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半分獣の俺が異世界で最強を目指す物語  作者: 福田 ひで
第十三章 開幕!島王選
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その三十四 2つのオリジナル

「くそ!早く行かないと!」


先ずは1番遠いところからだ。

それで段々近づいて行こう。

皆が待ってるんだ、俺がボールを持って帰ってくるのを。

こうなったのも俺の責任だ、だからこそ早くいかなきゃいけない!

そう思うと自然と走るスピードが早くなる。

そして、1分も満たない時間で最初の補給場所に着いた。


「よし!早く回収しないと」


俺は急いで魔法陣に手を当ててボールを回収する。


「次だ!」


俺は先程よりも早いスピードで次の目的地に急ぐ。


「待ってろよ。絶対に持ってくるから」


景色が物凄い早さで変わっていく、風を切り障害物を次々と避け進んでいく。

この時ほど脚力を鍛えてよかったと思った日はない。

誰かに殺されそうになることよりも自分の責任で誰かに迷惑をかけてしまう方が、今は1番怖い。


「よし、この先が最後の補給場」


その時木の影から人影が見えた。

俺はスピードを落としてまっすぐとその影に向かう。

そこにはこちらを待ち構えていたナズミの姿があった。


「早かったですね。もう少し遅くなると思ってましたけど」


ナズミは淡々と喋る。

まるで覚悟を決めたようなそんな雰囲気を感じる。


「何で、ここに居るんだ?」

「サザミさんから絶対さんを追いかけるように言われたので、あなたを足止めするようにと」


その瞬間、妙な冷や汗を感じた。

ナズミ、戦ったところをあまりよくは見ていない。

だが、これだけは分かる。

この人は俺よりも遥かに強い。


「退いてくれないか。皆が待ってるんだ」

「それは聞けない相談ですね。私もここを守る意味があるので」


そう言って魔法陣を出現させる。

避けては通れない、戦わなければいけない。

先ず最初に俺から仕掛ける。

ただ純粋に真っ直ぐ突っ込んだ。


「っ!」


魔法を使わずに突っ込んでいくとは思ってなかったのか、反応が遅れる。

それにより俺は簡単に相手の服を掴めた。


「きゃっ!」


俺はナズミを背負い投げする。

体重が思ったよりも軽く、思いっきり地面に叩きつけてしまった。

だが、その瞬間ナズミは受け身を取り足で牽制する。


「っ!?」


俺は思わず後ろに飛ぶ。

ナズミの思わぬ行動が後ろに飛ぶ距離を長くさせた。

もしかするとナズミは格闘経験があるのか?

その瞬間、ナズミは構えをする。


「っ!お前………」

「来るなら来てください。相手しますよ」


やっぱりそういう経験があるのか。


「うおおおおっ!」


俺は拳を握りしめナズミに向かっていく。

だが、俺の拳は意図も簡単に弾かれる。

カウンターによりナズミの拳が俺の頬をかする。

俺はその手を掴み投げようとしたが、再び受け身を取られ引き離される。

お互い攻めと守りの繰り返しにより中々決着がつかないでいた。

くそ!このままじゃらちが明かない!

俺は一瞬の隙をつき手のひらから魔法を出す。


「ファイヤー!」

「くっ!」


ナズミはそれをギリギリで避けて距離を取る。


「魔法ですか。聞いていた通りレベル1しか使えないんですね」

「隠してもしょうがないしな。そうだ、俺はレベル1の魔法しか使えない」

「でも、こうも言ってました。絶対さんには強力なオリジナル魔法があると」


やっぱりここで見せた魔法はもう皆に知れ渡ってるのか。


「それでもナズミは立ち向かってくるのか?正直言って手加減は出来ないと思うけど」

「絶対さんが進む理由があるように私も退けない理由がありますから」


その瞬間、魔法陣が展開される。


「私も本気で行きますよ」

「しまっ!」

「霞の中の私」


嫌な予感がしてすぐに魔法を中断させようとしたが、間に合わず辺りが霞のようにぼやけ始める。


「これは、あの時の」


あの時のモヤはナズミの魔法だったのか。

視界が悪く自分が何処に進んでるのかすら分からない。

その時何処からか風を切る音が聞こえた。

俺は反射的にその音がする方を見る。

その瞬間、光の矢が俺の頬をかすった。


「っ!」


俺はすぐにその場から離れる。

まずいな、狙われてる。

じっくりと俺を倒す気だ。


「このままじゃ分が悪いな。それじゃあ吹き飛ばす!」


俺は魔法陣を10個展開させる。


「ウィンド10連!」


10個の魔法陣によりちょっとした竜巻を発生させる。

それにより辺り一面の霞を晴らしていく。


「よし!これで狙われることは――――――」


その瞬間、大量の魔力が込められた魔法陣が3つ俺を捉えていた。


「チェックメイトです」


その声を聞いた瞬間一斉に攻撃が開始される。

爆発音と共に地面がえぐられる。

ナズミは終わったと思い呼吸を整える。


「お前がな」

「っ!?」


俺はあらかじめワープで後ろに回り込んでいた。


「ファイヤーボール!」

「うっ!」


ファイヤーボールで目眩ましをしてすぐに周りに魔法陣を展開させる。


「喰らえ!インパクト!!」


カモフラージュに出した魔法陣のその1つが強力な魔力により爆発する。

決まったか?ていうか決まってくれると嬉しいんだけど。


「これが……絶対さんのオリジナル魔法ですか………」

「やっぱりそう簡単には決まらないよな」


ダメージをそこまで受けてないのか、土で汚れた服を叩きながらこちらに向かってくる。


「聞いてた通りの強さでした。でも、予想してたよりは少し弱い気がします。これなら私は負けません」

「なめられてもらっちゃ困るな。まだまだ俺は行けるぞ」

「それならもう終わらせますね」


その瞬間、見たこともない魔法陣が出現する。

この魔法陣ってもしかして……………


「もう遅いですよ。既に私の範囲内です」

「まさか!」

「踊る人形笑う操り人」


その瞬間、地面に大規模な魔法陣が展開される。

それに気づいた時は既にナズミの魔法をもろに受けていた。


「誰がオリジナル魔法が1つしかないと言いましたか?」


体がピクリとも動かない、どうなってるんだ?


「この魔法は相手を拘束する魔法です。魔力が低ければ低いほど拘束の強さは上がります。レベル1の絶対さんなら指1本動かすことは出来ません」


そう言うことか俺とナズミの魔力差がかなりあるから………ん?

その時体がスムーズに動いた。


「あれ?」

「ふえ?」


突然体が動いたことによりお互いその場で固まる。


「あーっと動けちゃったっぽい」

「何でですか!?絶対さんは魔力レベル1だと聞いたのに。もしかして騙したんですか!?」

「いや、別に騙した訳じゃ」


そういえば、俺の体の中には隠れた魔力があるんだったな。

もしかしたら表面じゃなくて体全体の魔力の差で決めてるのかもな。

まっこれは言えないんだけどね。


「もしかして絶対さんの魔力レベルって10何じゃないですか!?うん、多分そうです。じゃないとあんな威力のオリジナル魔法なんて出来ませんし、嘘ついて大会に参加してたんですね。もしかして、ガルア様にも嘘ついていたんですか!?」

「いや、だから嘘ついてないって!」

「それならこれはどう説明するんですか」

「それは………」


まずい、何か言わなければまた疑われてしまう。


「何も言わないってことはそう言うことなんですよね」

「いや、だから違うって!えっとーあっ!多分ナズミの魔法が不完全だったんだよ!」

「わ、私の魔法がですか?」

「そう!だってオリジナル魔法って作るのすごく大変なんだろ?なのに2個も持ってるなんて何処かしらに不備があってもおかしくないだろ」


冷静に考えれば俺が今言ったことは妥当だと思う。

ていうかオリジナル魔法を2個も持ってる時点でおかしいしな。


「いや、別に難しくは無かったですけど」

「え?そうなの?」

「はい、なので不備とかそういうのは絶対ありません」


あーなるほど、多分この人あれだ天才なんだな。


「これで分かりました。あなたは嘘つきで人のせいにする最低な人だと」

「え?ちょっと待って何で俺の評価そんな下がってんだ?」

「それなら手加減しなくてもいいですよね」


そう言って魔法陣を展開される。

それの魔力は先程よりも濃いものだったのは明らかだった。


「え?今までの手加減してたのか?」

「天罰を受けてください!」



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