プロローグ リドル動きます
デビが居なくなってから一週間が経った。
あれから俺達はそこそこの依頼を達成して日々を暮らしていた。
デビが居ない日々にはまだ少し慣れてないけど、いつでも帰ってきていいようにミノルがデビの部屋を、毎日掃除している。
ここ最近は特に目立ったことも起きずに平穏に暮らしている。
こんな日々がずっと続けばいいのにな。
「そういえば今日は僕用事があるので」
そう言いながらリドルは自分が作った朝食を食べる。
「用事ってまた書斎に引きこもるのか?」
「違いますよ。出かけようと思って」
「どこに行くの?もしかして個人依頼が来たの?」
ミノルは質問しながら目玉焼きを一口サイズに切って口に含む。
「いえ違います。そろそろ僕も成長しないといけないと思いまして」
「成長?体でも鍛えんのか?」
俺は唐揚げを頬張りながらリドルに質問する。
「ミノルさんは魔力レベル9、かつさんは魔力レベル11、デビさんは魔力レベル未知数、このパーティーメンバーの中で一番魔力レベルが低いのは僕なんです」
「まあ、確かにそうだな。でも落ち込むことないだろ。魔力レベル8でも十分すごいし」
「これから何が起きるか分かりません。さらに凶悪な敵と対峙するかもしれません」
「リドル、悲観的に考えちゃ駄目よ。もっと良いことを考えましょ」
「すみませんミノルさん、僕は決めました」
そう言ってリドルは立ち上がる。
「僕は魔力レベルアップ試験を受けます」
そしてまた新たな事件が幕を開ける。




