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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十四章 黒の時代
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その十八 ゲームオーバー

「本気で言っているのか?貴様の実力を見る限り不可能に近いぞ」

「冗談とかはったりとかじゃねえよ。全部本当だ」


『あの自信、虚言を吐いているわけではなさそうだな。となると、本当に俺の魔法が奴に届かないということか。少し試してみるか』


すると、クラガは相手の動向を探るために魔法陣を展開する。


「防げるものなら防いでみろ」


そう言ってクラガは魔法を俺に向かって繰り出した。


「インパクト!」


俺はインパクトでクラガの出した魔法を破壊する。


「………それが貴様の言う当たらない理由か?」

「だったらなんだよ。お前にこの魔法を超える威力がある魔法があるのかよ?」

「ずいぶんと……なめられたもんだな」


その瞬間、俺の目の前に魔法陣が展開される。

あの魔法陣はレベル魔法!


「ついでに教えといてやろう俺の魔力レベルは12だ」

「レベル12!?最大レベルは10じゃなかったのかよ!」

「限界は超えることが出来る。貴様らが出来ないだけでな。ちなみに黒の魔法使いは全員限界を超えている」

「全員!?だから、こんな大胆な作戦を実行したのかよ」


ということは他の所でもかなり苦戦してるんじゃないか。

大丈夫だろうな。


「これで分かったろ。今俺が繰り出そうとしてるのは毒のレベル魔法だ。貴様がインパクトで弾き飛ばしたとしても、火力が足りず毒は完全に消すことは出来ずに弾け飛び、貴様は毒にかかる。圧倒的な魔力レベルの差をこの戦いで埋めることは出来ない。この一瞬で限界を超えることも不可能だ」

「やってみないと分かんないだろ!」


そう言って俺は臨戦態勢に入る。


「そうかならやってみろ。レベル魔法、ポイゾネスデーモン」


その瞬間、巨大な悪魔の姿をした毒が俺に襲いかかる。

インパクトで弾き飛ばす。

たしかにそれは無謀なことかもしれない。

それなら、これでどうだ。


「―――――――――カウンター!」

「っ!?」


その瞬間、俺の魔法陣が光輝き、クラガの放った魔法が方向変える。


「なっ!?くっ!」


クラガが放った魔法はより強くなり、クラガの元へと飛んでいく。

クラガは瞬時に同レベルの魔法をぶつけることでなんとか対処するが、その表情は驚きに満ちていた。


「何だ今の………まさか」

「くそっさすがにそう簡単には倒せないか。そうだよこれはレベル魔法カウンターだ。相手の魔法を倍の威力で返す魔法。でも、魔法を跳ね返すには、相手がその魔法に使った魔力の2倍の魔力が必要だから、魔力が無かったら跳ね返すことも出来ない」

「そんなにペラペラと喋って良いのか」

「それじゃあフェアじゃないだろ?じゃないとすぐに終わっちまうからな」


俺は再びカウンターの魔法陣を展開する。


「貴様は本当に不思議な男だ。一見脆く弱そうな奴だが会うたびに成長していく。そして、何故か俺の前に立ちふさがっている。ミノルでもなく十二魔道士でもなく魔力レベル1の最弱の魔法使いが」

「こっちだって努力して命懸けで来たんだよ。そう簡単にやられてたまるか」

「努力か………本当にそうなのか」


何故かクラガはそんな事を呟く。


「何だと?」

「無駄話はここら辺にするぞ。今は戦っているということを忘れるなよ!」


そう言って突然クラガは魔法を放つ。


「おわっ!?」


俺はなんとかギリギリで避けて距離を取る。


「分かってるよ!ソイル10連!」


ソイルの魔法により砂ぼこりが舞う。


「これくらいで視覚を奪われると思ったか?」

「分かってるって言ってんだろ!ウィンド10連!」


俺は地面に10個の魔法陣を展開して、風の魔法を放つ。

それにより先程の砂が風に舞っていきそれが竜巻に変化した。


「ちっなるほど、これなら視界は完全に塞がれたな。砂嵐による死角からの攻撃か。奴がカウンター持ちならこちらが後手に回るのはあまりよくはないな。砂嵐は消すに限る。ラノストーム」


砂嵐の中から強力な風魔法により、視界が一気に開かれる。

その瞬間、俺は魔力を溜め一気に距離を詰める。


「っ!?ロックガン!」

「カウンター!」

「なに!?がふっ!」


予想外の攻撃を喰らい、クラガは体勢を崩す。

俺はその隙を見逃さずにインパクトで追撃する。


「アグレッシブフルート!」

「ちっ!」


風の魔法により距離を詰められず一旦攻撃をやめる。


『やられた。砂嵐が晴れた瞬間の奇襲。右手に魔力を籠めたことでインパクトだと思わせて、俺が攻撃した瞬間のカウンター。なるほど、奴は自分よりレベルが高い魔法使いとの戦闘に慣れている様だ』


「どうした?受け身の姿勢じゃ、勝てないぞ」

「確かにそうだな。なら、こちらから行こう」


その瞬間、空中に3つの魔法陣を展開する。


「なっ!?」


この配置そしてこの魔法、インパクトじゃ全部は防げない、かと言ってカウンターでやるには多すぎる。

ワープするしかねぇ!


「ファイヤー10連!ワープ!」


俺はカモフラージュの為に先に魔法陣を周りに散りばめてからワープする。

ワープしてからもう1度カウンターで決めてやる。


「――――っ!」


だがワープした瞬間、クラガに胸ぐらを捕まれる。

そして、地面に思いっきり叩きつけられた。


「がはっ!―――っ」


すると今度は右手で俺の顔を掴もうとするが、俺は腕を掴んで何とかそれを防ぐ。


「くっ!…………おりゃっ!」


俺はクラガの腹を蹴り何とかその場から逃げる。


「はあ……はあ……」

「どうした?顔色が悪いぞ」


俺の動きが読まれたのか?

ワープの先を見破られた。


『やはり奴はまだまだ未熟な魔法使いだな。自らの癖も気づいていない。そろそろ戦況も変わってきているし、決着をつけるべきか』


「くそっ!もう1回だ!」


ワープ先を近くしすぎたのが行けないのか。

次はもう少し先にワープすれば行けるはずだ。


「ファイヤー10連!」


空中に魔法陣を展開して、地面に炎の玉が爆発するたびに、土埃が舞う。

先程よりも視界は悪くはない、クラガレベルなら十分相手を目視できる。


「ウィンド10連!」


そして、再び砂嵐がクラガを襲う。


『先程と同じやり方、やはりこの程度の魔法使いか』


俺は空中に大量の魔法陣を展開する。


『また、大量の魔法陣を展開して撹乱する作戦か。どんなに魔法陣を展開しようが、ここから少し離れた距離にある魔法陣が他の魔法陣より明らかに魔力が違うのは明白』


「貴様の敗けだ。ファイヤーバインツ」


クラガはその魔法陣に向かって魔法を放つ。

その瞬間、その魔法陣は壊れることはなくより強く光輝いた。

よし!引っかかった!


「まさかっ!」


その時、魔法が跳ね返される。


「くそっ!」


クラガは同じ威力の魔法を放ち何とか阻止する。


「奴はどこへ行った!っそこか!ウォーターガン」


その瞬間、再び魔法が跳ね返される。


「これもカウンターか!」


クラガはまた同じ威力の魔法をぶつけ相殺させる。

すると、また近くで他の魔法陣よりも魔力の高い魔法陣が出現する。


「これもカウンターか?………くっ!?」


クラガが判断に迷っているとその魔法陣から衝撃波が放たれる。


「これはインパクト!くそっ!砂埃が邪魔で魔法陣を判別できない!」

『それに、さっきから上にある魔力の低い魔法陣がちらついて集中できない』

「また魔力の高い魔法陣が出現したか。いや、この魔力は………」


クラガは真っ先にその魔法陣に突っ込んでいく。


「アグレッシブフルート!」


するとクラガの魔法により魔法陣が砕かれる。


「やはりインパクトか。ここまでして存在を隠しているとなると、まさか逃げ――――」

「インパクト!」

「っ!?」


俺はその油断を見逃さずに空中からインパクトを撃つ。

クラガはそのインパクトに直撃し、俺はそのままクラガを蹴飛ばし追撃をする。


「うおおおっ!」

「がっ!」


蹴飛ばされたことでクラガの体がほんの少し浮き、そのままふらつきながらも地面に着地しこちらを睨みつける。


「貴様いつの間に………」

「さすがに空まで警戒はしてなかったか?防げてなかったぞ」

「ワープで空に飛んだのか?」

「違う、そんなことしたらお前にバレちまうだろ。ウィンドで空中を飛んだんだよ」

「今までのカウンターとインパクトは自分の姿を悟られないようにするための囮か」

「そういうことだ。お陰でお前にダメージを与えられたよ」

「そうか、やはり貴様は予想以上の攻撃をしてくるな」

「そりゃそうだろ。お前を倒すために色々考えてんだからよ」

「ああ、お前は考えるタイプだと思っていた。だからこそ必ずお前は俺に攻撃を当てられると信じていたよ」


何だ?何であいつは笑っているんだ?


「っ!これは………何だ?」


自分の足には黒い渦のような物が現れていた。


黒の印(ブラックチェック)

「おわっ!?」


その瞬間、自分の体がクラガの左手に吸い込まれていく。

抗うことも出来ずにクラガに右足を掴まれその瞬間、地面に叩きつけられる。


「がはっ!」


そして、何度も何度も地面に叩きつけられる。

まずい………抵抗しないと。

右手に魔力を込めた瞬間、クラガは俺の右手を掴むと足を上げる。

まずい!

とっさに逃げようとするが、クラガの力は強くそのまま勢いよく足を落とすと、俺の腕が鈍い音共に折れる。


「…………っ!」


あまりの衝撃に俺は声を発することも出来ずにいると、今度は右手で首を掴まれる。


「これで終わりだな」


そういうとクラガは不適に笑った。



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