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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第三章 黒いモンスターの謎
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その四 別れ

「ん、ふぁ〜あ……う〜んもう朝かぁ」


俺は重いまぶたを擦りながら昨日のことを思い出した。

昨日のミノルは何で怒ったんだろう。

確かに借金のことでイライラする気持ちは分かるがあそこまで怒らなくてもいいと思うが……何かしらの事情があったのだろうか。


「こういう場合はどうしたらいいんだ。誰かと喧嘩?するの初めてだからどうしたらいいかさっぱり分からん。いやある意味喧嘩したことはあったな」


まあただの一方的ないじめだけどな。 

考えても仕方ないとりあえず今後のことを考えるために魔法協会に行くか。

俺は壁にかけられてる時計を見た。

午前10時、帰ってきたのが2時位だから8時間寝てたのか。

まあ実際ミノルのことが気になってしばらく寝れなかったから6、7時間くらいしか寝てないのかな?


「そりゃ眠い訳だ。まあ日本でもそんな時間に起きてたからあまり変わんないけど昨日は色んな事が合ったからいつもより眠い」


俺は重い体を無理矢理起こし顔を洗うためフラフラと洗面所に向かった。


「蛇口蛇口っと……あれ?何で水が出てこないんだ。あっそうか魔力込めなきゃいけないんだったな」


俺は蛇口に魔力を込めそれから回した。

何をするにも魔力が必要なこの生活にもまだあまり慣れないな。

俺は顔を洗い終え出かける準備をした。


「そういえば服をここに来てから変えてなかったな」


ウオーターで何度も洗っていたがそろそろ新しい服が欲しいな。

それにこの世界にこの学生服は合わないしな。

俺は金が入った袋を持って出かけようとしたがポストに紙が入っているのが見えた。


「なんだ?俺の所に手紙を送る人なんて誰かいたっけ?………もしかしてミノルか!」


もしかしたらそうかも知れない。

俺はそう思いすぐにポストから紙を取り出した。

中を見てみると、5億と真ん中に丸い模様が書かれている紙だった。


「なんだミノルじゃないのかよ」


よくよく考えたらミノルは俺が何処に住んでるかなんて分からないから送れるわけ無いか。


「にしてもなんだこの紙?5億って書いてあるから借金と関係あるんだろうけど」


見た感じ説明文などが書かれていないしどう使えばいいかさっぱり分からん。

この丸い模様が気になるな。

もしかして何か置くのか。

俺は丸い物がないか探していると金の入った袋が目に入った。


「まさかな……」


俺は半信半疑で銅貨を丸い模様にかざした。

すると丸い模様が光りだしその光に吸い込まれるように銅貨が消えていった。

俺は一瞬驚いたが思い出したように上に書いてある数字を見た。

すると最初は5億と書かれていた数字が今は4億9999万9999に変わっていた。


「ははは……マジかよ。ホントに変わった。ていうかこれどんな仕組みだよ」


もしかしたらミノルの所にもこの紙が届いているのだろうか。


「とりあえず魔法協会に行くか。聞かなきゃいけないことも増えたし、それにミノルも来てるかもしれないしな。後あの子との約束もあるしな」


今日はやる事が多いな。

俺は魔法協会に急いで向かった。


――――――――――――

いつも通り魔法協会に来て真っ先に受付に向かった。

中は相変わらず沢山の人がいて皆何か買ったり食べたりしながら過ごしてる。

お気楽でいいな、こっちは5億の借金を背負ってるせいで無駄に金を使えないっていうのに。


「あっかつさん来てくれたんですね」


いつものように明るい笑顔を見せる。

この笑顔が俺の疲れた心を癒やしてくれる。


「そりゃ来ますよ。何すればいいか分からないし」

「そりゃそうですよね。それじゃあまず―――――」

「ちょっと待って!ミノルは?今日は来ないのか」


もしかしたら来るかもしれないし話なら来てからしたい。


「ミノルさんならもう来ましたよ」

「え!?いつ来たんだ!」


あいついつの間に……


「2時間前ぐらいですかね。ああ、そう言えばミノルさんから伝言を預かってますよ」

「なんですか?」

「『さっきはごめんなさい。借金は私が返します。だからかつは自分のしたい事をしてください。多分もう一緒にクエストをすることは無いと思います。それじゃあ元気で』っとここまでがミノルさんから聞いた伝言ですが、あの後何か合ったんですか?」

「何だよそれ…まるで自分が全部背負い込むみたいな言い方じゃないか」

「ミノルさんは何か責任を感じてしまってたのでしょうか。すみません、私がゴールドフィッシュのクエストを渡してしまったばかりに」


そう言うとルルさんは俯き落ち込んでしまった。


「ルルさんのせいじゃないですよ。俺達も注意力が足らなかったせいでもありますし。あっそうだミノルの家とか知りませんか?」


あいつには直接言わなきゃいけないことがあるからな。


「すみませんが家が分かってたとしても教えるわけにはいきません」

「まあそうですよね。それじゃあ何処か行くとか言ってませんでしたか」

「すみません。何も言わずに行ってしまわれたので」

「そうですか……」


この様子だと道場にもしばらくは行かないだろうな。

クソ!これじゃあミノルが何処に行ったか分からないじゃないか。


「かつさんそのポケットに入ってる物ってもしかして返済に使う紙じゃないですか」


ポケットからはみ出てる紙を指差す。


「え?ああこれは家のポストに入ってたんですよ。お金をかざしたらその場で消えてそしたらこの数字が減ってて、これって何ですか?」


まあだいたい想像つくけど。


「それは魔力が込められた紙でお金をかざすとかざした分のお金が自動的に返済されるシステムなんですよ」

「なるほど、それは便利ですね。これってミノルも持ってるんですか」

「そうですね。ちなみにその紙はミノルさんと共通なのでミノルさんが払えばかつさんの紙の数字も減りますよ」


どういう仕組みだよ。

相変わらずこの世界の技術力はよく分からん。


「お互いの数字は一緒に減るんですね。分かりました、ありがとうございます」


これならミノルの居場所が分からなくても生存確認ぐらいは出来るか。


「それじゃあ俺これから用事あるので、それじゃあ」

「かつさん、できるだけ私も協力するので何かあったらすぐに言ってください」

「はい!ありがとうございます」


そう言って俺は受付を後にした。

えっと今の時間は12時半位か。

あの子との約束にはちょっとだけ時間余ってるし、服でも買いに行くか。

そう思い俺は服が売っているお店がないか探す事にした。



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