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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十六章 決着サキン村事件
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その三 マキノの悩み

「これで大丈夫ですか?」


書き終えた答案用紙をお菓子を食いながら暇そうにしている、ウルフに渡す。


「え?もう終わったのか?まだ30分もあるぞ。見直しとかちゃんとしたのか?」

「大丈夫です。間違いはありませんから」

「まあそれなら採点するけど‥‥‥」


ウルフは答案用紙を受け取ると早速採点をし始める。

すると最初は冗談だと思って採点していたが次第に顔が引きつっていく。

そして最終的に採点が終わると驚いた顔で何度も答案を見直す。


「どうでしたか、結果は何点でした」

「ま、満点だよ。信じられない、わずか30分で見直しもしないで全問正解しちゃうなんて」

「勉強しましたからね。それで合格ですか?」

「もちろん!文句なしの合格だよ!それじゃあ実技試験に行ってきな!」

「ありがとうございました」


僕は実技試験に行くために部屋を出た。

その為にはまずは受付に行かないといけませんね。


「すみません、実技試験の方に行きたいんですけど」

「あ、リドルさん。お疲れ間様です。満点と聞きました、すごいですね」

「いえいえ、勉強したおかげです。それで僕は何のモンスターを討伐すればいいんですか?」

「ああ、すみません。えっと‥‥‥リドルさんにはこのモンスターの討伐をお願いします」


そう言ってそのモンスターが書かれている紙を渡す。

ウッドクラブ、体が木で出来ているカニ型のモンスター。

普段は太陽の光を栄養にしている、縄張り意識が強く一歩でも踏み入れたら誰にでも容赦はしないですか。


「今回はただ倒すだけではいけません。魔力レベル9にもなるとこの町の顔になる魔法使いです。その為にも試験の見るポイントは時間と品質と被害です。なるべく早く、被害を最小限にして素材として使えるようにきれいに討伐する。これらの項目が採点基準です」

「分かりました。それでは行ってきますね」


僕は早速扉を使って目的の場所に向かった。


「大丈夫かな、リドルさん」

「何だルル、心配してるのか?大丈夫だろ、今のあいつの実力ならウッドクラブに負けたりしないッて」

「そうじゃなくて、何かリドルさん焦ってる気がするの」

「焦ってる?」

「うん、何かあったのかしら」


―――――――――――――

「さてとこれからどうするかな」


風間がシアラルスに居るってことは分かったが、今更戻ってもまたすれ違いになりそうだしな。

にしてもあいつ二人に心配されるほど切羽詰まってんのか。

あいつの焦ってる理由昔の俺じゃあ分からなかったけど、おそらく体の時間が残り僅かなんだろうな。

でも何でシアラルスに行ってるんだ?

まさかガルアに直接聞きに行ったんじゃ、いやまさかな。


「ん、ここは‥‥‥」


プラプラと歩いていたらいつの間にか見知った魔道具店に来てしまった。


「ここは確かマキノの魔道具店だよな。久しぶりだなちょっと入ってみるか」


俺は久しぶりにマキノに会うために魔道具店に入る。


「いらっしゃーい‥‥‥てあなたですか」

「おいちょっと待て、何で俺と分かった瞬間残念そうな顔するんだよ」

「いやだってお客さんじゃないじゃないですか。それとも何か買いに来てくれたんですか!」

「いや、ちょうど通りかかったから立ち寄ってみようと」

「ほらね!そうだと思ってましたよ」


そう言って俺に興味を無くして店の掃除を始める。


「相変わらずの接客態度だな。それじゃあお客も来れないって注意してやったのに」

「素人に助言をもらうほど落ちぶれていません!私には商人の才能とこの本があるんですから!」

「まだその本使ってたのかよ。いや、まあ元気そうで何よりだ。それじゃあな」

「ちょっと待ってください!」


そう言って俺の肩を掴んでくる。


「何だよ。物は買わないぞ」

「それは別に構いません。そんな事よりもあなた強いですよね」

「何だよ急に」


突然の強いか質問に俺は少し嫌な予感を覚える。


「前回の島王選で出てましたよね。てことは強いってことですよね!」

「いやそんな詰め寄られても、ていうか強かったら何なんだよ」

「私のお手伝いをして欲しいの!」

「お手伝い!?ちょっと待てよ、雑用ならお断りだぞ。俺はこう見えて忙しんだよ」

「わざわざ私に会いに来たのにですか」

「だからたまたま通りかかっただけだって言ってるだろ!付き合ってられない帰る!」

「だから待ってください!」


すると、マキノは全力で俺の首を絞めてくる。


「ちょっと待て!首締まってるから!分かったから、いったん離せ!」


マキノは少し冷静さを取り戻して事の経緯を説明し始める。


「店を潰される!?」

「はい、売り上げがほとんど出せずにこの店を維持して行くのも難しくて。このまま売り上げが出せなかったら潰れてしまうんですよ!そんなの絶対嫌です!」

「そんな事言っても客が来れないなら難しいし、そんなすぐには稼げないだろ」

「あるんです!この状況をひっくり返すとっておきの商品が!でも、それを作るにはモンスターの素材が必要です。でも私は強くもないし、こんな性格なので友達もいません。だから、あなたしかいないんです!」


すると、マキノは地面に手を付いて頭を地面に付ける。


「お願いします!この店は死んだ両親の形見なんです!絶対に潰すわけには行かないんです!」


涙声で頭を地面に付けて頼み込む。


「やめろよ。泣いて頼まれるのはごめんだ。今日で2回目だしな」

「‥‥‥そうですよね。あなたにとっても私はただの他人、やる義理なんてないですよね」

「誰がやらないって言ったんだ」

「え?」

「手伝ってやるよ。ただし、給料は貰うぜ」

「何言ってるんですか。ボランティアに決まってるでしょ」


こ、このクソ女ー!


「冗談です。もちろん成功報酬はあげますよ」

「それじゃあ、交渉成立だ!」



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