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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第三章 黒いモンスターの謎
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その五 相談

「えっと、服屋服屋………あ!ここなんか良さそうだな」


そこは他の店より中はキレイで高そうな売り物が置いてありそうな雰囲気があった。


「いらっしゃい、どんな服がお求めかな」


笑顔を作りながら話しかけてきたのはここの男性店員だ。


「ん〜なんかおすすめとかありますか?」

「おすすめですか?だったらこれ何かどうです。このローブは着るだけで魔力抵抗が上がりさらに特別な魔力がかかっているのでまるで着てないくらいの軽さですよ。このようにかなりの機能性に優れているんです。あと常時ミントの香りがします。どうですか?」


かなりの早口で服の説明をするせいであんまりよく分からなかった。

とりあえずなんか色々な特典がつくのは分かったな。


「着てるだけでそんな効果が合ったのか。てことは結構慎重に考えた方がいいな。ちなみにこれって何ガルアですか」


このお店色々高そうだからな。

一応値段を聞いとかないと。


「こちらは3万5千ガルアです」

「高っ!?今の現状を考えるとそれは流石に無理かな」

「でしたらこれはどうですか。こちらは魔法の威力が上がりさらに運気が上昇する物ですよ。後ミントの香りがします。ちなみに値段は2万8千ガルアです」

「まだ高いな。ていうかさっきからミントの香りがする特典多くないか」


ていうか全部何万くらいの値段するのか。

これじゃあ買えないぞ。


「でしたらどれくらいの値段がよろしいのですか」

「できれば5千ガルア以下が良いんだけど」

「その値段ですとミントの匂いがするローブ位しかありませんね」

「だから何でミントなんだよ。そうかそれぐらいしかないのか。ん?そこにあるボロいローブは何だ」


そこは店の端っこに置かれている、黒いボロボロのローブだった。


「こちらのローブですか?やめた方がいいですよ。かなり昔に作られたものなので私でさえどんな特典が付いてるかわかりませんし」


そう言って店員は少しほこりっぽい黒いローブを少し嫌そうに手に取る。


「まあでもミントよりはマシか。すいませんこれください」


正直特典よりローブが欲しいし。

何かローブの内側に変な模様が書かれているし、少し普通とは違いそうだから、特別感もあるだろう。

しかもこの模様、何か妙な懐かしさと言うか、見た事あるような気がするんだよなぁ。


「本当にお買い上げになさるんですか。値段はそうですね……3千ガルアでどうですか」

「買った!」

「お買い上げありがとうございます」


俺は買ってすぐに更衣室で着替えた。


「いや〜いい買い物したな。これでやっと魔法使いらしくなったな」


あとは杖だけだけど今は使わなくてもいいって言われてるし買うのは当分先かな。

にしてもローブに能力が付いてるなんて初めて知ったな。

分かってたらもうちょっと早く買ったんだけど。


「でもこのローブの能力は何だ?着た感じあまり変化は無いように思えるけど。まあ魔法を使ってみれば分かるか」


とりあえずもう時間だしそろそろ約束の場所に行くか。


「えっとたしかここらへんにいるって言ってたな。もしかしてあいつか」


知らない子は机の上にある食べ物を夢中で食べていた。

結構な量を食べてるな、大食いなのか。


「待たせたな。今来たところか?」

「あ、やっと来た。遅い!妾は待ちくたびれたぞ」


あ、変な喋り方になってるな。


「そんなに待ったのか。それは申し訳無いな。ちょっと買い物をしてたから遅くなっちゃったんだよ」

「もしかしてそのローブか?お主もやっと魔法使いらしくなったな」


食べ物を食いながら俺のローブをまじまじと見る。


「俺そんな前の服魔法使いらしくなかったか」

「妾から見ても全く魔法使いらしく無かったぞ。今はかなりマシになったな。それにミントの良い香りもするし」

「え?まじ」


このローブの特典が1つ分かったけどこれだけだったらボロボロのローブじゃなくてちゃんと新品買えば良かった。


「それよりお主今日呼び出した理由分かっておるのか」

「昨日お前を泣かしたお詫びだろ」


あれは正直焦ったな。


「なっ泣いてなどいない!と言う事でこれの会計を頼むぞ」


そう言って食べ終わった皿を指差す。


「え?まさかこれ全部か」


やばい、金あるかな。


「決まっておるじゃろ。お主も食べたかったら頼むといいぞ」

「俺はいいや、今金ないし。それよりお前の名前ってなんて言うんだ」

「名前言ってなかったか?妾の名前はデビ。覚えておけ!」

「何でそんなに偉そうなんだよ。俺の名前は絶対かつ」

「絶対かつ?変な名前じゃな」

「ぐっ!?名前に関してはトラウマがあるからあまりツッコまないでくれ」

「そうじゃったか。それはすまんな」


食べ物食いながらだと全く謝罪してるように見えないんだけどな。


「まあ別に良いけど。それより今日はもう帰っても良いか。俺これからやりたい事があるんだけど」

「なんじゃ悩みか!妾に話してみろ」


興奮気味に耳を傾ける。


「何でそんなに嬉しそうなんだよ。まあお前友達とか他にいなさそうだし話してもいいか」

「お主には言われたくない」


何か言ってるが気にしないでおこう。


「俺最近ちょっとクエストミスっちゃって5億の借金が出来ちゃったんだよ」

「保証人になれという相談は無理じゃぞ」

「ちげーよ!そのクエストで一緒にやってた人がその借金全部1人で返すっていうんだよ」

「良かったじゃないか。お主が払わなくていいと言っておるのじゃろ?だったらお言葉に甘えて返して貰えばいいじゃないか」



そんな俺の悩みを真剣に答えようとしない、デビのことは気にせず話を続けた。


「なんかさ俺ってそんなに頼りないかな」

「何じゃいきなり。お主は頼られると思っておるのか」


そんなデビの言葉に一瞬言葉が詰まる。


「多少は……ミノルがピンチの時とか助けたりとかしてるからもうちょっと頼ってくれてもいいかなとは思ってるけど」


スライムの時とかも助けたりしたり最近じゃゴールドフィッシュの時も魔法協会までミノルを運んだし結構助けてるとは思うけど……やっぱり借金のことで何か傷つけたのか。


「お主はそいつを助けたいんじゃろ?だったら助けてやればいい」

「助けたいけどちゃんと話してからの方がいいかなと思って」

「だったら話せばよかろう」

「話したくても今何処にいるか分かんないんだよ」


すると痺れを切らしたのかデビが、急に大声を出した。


「あ〜もう!焦れったいやつじゃのう!だったら何か手紙とかそういう方法で送ればいいじゃろ!」


急に大声を出してびっくりしたが、俺ははっと気づきすぐに言い返した。


「手紙だって家の住所が分からないんだから届けられねえだろ」

「だったら他の方法は無いのか」

「他の方法かぁ〜。ん?待てよあるよ、伝える方法」


そうだ、すぐ近くにあるじゃないか!


「何じゃあるのか。だったら解決じゃな」

「でもなんて言えばいいか分からないんだよなあ」


伝えたい事が上手くまとまらない。


「だから焦れったいと言っておるじゃろ!自分の言いたい事をズバって言えばいいんじゃ」


デビ………


「言いたい事……ははは………」

「気持ち悪!何笑っておるのじゃ」

「気持ち悪っていうな!いやまさかお前に励まされると思ってなかったから。意外とお前優しいんだな」


喋り方は変だけど。


「なっ何を言っておる!妾は思ったことを言っただけだ」

「そうかありがとな。それじゃ」

「それじゃって金払ってから行け!」


俺の言いたい事……そうだよなちゃんと言わなきゃ駄目だよな。


「あのすいません!ミノルに伝言があるんですけど」

「はい?何ですか?」


―――――――――――――

22時10分魔法協会

「ルル、クエストの事で相談があるんだけど」

「あっ!ミノルさんちょうど良かった。かつさんから伝言を伺ってます」

「かつから?聞かせて」

「『1人で解決しようとするな!俺だって一緒にクエストをやったんだ借金を払う義務がある。それにお前には色々と借りがあるしな。それでも駄目って言うならお前が勝手に1人で払おうとしてるみたいに俺も勝手に借金を返す。文句は言わせないぞ!それじゃあな』っという事です」

「……何言ってんのよ。借りなんかとっくのとうに返されてるわよ、バカ」

「どうしたんですか?ニヤニヤして」

「なっ何でもないわよ。それよりルル、クエストの事で―――――」


俺は暗い夜道の中ふと、空を見上げた。


「あいつもう聞いたかな。伝言」


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