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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十六章 決着サキン村事件
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その八 マキノの初めての友達

「よし、早くリツを呼び出すぞ」


俺達はすぐにリツのお店に向かった。

リツのお店の近くには相変わらず人通りが少なく、すぐに来れた。


「リツって人は私と同じ魔道具店を経営してるんですね」

「ああ、遊びに来たんじゃないぞ。リツを説得したらすぐに別の人の元に行くぞ」

「それぐらい分かってますって、私の事子供だと思ってます?」

「いや、そういう事じゃなくてまあいいや。リツ、居るかー!」


俺は久しぶりにリツの店に訪れた。

そこには棚の埃掃除をしていたリツの姿が合った。


「あっいらっしゃーい~久しぶりだね~ぜっちゃん今日は何の用~」


いつも通りのゆったりとした口調でお出迎えしてくれる。


「随分と人が居ませんね」


初対面に関わらず、失礼なこと言うなこいつは。


「おい、お前もうちょっと自重しろよ。ごめんなリツこいつ口が悪いんだよ」

「全然大丈夫だよ~私の店がお客さんが来ないの事実だし~」

「そうなんですか!実は私も何ですよ、お客さんは神様ってよく言いますが、神様なら店を助けてくれって思いますよね」

「そうだよね~前に店に来てくれたと思ったら~道案内をして欲しいって言われて~お店の物買いに来たんじゃないの~思ったよ~」

「分かります!道案内の店じゃねぇよって思いますよね!本当、店に来たら何でもいいから買って行って欲しいですよね」

「話が合うね~私はリツだよ~あなたの名前は~」


そう言ってリツはマキノの前に手を突き出す。


「私はマキノです。同じ魔道具店としてよろしくお願いします」


そう言ってリツが突き出した手をしっかりと握りしめる。

何かよく分からないが、妙に仲良くなってるな。


「マキノって言うんだね~それじゃあこれからもよろしくね~マッちゃん」

「へ?マッちゃん?」


するとマキノがリツの呼び方に反応を示す。

ていうか、早く本題に入りたいんだけど。


「もしかして~嫌だった~」

「嬉しいです!それってあだ名ですよね!やったー!私あだ名付けられたの初めてで嬉しくて、これって私も付けないといけませんよね!えっと、えっと‥‥‥貧乏店長何てどうですか!」

「リツでよろしく~」


マキノのあだ名のセンスは壊滅的だな。


「はいっこれで自己紹介終わったな。それじゃあ本題に入るぞ」

「あれ?まだいたんですか?」

「居るは!居なくなるわけないだろ!お前の話が長いから黙ってたんだよ」

「長いんだったら口を挟んで会話を止めればよかったのに」

「だから!ああ、もうこういうのが嫌だから黙ってたんだよ。とりあえずリツ聞いてくれ」


俺はこれ以上口論しても無駄だと思い、無理やり話題を変える。


「ん?な~に~?」

「サキン村の事件について知ってるか?」


その瞬間、周りの空気が張り付く。


「それを聞いてどうするの~」


口調は変わらないが表情は真剣な顔つきになっている。

やっぱり何か知ってるんだな。


「俺の仲間のリドルがその村の出身だった。そしてリドルの母親をミノルが殺して、その復讐のためにミノルを殺そうとしてるんだよ!リツ、助けてくれ。何か知ってるなら教えてくれ」

「そっか~リッちゃんがサキン村の出身か~これも運命なのかね~」


そう言って何かを悟ったように何度も頷く。


「どういうことだ?何が分かったんだよ」

「ミッちゃんはもしかしたら~すべての過去を洗い流さなきゃ~いけないみたいだね~」

「それってどういう意味だ?」


すると、リツが何かをマキノの方をチラチラ見始める。


「マッちゃんは~ぜっちゃんとは知り合ってどれくらい経つの~?」

「ほんの数日ですね。でも、時間は関係ないですよ。絶対さんと私はそこまで浅くも無く、深くもない関係ですから」

「じゃあ、ただの知り合い何だね~」

「いえ、ビジネスパートナーです」

「いつからそんな関係になったんだよ」

「昨日からです」

「あれでビジネスパートナーになったのかよ。浅すぎだろ」

「それじゃあ~時間短縮の為~二手に分かれよっか」


そう言って俺の方に向かってウインクをしてくる。

ああ、なるほどそう言う事ね。


「それじゃあ、俺とリツで行動しよう。マキノは一人でここに向かってくれ」


俺はメモを半分に破って名前が書かれた紙を渡す。


「えー!何で私が一人なんですか!言っときますけど、私マジで弱いですから!本当に魔法使うの下手なんですよ!」

「安心しろ魔物が出ることはないからよ。あっちょっと待ってろ、今地図書いてやるから。リツ、ペン借りるぞ。マキノその紙貸して」


俺はリツからペンを借りて先程渡した紙に地図を描く。


「ちょっと、まだ行くとは言ってませんよ!リツも私と一緒に行きたいでしょ!」

「一緒に行きたいけど~ぜっちゃんにご指名されたから~仕方ないよ~」

「大丈夫ですって、ほらリツとはもっと色々話したいしリツもそうでしょ」

「マッちゃん~わがままは駄目だよ~それに~マッちゃんなら大丈夫だよ~」

「舐めないで!私の事全然知らない癖に決めつけないで!」


マキノは思わず怒鳴ってしまい、自分がしたことに気付いて顔を逸らす。


「わ、私は‥‥‥そう思ったのは本当だし‥‥‥だから、怒るなら怒ればいい――――――」


その瞬間、リツがマキノを抱きしめる。


「え?ちょっ!」

「大丈夫、マッちゃんなら出来るよ~私は確かにマッちゃんの事は何も知らないけど~何となくマッちゃんなら出来るって思ってるよ~」

「な、何ですかそれ。怒ったりしないんですか、私酷い事言ったのに」

「怒ったりしないよ~だって本心なんでしょ~逆に本当の事伝えてくれてありがと~」


そう言ってリツは屈託のない笑顔でマキノを見つめる。


「リツさん優しすぎですよー!!」


目に涙を浮かべながらマキノは再びリツに抱きしめる。


「おい、紙が書き終わったぞ」


俺は地図を書いた紙をリツの胸に顔をうずくめてるマキノに渡す。


「私は干渉に浸ってるんです。邪魔しないでください」

「お前って本心言ってるとかいうけど、ただ単に寂しがり屋なだけなんじゃないか」

「な!そんなわけないでしょ。何言ってるんですか、きもいです」

「おい、お前何でもかんでもきもいって言うな。普通に傷つくから」


マキノは暴言を吐きながら紙を受け取る。


「仕方ないですね。リツに頼られたらやるしかないか。これはリツの為ですからね」

「分かったって、その地図に書いてあるダリ熟練所の人に話せば連れてってくれるから」

「任せてください。すぐに連れてきますから、絶対さんも失敗しないでくださいよ」


そう言って、マキノは張り切って行ってしまった。


「お前、マキノの扱い上手すぎないか」

「そんなことないよ~私は思った事を言っただけだよ~」


やっぱりリツってただ者じゃないな。


「それで、何でわざわざマキノを遠ざけたかったんだよ」

「ねえ~私達が行くところガルア様の城でしょ~」

「あ、ああそうだけど、お、おいリツ」


リツは場所を聞くと早速扉を開ける。


「歩きながら話すよ。私とミッちゃんの黒の魔法時代の話を」



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