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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十四章 黒の時代
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その四 裏切る

「ど、どういうことでしょうか!突然モンスターの姿が変わったと思った瞬間、鏡に何も写らなくなってしまいました!一体何がおこなわれてるのでしょうか!」

「どうやら間に合ったようですね」


そう言ってミュウラは手に持っている自爆スイッチを懐にしまう。


「いやーさすが冷静沈着のミュウラだな。お前に鏡モンスターの自爆スイッチを持たせてよかったぜ」

「当然です。私がミスを犯すわけないでしょう。これであちらの状況はこちらに届くことはなくなった、思う存分暴れられると言うわけです」

「ガハハハ!相変わらず黒の魔法使いとなるとおっかねぇな!」

「当然です。私がどれだけ黒の魔法使いを恨んでいるか、知らないからそう言えるんですよ」


そう言ってミュウラは不気味な笑みを浮かべる。


「とりあえず、鏡の映像を差し替えるぞ。そのセッティングは出来てるんだろうな、風間?」

「ああ、もうそろそろだ」


その瞬間、鏡に何かが写し出される。


「あーっと!どうやら直ったようですね!エング選手とサザミ選手が先ほどのモンスターを一方的に攻撃しています!さすが、十二魔道士です!」


実況者の言う通り、鏡には先程の黒いモンスターは消えており通常のモンスターと戦っている様子が写される。


「どうやら、成功みたいだな。さすがだぜ、どうやってやったかは知らないけど」

「そこは企業秘密だ。安心しろ、ガルアから言われた条件は満たしてるからよ」

「にしても不思議だな。あの写し出されてるのはあらかじめ撮って置いたやつなんだろ?」

「ああ、カメラを応用した奴だ。お前が知る必要は無いぞ」

「なっ!?俺様を侮辱してるのか!?知ったところで出来ないって言ってんのか!」

「黙ってろ、ムラキ」


そう言われて舌打ちして席に戻る。


「それで、これからどうするんだ?ガルア?」

「決まってんだろ。こっちの鏡でゆっくりと見させてもらおうぜ。あいつらの活躍を」


そう言って王達は専用の鏡を取り出して、見始めた。


――――――――――――――――――――――


「殺してやるっす」

「噛み殺してやる」


そう言って隣のハイエナも殺る気満々で復活する。


「くそ!あんだけやったのに振り出しかよ!」

「あの黒いモンスター状態の時は自己治癒力も上がってるみたいですね。黒の魔法使いが現れたとなれば、こんな奴らに構ってる暇はない」


何だ?今のミカ、何かすごい迫力を持ってる。

すると、ミカがゆっくりとモンスターに向かっていく。


「ミカ?」

「何お前?そんな無防備で突っ込んできて。まさか、私を倒せると思ってるわけ。なめてるわね、今の私はお前ごとき―――――」

「ファイヤーバインツ」


その瞬間、瞬く間に3匹のモンスターの首を跳ねた。

そのあまりの呆気なさに俺はただただ唖然としてしまっていた。


「なっ!?嘘だろ………」

「殺すなら一瞬で、それならもう復活は出来ないから」


いつもよりも冷たい口調でミカは言う。

その雰囲気に一瞬たじろいでしまう。


「さ、さすが十二魔道士………」

「まあ私天才なのでこれくらいは当然ですよ」


あの姿を見られちゃ天才何だなって思うな。


「とりあえず、これでモンスター討伐は終了ですね。さっさと黒の魔法使いをぶっ飛ばしましょう!」

「いや、そんな簡単な話じゃなくなったみたいだぞ」

「へ?どういうことですか?」

「黒のモンスターは多分あいつらの仲間だ。あのモンスターの言動通りならここのモンスター全員が俺達を襲いに来る。つまり、敵は黒の魔法使いだけじゃないって事だ」

「なるほど、それは厄介ですね」

「早いところ見つけないとな。その例の地獄のゲートって奴をあいつらに取られるのは、やばいみたいだし」


戦ってる音は聞こえないし、まだ他の十二魔道士も戦ってないのかな?


「とりあえず、早いところその例の地獄のゲートに行きましょう。そこに行けば会えそうですし」

「だな、そっちの方に行けば会える確率も高そうだな。よし、行くか」


俺達は早速そのゲートに向かった。

そういえば、地獄のゲートってどんなの何だ?

確か、ガルアが入ったら体が弾け飛ぶって言ってたな。

そんなヤバイゲートあいつらは何に使おうとしてるんだ?


―――――――――――――――

会場では先程の黒いモンスターについて、王たちが話し合っていた。


「にしても、まさか用意してたモンスターがあいつらの手に落ちてるとわな。ガルア、お前が管理してたんじゃなかったのか?」

「忙しくてな、モンスター管理は他のやつに任せてた」

「ガルア、まさかそれが言い訳ですか?仮にもこの島の王が島王選で使うモンスターの管理を怠るなんて、責任感が足りないのでは?」

「お前、嫌な所はとことん突くよな。まあ確かに自覚が足りなかったな。それはすまないと思ってる」

「すまないと思ってる?」


そう言って鋭い視線でガルアを睨む。

それを見てガルアは丁寧に頭を下げる。


「ごめんなさい」

「まあ、いいじゃねえか!こっちの方が面白そうだしな!」

「カノエ、あなたの低能な言葉を聞いてるだけで頭痛がしてきます。少し、静かにしてくださる?」

「ガハハハ!相変わらず口うるさい奴だな!」

「なっ!」

「俺はこれでも心配してるんだぜ!なあ、ガルア!」


そう言ってガルアの肩を掴む。

そしてカノエはガルアの耳元でつぶやく。


「お前、まさかと思うが奴らと手を組んでないだろうな?」

「……………何言ってんだお前?」

「モンスターが黒いモンスターに変化したと言うことは、奴らの息がかかってるってことだ。つまり、奴らを城に入れたと言うことだろ?」

「確かにそうだな。たまたま黒いモンスターを捕まえたってことにしては、全員が黒いモンスター何てこと先ずあり得ないよな」

「ムラキにしてはまともな推理だな」

「俺様を馬鹿にするな!」

「まっ大方あいつの言う通りだ。で、どうなんだ?ガルアさんよ」

「まっ疑うのは無理ないな。だが、安心しろ。俺はあいつらの敵だ。それは間違いない。城に侵入されたのは予想外だった。警戒心が足りないのは認める。すまなかった」


そう言ってガルアは頭を下げる。

素直な謝罪を見てカノエは肩を組むのをやめる。


「………ガハハハ!そうかそうか!なら、よかったぜ!」


安心したのか笑いながらガルアの背中をバシバシ叩く。


「分かったから叩くなよ」

「まっそうでしょうね。あなたが裏切るとは思えませんから」

「何だかんだ言ってミュウラもガルアを信用してるんですね」

「うるさいですよ、シンラ」

「っ!すまねえ、ちょっと外す。何かあったらお前らで対処してくれ」


その時ガルアは慌てて王の席から離れる。


「ひとまず信じて大丈夫でしょう」

「本当に大丈夫か?俺様は疑ってるけどな!」

「あっそう」

「おい風間!お前、さっきから何なんだ!」

「黙ってください。ここから先は集中を切らせませんよ。何せ相手は黒の魔法使いなんですから」


―――――――――――――――――

一方その頃サザミとエングも黒いモンスターと対峙し、黒い魔法使いの捜索に動いていた。


「おいおい、どうなってんだよ。モンスターが急に強くなったぞ」

「明らかにあいつらの仕業だろ。ちっ面倒なことをしやがる」

「がっはっは!おもしれぇぜ!あいつらがそう来るなら俺も本気で相手してやるぜ」

「何も面白くない。エングこの状況を分かってるのか?黒の魔法使いならともかくモンスターすらも、俺達を狙ってるんだぞ」

「何も心配いらねえって、モンスターだろうが黒の魔法使いだろうがねじ伏せればいいんだからよ」

「クフフっお前のその楽観ぷりにはいつも悩まされてるが、今回は俺も同意見だ」


その時、どこからか声が聞こえた。


「ちっこの森複雑でよくわかんねぇな。さっさとあいつと戦いてぇのによ」


エングとサザミは気配を探りとっさに隠れる。

そして底にいる人物を見つけると、サザミはトガに知らせる。


「見つけた。あれが……黒の魔法使いのトガか」

「なるほどな。ありゃつぇな」


その姿を見て並の魔法使いではないことを悟る。

エングは一足先に隠れるのを止めてトガの目の前に現れる。


「おい、トガ!」

「ん?何だ、居たのかよ。あいつじゃねえが、ウォーミングアップにはなるか」


トガはエングが来たことに特に気にする様子を見せずに、すぐに戦いの準備をする。

だなやる気十分と見たエングは気合を入れるように声を張り上げる


「俺の名前はエングだ!そしてそこに隠れてるのがサザミだ」

「ばか!自らバラすな!」

「隠れても無駄だ。奇襲は通じないだろ?」

「ちっ」


サザミは渋々木の影から出てくる。


「ははっおもしれぇじゃねえか。俺と真っ正面から戦おう何てな。死ぬぞ」

「がっはっは!面白い冗談だ!思わず笑っちまったよ」

「何だと?」

「耳かっぽじってよぉーく聞けよ。お前らは1つミスを犯した」

「はっ!俺達がミスだと?何をミスったか聞かせてもらおうじゃねえか!」

「俺達に喧嘩を売ったことだ!」


その瞬間、トガに魔法を放つ。


「さあ、始めようぜ!命がけの喧嘩を!」



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