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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十四章 黒の時代
330/827

その五 トガVSエングサザミ

「命懸けの喧嘩だと?おいおい、バカにするのもいい加減にしろよ!」


そう言って大木を素手でへし折る。


「喧嘩じゃねぇんだよ。純粋な殺し合いだ。どちらが生きるか死ぬかのギリギリの戦い、俺はこれがしたいんだよ」

「がっはっは!どうやら伝わらなかったみたいだな!」

「何?」

「俺はお前らとは違うんだよ。悪戯に命を奪うような奴らとわな。だからこそ、喧嘩だよ。命懸けのな」

「ちっ!まあいいや、戦えるなら」


『あれがトガか。あれが黒の魔法使い………なるほど、今まで出会ったことのないタイプの魔法使いだ。強さが見てわかる。それに殺すことに躊躇のない言動。油断したら死だな。普段なら落ち着いて、様子見のところだが』


サザミはエングの顔色を伺う。


『何故、それほどまでにお前はあいつを煽るんだ。敵を怒らせて何の得がある。お前は意味のないことはしないはずだ。長年一緒にいるから分かる。だが、今回ばかりはわからない』

「エング、頭に上った血を抑えろ。怒りに任せて攻撃すれば、死ぬぞ」

「分かってるよ。俺がただの脳筋じゃねえことぐらい分かってるだろ」

「…………ああ、分かってるよ」


エングとサザミは相手がどう出るか、どう攻撃してくるのかを見極めるため、注意深く相手を観察する。

だが、トガはそれをじれったいと思い構えるを止めて、ただ歩いた。


「散々言ってたわりには受け身の姿勢か?すまねぇがそんな事に構ってるほど暇じゃねえんだよ!」


『来たっ!』


「アイスロック!」

「プリズンフリーズ!」

「なっ!」


その瞬間、2つの氷の魔法がトガを襲う。


「ちっ!」


トガは地面を蹴り飛んで回避する。

だが、飛んだ先に既に魔法陣が出現されていた。


「ファイヤーバインツ!」

「ライジングサンダー!」


2つの魔法陣がトガに直撃する。


「…………やったか?」

「いや、こんなところじゃ終わんねぇだろ」


エングの言う通りトガは倒れずにその場に立っていた。


「中々やるじゃねえか」

「中々か……結構本気で撃ったんだけどな」

「それじゃあ、お返しはしねぇといけないな!」


『来る!黒の魔法使いの魔法が』


「どっからでもかかってこいよ!」


『こいつは!煽るなって言ってるだろ!いや、言っては無かったか』


「喰らえよ!グランドファイヤー!」

「「っ!」」


その瞬間、周りの木々や草が一瞬で焼け焦げ、地面がえぐれて炎の通った後が残っていた。


「なっ何と言う」

「威力…………」

「おいおい、まだまだ序の口だぞ?」

「ははっ分かってる」


『とんでもない何て威力だ。触れた瞬間、灰すら残らないだろう。この程の威力が序の口だと?まさに化け物だな』


「がっはっは!中々やるな!それでこそ喧嘩のしがいがあるじゃねえか!」

「ほう、今のを見て怖じ気づかないのか。中々根性座ってんじゃねえか」

「なあに、予想以上に弱くってがっかりしてた所だ」

「あ?」

「炎の魔法ってのはな。こういう事を言うんだよ!グランドファイヤー!」

「っ!」


その瞬間、空気が一気に熱くなり先程のトガの火力を倍上回る威力を放った。


「て、テメェ」

「おいおいどうした?まだまだ序の口だぞ?」

「エング……お前そんなに強かったか?」

「おい、何弱気になってんだよサザミ。俺達で倒すんだろ、あいつを?」


そう言ってエングはサザミにいつもの笑顔を見せる。


「ふっ確かにそうだな。あいつの魔法を見せられて少し弱気になってたかもしれない」

「少しか?」

「少しだ。やるぞ、俺達があいつを殺すんだ」

「ああ、やってやろうぜ」

「おいおい、何勝った気になってんだよ。俺はまだまだ元気だぜ」

「それはこちらも同じだ。あまりなめてると痛い目をみるぞ」

「ははっおもしれぇ。だったら痛い目見せてみろよ!」


トガは次々と炎の魔法を放っていく。


「くそっ!」

「おりゃあ!」


エングとサザミは何とか魔法を回避しつつ、攻める。

次第に数の有利が働き、トガの逃げ道をなくしていく。


「ちきしょう!うざってぇな!」

「逃がすなエング!」

「分かってる!」


『くそっ!こいつらの妙なコンビネーションが厄介だな。こっちが押してると思いきやいつの間にか逃げ道がなくなってる』


その時、トガはあらかじめ凍らせていた氷の地面に足を滑らせる。


「しまっ!」

「今だ!ライトニングアロー!」


その瞬間、光の矢がトガの腕を貫通して木に刺さり腕を固定される。


「これで逃げられないぞ」

「何だと……っ!」


その瞬間、巨大な魔力がエングの周りに集まる。


「お前………その魔力」


エングのオリジナル魔法である、インフェルノキャノンはあまりの膨大な魔力を使うため、1つの魔法陣では使うことが出来なかった。

だからこそ、エングは考えそしてたどり着いた。

それはとても単純なことでこれほど難しいものはない、1つで足りないなら増やせばいい。


「1つ目、2つ目、3つ目、4つ目だ!」


4つの魔法陣が組合わさり巨大な魔法陣が出現する。


「な、何だよ。その魔力は!」

「エングの本気のインフェルノキャノンを見るのは久しぶりだな。こりゃ本気で殺してしまうかもな」

「喰らえよ!インフェルノキャノン!!」


巨大な炎の渦が地面をえぐり取り木を焼き尽くし空気が渇く。


「よしっ!決まった!」

「はあ………はあ……当たり前だ!」

「よくやったぞエング!」


サザミはあまりの嬉しさにエングを抱き締める。

普段取らないような行動を取るザザミに対して、エングが苦笑いを浮かべる。


「やめろ……気持ち悪い」

「ああ、すまん、あまりの嬉しさでつい」

「とりあえず、他の魔法使いを救いに―――」

「ファイヤーバインツ!」

「っ!」


その瞬間、エングはサザミを突き飛ばした。


「ぐっ!エング!!?」

「はははっ効いたぜ今の魔法は。魔法で防いでなきゃやられてたかもな」

「嘘だろ。死んでなかったのか!」


トガは少し火傷が見られるが致命傷には至ってなかった。


「4つの魔法陣で出来た魔法か。やるじゃねえか、それを作る技術もそれを扱う魔力も大したもんだ。だが、俺は耐えたぜ。耐えてやった!これでお前の切り札は失くなったな」

「くそっ!エング!おい、大丈夫か!?おい!」

「なに焦ってんだよ。俺は大丈夫だ」

「待ってろ今回復のポーションを―――っ!」


サザミがローブから回復のポーションを取り出そうとした瞬間、光の矢が回復のポーションを破壊した。


「おいおい、水差すんじゃねえよ。せっかく面白くなってきたのによ」

「くっ!」


サザミは本能的に後ずさる。

このまま対面していたら相手のプレッシャーに押し潰されそうだったからだ。


「はあ……はあ……ぐっ!」

「エング………あいつの魔法をもろに喰らったんだ、無事なわけないよな」

『俺が間違っていた。相手は間違いなく上の上だ』


「おいおい、もう終わりかよ。つまんねえな。それじゃあもう終わりにすっか。クラガに息の根は確実に止めとけって言われてるからよ。安心しろ、さくっと殺してやるから」


そう言ってトガはゆっくりと近づいてくる。


「クソが……ここまでかよ」

「いや、ここからだ」

「っ?おい、待てよサザミ!」

「お前はそこにいろ。後は俺がやる」


そう言ってエングを木に寄っ掛からせてサザミはトガの元へ向かう。


「おっ!なんだお前?お前も死にに来たのか?」

「違うな。俺達は最初から言っていたはずは。お前を殺しに来たと」

「ははは!まだやろうってのか!おもしれぇ!かかってこいよ!」


トガの不要な発言にサザミは怒りをあらわにする。


「面白いだと、ふざけるな!何も面白くない!」

「あ?」

「俺の相棒を傷つけやがって………」

「サザミ…………」

「トガ!俺はお前を絶対に許さない!」

「許さない?はっ!別に許してもらいたくてやってる訳じゃねえよ。許せねぇんならかかってこいよ」


『ただの魔法じゃこいつは倒せない。明らかな実力の差そして、恐らくこいつは………』

「今のままじゃ勝てないな。使うしかないか、いや使わずに勝てると思ってたのが間違いだった」

「何だ?まだなにかあんのか?」

「ああ、あるぞ。取って置きの魔法がな。動かざる者!」


その瞬間、サザミの手に特殊なグローブが装着される。


「っ!」


性質のわからない魔法に思わずトガが身構える。


「この魔法は相手に触れた時に発動される。俺が相手に触れると触れられた相手は1分間魔法が使えなくなる。だが、俺が誰かに触れない限り俺自身魔法が使えない。俺が魔法をやめるか相手に触れたら魔法が使えるようになる」


自らのオリジナル魔法の説明を終えると、それを聞いていたトガが思わず吹き出す。


「ぷっ!ははははは!なんだそのクソみたいな魔法は!何でわざわざ俺にその説明をした!説明しなかったらまだ結果は分からなかったかもしれないぞ?」

「この魔法は能力を説明しないと発動しないんだよ」


説明し終わると先程装着したグローブが光輝く。


「これで準備完了だ」

「何が準備完了だ。それだけの弱点を抱えて得られるのがたった1分魔法が使えなくなるってとんだ欠陥魔法だな!」


『ああ、分かってる。そもそもこの魔法はエングと一緒に居る時に使うのがベストなんだ。あいつと協力して使う事で力を発揮する。だが、今の俺の力じゃトガは倒せない。だから、あいつを信じて行くしかない』


決意を固め、サザミは真っ直ぐトガに向かっていく。


「おいおい、本気かよ。本気で俺に触れられると思ってんのかよ」

「うおおおっ!」

「気合いだけはいっちょ前だな!」

「うぐっ!がふっ!」


トガはサザミの腹と顔面を思いっきり殴る。


「近接戦闘は出来ないと思ってたのか?要は手に触れなきゃどこ殴ってもいいってことだろ?こんな殴りやすいサンドバッグはないぜ。お前に魔法を使うまでもない。2度と人前に出られないようにぼこぼこにしてやるよ」


そう言って拳の骨を鳴らす。

だがサザミは殴られた箇所を庇いながらも、その歩みを止めなかった。


「はあ、はあ、っ!」

「ちっただ単に突っ込んでくるだけで何も怖くねえよ!」

「ぐっ!おりゃあ!」

「っ!当たらねえよ!」

「かはっ!ごほっごほっ!」


あまりの痛さにサザミは悶絶してその場でうずくまる。


「もうやめにしようぜ。これ以上やったところで何にもならねぇよ」

「うるさい、それを決めるのは俺だ」


そう言ってサザミはまたトガに向かっていく。


「おりゃ!うおらっ!」

「息も絶え絶えで動きもまるでなってねえくせに」

「ふんっ!」

「これで終わりだよ!」

「がっ!?」


その瞬間、サザミは吹き飛ばされて木に激突する。


「これで終わりだな。すまねえな、息の根を止めるの忘れちまって………っ!」


トガはエングの方へと向おうとするがその時、サザミの投げた石が頭に直撃する。

トガはそれを受けて眉を吊り上げながらサザミの方を振り向く。


「テメェ」

「はあ……はあ……何終わったと思ってんだ。まだ、俺は死んでないぞ!」

「お前……はははっまるであいつみたいだな」

「っ?」

「確かに本気で相手しないと失礼だよな。どんだけぶっ飛ばしようが最後にやられたら意味ないし。お前みたいな目をしたやつは油断するとろくな目に合わねえし」


そう言うと魔法陣を出現させる。


「やらせたのはお前だぞ。後悔しても遅いからな」

「はあ……はあ……」

『これがラストチャンス、これを逃したらもう終わりだ』


「行くぜ!グランドファイヤー!!」

「うおおおおおっ!」


『俺はこんなところで終わるわけにはいかない!お前との約束のためにも、死ぬわけにはいかないんだ!』


目の前に巨大な炎が立ちふさがる。

それをサザミは避けることなく向かっていく。


「あつっ!ぐふっ」

『体が焼ける。息が苦しい。まずい、死ぬ。こんな時に何であの時の事を思い出すんだよ』


―――――――――――――――――――――――――

「それでは今から十二魔道士のオーディションを始める!」


俺はカノエ様に助けられ、カノエ様の十二魔道士になるために鍛えてオーディションに参加した。

人数は10人と多く、実力者揃いだった。


「ガハハハ!よう、お前ら!よく来てくれた!この中から2名の十二魔道士を決めるつもりだ!せっかく来たんだ、やり残しのないように全部の力を俺に見せてみろ!」


俺が勝つ!カノエ様の十二魔道士はこの俺だ!

そう意気込んで拳を強く握ったのを覚えてる。

そして、あいつの目付きも。

エング、あいつは俺が会場に入った時から睨んできたのを覚えている。


「何だ、あいつ。いけ好かねぇな」


まだ、ごろつきだったのもあり怒りを強く感じたのを覚えてる。

そして、まるで運命のいたずらのようにエングと俺は対戦相手に選ばれた。


「よう、お互い仲良くやろうぞ」


そう好意的に出した拳をエングは払い除けた。


「友達作りに来たんじゃねえんだよ。殺すぞ」

「何だとテメェ!」

「落ち着いて!試合はまだ始まってませんよ!」


お互い大嫌いな最悪な出会いかたをした。

そんなやつとの戦いだ。

穏やかなわけがない。

開始早々俺達は相手を殺す勢いで魔法を放ちあった。

実力はほぼ互角だった。

そのせいで泥試合になった。

魔力が尽きても俺達は戦うのをやめずに殴り合いになった。


「うおおおおっ!」

「おりゃああああ!」

「おいおい、何だあいつらおもしれぇじゃねえか!よし、あの2人が合格だ!こいつはいい人材を見つけたぜ、何しろ根性がある」


気がつくと俺は合格していた、対戦相手のエングも合格していた。


「ちょっと待ってください!納得行きません!」

「ああ、納得いかねぇぜ!俺はともかくこいつが何で合格なんだよ!」

「はぁ!?それはこっちの台詞だ!それに俺達はまだ勝敗がついてない!」

「別に勝ったやつが十二魔道士とは言ってねぇだろ?まあいいじゃねえか?俺はお前らが気に入った、それが選んだ理由だ!」

「「……………」」


何て適当な人なんだと思った。

だが、カノエ様の仕事ぶりを見てその気持ちはとっくのとうに消えていった。

困ってる人を誰よりも早く助け、民の声に耳を傾け寄り添い、自分の命よりも他人を優先する。

俺の憧れはいつもカノエ様だった。

最初の頃はエングとは気が合わなかった。

初任務の時も連携が取れずグダグダだった。

だが、次第にお互いを理解し、協力し、達成していくことで絆が強くなっていった。

今ではかけがえのないパートナーになっている。

昔の俺には考えられないが、今では良き理解者として最高の相棒として一緒に戦っている。

それもこれも全てカノエ様のお陰だ。

俺はあの人から色んな物を頂いた。

目標も仲間も居場所もそして、生きる意味を。

その人に恩返しするためにも俺は………俺は……!


「…………死んだか。骨すら残らずに消えたか。まっそりゃそうだろうな。魔法で防ぐこともせずただ突っ込んでくるだけだからな―――――っ!」

「俺は…………勝つんだ!」


トガが後ろを振り返った瞬間全身火傷で見るに耐えない姿をしたサザミが手を伸ばしていた。


「こ、こいつ!」


『腕でも足でも体でも命でも何でもやるよ。代わりにお前の命を貰う!この瞬間に俺の全てをかける!』


その瞬間、トガの体にサザミの手が触れた。


「………ふふっははは!たいしたやつだぜ!サザミ!お前はすごいやつだ!まさか、この俺に触れるとは!だがな!お前の頑張りも無駄だ!今のお前に魔法を撃てる気力はない!」

「エング………」

「ん?何だ?」

「後……任せたぞ」

「何言って…………っ!」

「ああ、任せろ!」


トガが振り向いた先には既にインフェルノキャノンを放とうとしているエングの姿だった。


「お前……やられたんじゃなかったのかよ!」

「これでもう防げねぇな!喰らってもらうぜ。俺とサザミの命を懸けた一撃を!」

「ちくしょう!」


そう言ってトガはその場から離れようとする。


「逃がすわけねぇだろ!サザミが命懸けで作ってくれたチャンスを無駄にするわけにはいかねぇんだよ!」

『あの世に行けよ。クズやろうが』

「インフェルノキャノン!」

「―――――――っ!」


渾身の一撃が無防備のエングに直撃する。


「はあ……はあ……サザミ!」


エングはすぐにサザミを抱き抱える。


「おい、大丈夫か!?こんな姿になって……待ってろ!すぐに回復のポーションを飲ましてやるから!」

「ト……ガ…は?」

「ばか野郎!今は自分の心配しやがれ!くそ、早くしねぇと!」

「し……ん……だの……か」

「だから黙ってろ!ほら、口開けろ!飲ませるか…ら……」


その時、どこからともなく足音が聞こえる。

その瞬間、エングの全身に寒気が起こった。


「そんな分けねぇよ。俺の渾身の一撃だぞ?無防備の状態で……そんなわけ」


自分の言ってることとは反対に、エングは先程魔法を放った方に視線を向ける。


「がほっ!げぼっ!くそが!イテェじゃねぇか!」

「嘘……だろ……」


そこには全身血だらけのトガの姿があった。


「こっちはもう生き返れねぇのによ」

「お前……何で……」

「あっ?あーお前の魔法確かに強い。無防備の状態であの威力の魔法だ。正直死ぬと思った。だがな!昔の俺なら死んでいたが今の俺はそう簡単にはやられねぇ!知ってるか?敗北を味わった奴わな、成長するんだよ」

「ば、化け物………」


エングは初めてこの瞬間、心のそこから勝てないと思った。

これほどの恐怖を感じたことは今までなかっただろう。

それほどまでの精神力と威圧感を纏っていた。


「はあ……はあ……ト……ガ……」


するとサザミが立ち上がろうとする。


「サザミ!?お前もう………」

「お前は……俺……た……ち……が……ころ……す」


そう言って意識が途絶えたのかその場で倒れこんだ。


「はっ!たいした野郎だ。生きてるだけで奇跡なのに意識を繋げるだけでやっとの奴が、俺を殺すだと?冗談もほどほどにしとけ!」

「うるせぇ!」


そう言ってエングは近くの木を思いっきり殴る。


「こいつの悪口を言うんじゃねぇよ!」

「がほっ!ごほっ!あーこっちだってボロボロなんだよ。そいつに構ってる暇はねぇんだよ。死にぞこないはさっさとくたばれ」

「っ!ああ、やっぱりそうだ。テメェはやっぱり悪だ」

「は?」

「クソ野郎が、テメェは必ず俺達がぶっ殺す!」



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