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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十四章 黒の時代
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その二十七 お久しぶり

「これはまずい!皆!その場から動くな!近くのものに捕まれ!揺れるぞ!!―――っ!?」


その瞬間、衝撃により会場が大きく揺れ始める。

揺れが始まった瞬間、観客は椅子にしがみつき叫び声が響き渡る。


「森からは大分離れているはずだ。それなのに衝撃がここまで来るなんて。これは島全体が揺れてるかもな」


その頃休憩室では…………


「ちょ、ちょっと!どうなってるのよ!」

「デビさんが技を放ったんですよ!」

「喋らないで!舌噛むわよ!」


そう言ってミノルはまだ気絶している人を庇いながら、その場に止まる。


「くっくそ………一体どうなってやがるんだ」


サキトは痛む首もとを擦りながら、廊下に座り込んでいた。


「やられた……そりゃあ一般人にそう簡単に情報なんて教えないよな。しかも、何なんだよこの揺れ。俺の経験上こういう場合はその場から動くなが鉄則だが。これは規格外だぞ」


そう言いながら揺れが大きすぎて立つことが困難な為、その場に止まるしかなかった。


「くそぅせっかくこんなビックイベントなのに、情報を何も仕入れられないなんて、洒落にならないぞ……ん?」


その時、向こうの廊下に大きく揺れる中ほふく前進して進む男が居た。


「何してんだあいつ?いや待て……あいつもしかして……うおっ!?」


その瞬間、さらに大きく揺れる。


「やばいな、島が耐えられないんじゃないか?とにかく、あいつの元に行くしかない!」


そう言ってサキトもほふく前進をして向かう。


―――――――――――――――――――――――

しばらくすると揺れが収まった。

それを感じた皆は様子を見ながら恐る恐る立ち上がる。


「終わったみたいだな」

「ガハハハっ!中々の衝撃だったな」

「笑ってる場合じゃないだろ!俺様の城は大丈夫か!?」

「確かに笑ってる場合じゃありませんね。これほどの地震となると、何処かで怪我をしてしまっている人や地割れが起きていてもおかしくありません。神は言っています。ここに居るものは待機させろと」

「ミュウラの言う通りだな。おい、司会」


すると、ガルアは耳打ちで何かを指示する。


「はい、分かりました。観客の皆さん!席を立たずにその場で待機していてください!現在十二魔道士がモンスターと戦っています!また先程の衝撃が来る可能性もあります!安全が確認できるまで決してその場から動かないでください!緊急事態なので島王選の結果は後日発表となります!」

「よし、これから他の町に被害がないか確認しにいくぞ。風間とムラキ、お前らは現場に行って状況の確認及び生存者を探せ。居なければ帰ってこい」

「ええー!何で俺様が行かなきゃいけないんだよ!」

「さっきの衝撃で鏡に映す為のモンスターが死んだ。あっちの状況を確認するために必要なことだ」


鏡は森の映像を映すことはなく、目の前にあるものを映している。


「分かった、すぐに確認しにいく。ほら、行くぞ」


そう言って風間はテレポートを開始する。


「何故俺様がそんなこき使われなきゃ行けないんだ!」

「来ないならいいぞ。ガキを御守りするのは大変だからな」

「なっ!?俺様はガキじゃない!お前だけじゃ心配だからしょうがないから行ってやるよ」

「じゃあ行くぞ、テレポート!」


風間とムラキはテレポートで森へと向かっていった。


「それじゃあ、ミュウラとシンラは他の町の状況を確認してきてくれ。怪我人が居たら回復のポーションを人命救助を最優先だ」

「分かった」

「任せてください」


そう言ってミュウラとシンラもテレポートで会場を去る。


「カノエは休憩室で十二魔道士の奴らに他の町の救助に向かわせろ。怪我人は無理させるな。お前もそれが終わったら救助に迎え」

「了解!」


カノエはすぐさま休憩室に走り出した。


「さてと……結果はどうなったかな」


――――――――――――――

まぶしい………何だ?前が見えにくい……


「っ……い……か……」


何だ?誰かの声が聞こえる。

体がだるい………


「ぜっ……かつ」


声が大きくなってくる。

その度に目の前が鮮明になっていく。


「絶対かつ!」

「っ!?」


ここはどこだ?

目の前には知らない風景が広がっている。

真っ白い天井と壁に機械のような物と貼られた紙が所々に見られる。


「起きたみたいね。おはよう、絶対かつ君」

「……お、おはようございます」


髪の長い女の人が俺の顔を覗き込んでくる。

誰だこの人?


「あれ?もしかして今誰だこの人って思った?」

「え?いやー」

「目が泳いでるよ。やっぱりそう思ってたんだ」


何だこの人。

心を見透かされてるようだ。


「絶対かつ君、あなたには忘れられたくないわ。あなたは覚えてるはずよ。それとも本当に忘れた?」


そう言ってその女の人は俺のことをじっとみる。

どういうことだろう、状況がさっぱり分からないぞ。


「えっと……とりあえず、ベッドから起きていいですか」

「どうぞ」


俺はゆっくりとベッドから起き上がる。

体はどこも怪我はしてないようだ。

おかしい、デビの一撃を食らったように感じたのに。


「あなたの怪我は私が治しておいたわ」

「え?あ、ありがとうございます」


また見透かしたように。

まあ、体を治してくれたんだし、あの一撃から俺を生かしてくれたってことはいい人でいいんだよな?


「それで、思い出した?」


目の前の人はもう一度そう訪ねてくる。

といってもさっぱり何だよな。


「えっと……起きたばっかりで頭がぼーっとしてて……」

「そう、ならこれで思い出せるかもね」


そう言って俺に何かを投げつけてきた。

俺はそれを咄嗟にキャッチして確認する。


「っ!これは……っ学生鞄!?」


その瞬間、俺はすぐに女の人の顔を見た。


「お、お前はまさかっ!?あの時の!」

「ようやく思い出してくれたみたいね」


そう言ってその女の人は髪をなびかせる。


「私はあなたをこの世界に連れてきた張本人。そして、未来から来た者、アキサよ。よろしくね、日本の少年」



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