残りだったよな。

まだ生存が確認されてないみたいだけど、まさかサクラがその人の事を知ってるのか?


「やっぱりサキン村の人だったんだ‥‥‥ごめんなさい!」


するとサクラはハイトの服を掴み謝罪をする。


「何でサクラが謝る。レインの事を知ってるのか?ならあいつは今どこに――――――」

「もういない!レインはもうこの世に居ないの、私が殺したから」


衝撃の事実に思わずみんなの表情が固まる。

まさかサクラの口からそんな言葉が出ると誰も思ってなかったと思う。

だがハイトはいち早くサクラに言葉を投げかけた。


「何でそうなった経緯を教えてくれ、今の言葉は説明不足過ぎるぞ」

「え?そんなこと言われてもそれが事実だし、今更言い訳もする気もないし」

「俺達は結果が知りたいんじゃない。真実が知りたいんだ。この日俺はあの事件で起きたすべてを知りに来た。もう引きずるわけには行かないからな」

「そうだぞ!君の心は鍛え上げられている。君の確固たる決意はそう簡単に間違った方には傾かない。サクラお嬢ちゃんのその勝利への執念はレインがキッカケか?」

「サクラ教えてくれないか?その日何が起きたのか」

「分かったわ。しっかりと伝えるわね。あの日の出来事を」



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